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"狼"の質疑応答

不幸ヤンキー、”狼”を間違える。【終】

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御用達(ごようたし)のラブホへと直行し部屋へと連れてかれる幸はこの後に何が起こるのかさえも検討がついているので心臓を高鳴らせて顔を赤くしている。そんな彼に笑いかけながらベットへと運んで哉太は地面を叩いて能力を解除させた。緩やかに落下する幸に哉太はサングラスを外して笑みを浮かべている。
「いや~。嬉しいよね~。…花ちゃんに、いや、幸にプロポーズされるとはね~。そしたら俺も何かしないとなんだけど。」
「えっと…。そんな大層なつもりじゃ…。」
「えっ?じゃあさっきのは…嘘?」
妙に気迫のある顔を見せられてしまい幸は何とも言えずにいる。しかし哉太はそんなことなど構いもなく、幸のYシャツのボタンを外しながらとある話をしたきた。
「幸は知ってる?…オメガバーズの話。」
「???オメガ…バーズ?」
幸が首を傾げれば哉太は説明をしながらシャツを剥いで自分も上着を脱ぎながら話していく。
「まあ最近のBLの類なんだけど、αとβが居て、そんでΩ(オメガ)が居るの。でもオメガは発情期っていうのがあって…」
「???…ハツジョウキ?」
幸がまたもや首を傾げたので哉太は軽く笑ってから幸の額にキスを落とし結論を述べる。
「狼がモチーフなったって噂のお話だよ。割愛しちゃうけど、その中にね、運命の相手を見つけると…こうするんだって。」
すると哉太は幸の髪を上げてうなじに噛みついたのである。驚きと共に痛さで涙を浮かべる幸に哉太は対面をしてから抱きしめて言い放つ。
「…契約の証。俺たちはずっと一緒ってこと。…指輪は幸がもう少し大人になったらあげる予定だからそのつもりでね。」
血が滲むほど強く噛まれて幸は少し涙目になりながら感想を述べる。
「いっ…痛かったぁ…。」
「俺はそういう幸の涙ぐむ顔も好きだよ?ちょっとブサイクだけど。」
「うっ…さい。」
すると2人は深いキスをした。卑猥な音を立てて鳴らされる音に幸は恥ずかしくなってしまう。そんな彼をゆっくりと押し倒して唇が離れたかと思えば、哉太は幸の胸にあるつぼみを大きな舌で舐める。
「うひゃぁっ…。あぅぅ…。」
甘い吐息を漏らせば哉太は幸自身を下着越しから触っていく。じんわりと濡れた下着に哉太は笑ってから直に触ってきた。
「幸の奴、濡れまくってんね~?…キスと乳首いじっただけでそうなっちゃったの?」
意地悪な質問をしながら上下に扱う哉太に幸は顔を真っ赤にして泣きそうな表情を見せる。
「うっさぁいぃ…。哉太さんの…バカ。仕方ない…だろぉ?」
「ちゃんと謝んないとイカせてあげないよ?『…勃起しちゃって、濡れまくってごめんなさい。』って言ってくれたら…俺はすんごい興奮するけど?」
哉太がわざと行為を止めれば幸はして欲しいが恥ずかしくて言えない自分がいた。それでも行為を続けて欲しいからなのか身体を捩じらせて小声で言い放つ。
「あの…その。勃っちゃって…ごめんなさい。…だから一緒にシよ?やだ?」
「!!!」
涙声と顔を涙でぐちゃぐちゃにしている幸の顔を見てしまえば哉太の理性が吹っ飛んでしまった。哉太は濡れた手にローションをたっぷりと塗りたくり幸の小さな窪みへ侵入させる。最近は哉太との行為で柔らかくなってしまった幸の窪みに指を入れてかき混ぜれば幸は高く甘い声を音と共に響かせていく。
-グチュゥリ…。ぐちゅ…。グチュ…。
「はぁっう!!!あぁうっ!!!哉太さんと…いっしょが…いいの…に。」
後ろを弄られて喜ぶ幸に哉太は余裕がなさそうである。
「だったら…幸も一緒にイケるように我慢…しよ?…俺と一緒が…良いんでしょ?」
すると哉太は片方の空いてる手で幸自身を強く握りしめて塞き止める(せきとめる)。苦しそうな顔を見せる幸に哉太は後ろを弄る指を抜き、哉太自身を取り出した。紫のビキニから出てきた黒くて太い棒に幸は恐怖と共に喜びを覚えてしまう。
「は…っやく、挿れてぇ……?俺…もう、ムリぃだからぁ…!」
純粋無垢な青年が一皮剥けて淫らな大人へと変わる瞬間を目の当たりにした哉太は驚きを抱きながらキスと同時に挿入する。ゆっくりと確かめるような動きをすれば幸は喘ぎと共に確認してくる。
「か…なたさん。…イキそう?」
「うん…。もう俺、イケるな…。幸が可愛く誘ってくれたおかげ…かな?」
汗ばむ哉太に幸は苦しそうな笑みを見せながら言い放つ。
「やったぁ…。いつも…さびし…かったから。」
キスをねだる幸に哉太は深いキスをして2人で達するのであった。

朝。脳内再生をして幸は体が熱くなるほど恥ずかしい言動を言ってしまった自分に後悔を抱いた。
(やばい…。俺、すっごい、いや、すっげぇ恥ずかしい事言いまくった!!!…恥ずかしい…。)
もしも幸に言語力があれば”穴があったら入りたい”と言うだろう。そんなことはおいて置き、優雅にシャワーを浴びてきて水滴を垂らしながら来た哉太は幸が起きてきたと分かった途端、はしゃいでベットへと飛び乗った。
「花ちゃんおはよ~!昨日も良かったね~!つーか一緒にイケた」
「分かった!!!いいからあんたは早く髪の毛を乾かして服を着て仕事しろ!!」
「…花ちゃんも早くしないと遅刻…というか遅刻だよ?もう。」
「げぇっ!!???マジで!!?」
時計を見てみれば8時半過ぎ。ホームルームは8時半からなので確実に遅刻である。いつものように溜息を吐けば哉太はにこりと笑いながら幸の半裸の身体を撫でる。髪の毛を退けてうなじを見てみれば深く刻まれた哉太自身が付けた噛み跡が。訝しげな顔を見せる幸に哉太は耳元で囁くのだ。
「…やっぱ幸が可愛かったから朝からしちゃおっか。」
「…はい?」
幸の身体をベットへと預け深いキスをする哉太に戸惑う幸ではあるが内心ではこのような事を思っていた。
-哉太さんと一緒にイケたから嬉しい。-
「幸、…聞こえてる。嬉しかったんだ?」
「あっ!!??いや…えっと…。」
再び顔を赤くする幸に哉太は意地悪な笑みを浮かべるのであった。
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