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25・香澄side・運命の相手*
しおりを挟む「やらッ…あ、あ、やだ、」
尿意とは違う気がしたのだがぐりぐりと膀胱を捏ねられて揉まれて、尻の割れ目に液体が伝うのが分かった。
「ひひ…ビッショビショや…香澄チャン♡」
顔を濡らした成田さんがそう言い悪い笑い方をするものだから、
「嫌やもう、汚い、」
と逃げようとするも脚を押さえられて動けない。
「汚いことあれへん、小便とちゃう…なぁ、どの体位で挿れよか?」
「なんでもッ…いいですっ…」
「ふーん?ほな…うつ伏せになっといて」
「……」
びしゃびしゃに濡れたベッドシーツが冷たくてホテルの人に申し訳なくて、追加料金などの請求が自宅に届いたらどうしようなどとネガティブな考えが頭をぐるぐると駆け巡る。
そして先ほどの液体が何だったのかとシミを少し触って鼻に近付けるも尿の臭いとは少し違って…体を起こし膝を立ててそこを確認してみたけど尿のように黄色くもなかった。
「小便とちゃうって、潮、」
「あの、不衛生、」
「不衛生を気にする奴はクンニなんかせぇへんわ、ひひっ」
それもそうなのかな、っていうか潮って何だろう、肩をグイとシーツへ押し付けられた私へ彼は
「バックなぁ…んー、脚の長さが合えへんな」
とまさかの体型いじりを繰り出す。
「失礼な…」
「小柄で可愛いねんけど…こういう問題があるからほんまもんの少女とはでけへんのよな」
「少女とスることが問題でしょう‼︎」
「ひひっ、まぁね…ほな…脚伸ばして、ケツだけ浮かして、そう…上手や、ん♡」
「っヒ、ィ、」
にゅると入る感触とお褒めの言葉がばちんと心を叩く、小鳥の囀りに似た鳴き声が漏れるとそれを拾った耳がじわと熱くなった。
「あ、あア、あ♡」
「ん、ちんちんが呑まれてんなぁ、エッチな香澄チャンよ」
「あ、ゔぁ、あ、」
「体、潰してまいそうや…ふッ…あー、香澄ちゃんでちんちん扱くん最高♡さすがこの前まで処女やったま◯こやな」
この人は私を怒らせたいのかな、それとも興奮させてるつもりなのかな、下卑た言葉を垂らしては私に聴かせて…そうかナリの真似かなと頭が追い付くと身体が一層彼を離さなくなる。
「キッツイ、ん、なぁ、ナリが浮かんでへん?ん?」
「ちょっと、ね、でも、っフぅ、悠ちゃん、やからッ…あ♡」
「そう?ん、」
「あ、私ッ、ナリに抱かれ、たいとか、思うてへん、の、」
「ほんまかな、っふ、ゔ、んッ♡」
これだけ私を欲して囲ってまんまと手篭めにしたのにまだ自信が無いのか、振り返って見上げた彼は酷く辛そうな顔をして揺れていた。
「悠ちゃん、向かい合って、」
「嫌や、無理」
「なん、デっ…あ、ァ♡ひぅ、」
「ふふ、ん、んー…香澄ちゃん、俺のや、陽二にはやらへん、俺のや」
「どこにもっ、行きませ、ン、あ、アあ♡」
伏せをした犬のように顔の横についた手はがっしりと押さえ付けられて、さっき指で責められたのと同じ所をぐにぐに突かれて混ぜられて…遠吠えするように顎を持ち上げては倒してシーツに擦って、彼が出入りする穴の近辺は再び潮に濡れる。
これで私を征服したつもりになるならそれも良し、弟と恋人を取り合った過去でもあるのかな、緩やかになった振動の中で私はぱたと顔を下ろして深く息をした。
「…っは、香澄、ちゃんッ…ハ…あー…初めてやねん、自分から…こない求めんのはぁ、俺はロリ趣味やけどもちろんほんまもんに手ぇ出したことはあれへん、セックスした相手は学生時代の彼女とマッチングアプリの子ぉらだけや、好みが…あ♡ここまで、合致したんは香澄ちゃんが初めてやねん、んア♡」
「かお、かァ、」
「しゃーないやん、彼女欲しい思うてる時に出逢うたんやもん、お父さんも公認や、な、おとぎ話のお姫様かて、簡単に王子様と恋に落ちよるやないか、ビジュアルも要素のうちや、ん、ん♡」
何度も考えては振り出しに戻るこの『見た目がタイプ』問題、お互い様なのだけどいまいちロマンに欠ける私たちの出逢いは他者に堂々と誇れるものでもない。
見た目がどうこうのルッキズムはむしろ私が忌避していたことだし勝るどころか弱みであって…好みだと言われても「物好きだな」としか思えないのだ。
「とし、取って、もォ?」
「可愛い婆ちゃんになるだけやろ、望むところや」
「可愛く、なくなったら?」
「その頃にはその顔に慣れとるわ…香澄ちゃん、童顔はチャームポイントや、俺はそれに釣られた、でも中身も好きや、少なくとも今、香澄ちゃん以上の存在はおれへん!好き合うてんねん、これ以上の幸せがあるか?しやから離さへん‼︎」
初めての日に彼は「初めての男が運命の相手かなんて神さんでも分かれへんぞ、自分がそない強運掴める人間やと思うてんのか、思いあがんなッ」と私に言い放ったはず、あれはブーメランとして彼自身に返ってきてるのね、だってこんなに私を欲している。
そして弱みをチャームポイントと表してくれたその単純で大袈裟な愛が私の心にばちんとハマって突き動かして、それはまるきり錯覚なのだろうけど成田さんこそが私の運命の相手なのだろうなんて…こちらも思い上がってしまう。
「ふゥ……悠ちゃん、離して、お願い、正常位で…」
「嫌や…これの方が征服感ある」
「もう、変態…私の顔、見たないんですか?」
「…は?」
「悠ちゃん好みの私が喘ぐ顔、見たないの?」
「…見たい、けど」
逃げはしない、「イヤ」は様式美であって今の私はせっかく会えた成田さんを置いて逃げるようなことはしない…初めてのホテルの時のように。
「じゃあ私にも見せてください、私好みの悠ちゃんの顔、見して」
「…逃げへん?」
「いまさら何言うてるんですか…手ぇ掴んでいいです、しっかり握って、好きなように責めて?」
「ん…ほな…こっち………んふふ…可愛い」
変質者みたいに笑うその顔、本当好みだなぁ、好きだなぁ、私で興奮しているこの人が愛しくて愛しくて、そしてその意思を伝えようと私は仰向けでバンザイして無抵抗を表す。
「なに」
「逃げませんよ、って」
「短い腕やな」
「ひど」
私たちに子供はいないけれど彼は我が子をこのように慈しむのかな、優しくそれでいて拘束感がひしひしと伝わるハグは私としても堪らなく心地良い枷だった。
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