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嘘つき王女のお手伝い

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「んっ、こぉで、ふか?」
「ははっ、そうだ、っ、うまいぞぉ?」

言われるがままに見たこともない太さの肉の棒を舐め上げて咥える。ふとモノを見つめれば、表面がやけにテカテカしていた。皮膚のはずなのに不思議な感覚だ。王女として育った私は、自分のモノ以外を見たことがないが、成人男性というのはこれくらいの大きさが普通なのだろうか?下の妹の腕くらいの太さがあるのだけれど。

「んっ、そうだ……はぁ、そこの括れに舌を……っ、いいぞ、そうだ」
「っちゅ、あいやとうございます」

括れにそって舌を動かせば褒められた。あまり実践的なことは学んでいないと言ったが、手取り足取り教えて下さってありがたい。輿入れ前の閨房学でも、いかにして殿方にその気になってもらうかがメインでその後のことはすべて任せよ!としか言われていないので、何もかもが新鮮だ。

「ふっ、あー……いい、そのまま」
「んっ、けほっ、ぐぅ、く、るし」

不意に陛下が呻いたと思ったら、急にグッと喉まで突き込まれた。思わず口を開けて、助けを求めようと上を見る。しかし、熱に浮かされた目をしてどこか苦しげな陛下に「すまん」と短く謝罪されて目を見開く。

「……っ、ちょっとだけ我慢してくれ」
「ううっ」

頭に両手を添えられて、ずん、と喉の奥に突き込まれる。口の中で暴れ回り、目の前で陛下の鍛え上げられた腹筋が躍動する。何度か動きを止め、ぎゅっと腹筋が耐えるように痙攣した。

「うぐ、ぐっ、んっ、んっ」
「はぁっはっ、うっ、あぁックソ、キモチイイな!?」

必死に歯を立てないようにだけ努力しつつ口を開けていた私は、吐き捨てるような情けない声に顔を上げた。子供のように必死な顔をした陛下が、一心に私を見下ろしながら腰を前後させている。なんだか可愛らしい。そう思ったら、ふと笑みが溢れた。

「うっ」
「んんっ!?」
「しまっ」

急に動きが止まって、喉の奥で熱が破裂した。咄嗟に引き抜いた陛下が、己の一部の暴走に慌てながらシーツに向けている。私もシーツに喉の奥に出されたものを吐き出しながら、自ら手を動かして絞り出している勤勉な陛下をぼんやりと眺めた。何度かに分けて吐き出される精液が、先ほど内腿を切られて染みた血に混ざる。

「よかった……」

これで明日の朝のための偽装は成功したのだと、私は心底安堵した。しかし陛下は私のため息をどう理解したのか、後始末を済ませると慌てて申し開きを始めた。

「すまんすまん!ちゃんと外に出すつもりだったんだが、さっきの笑みにやられてしまった!反則だぞあれは!チンコ咥えながらあんな汚れなき天使みたいな顔しやがって!」

なぜかしどろもどろの弁明をしながら私を詰ってくる陛下に、私は手渡された手巾で口元を拭いながら首を傾げた。

「てんし……?こちらの神話でしょうか?」
「そうだ、お前は天使だ」

よくわからない。こちらの神学なども一応ある程度は修めているのだが、民間伝承の類だろうか?

「初めての夜なのにしまったな……もう少しロマンチックにしたかったのだが、つい。俺にとっては最高の夜だが、お前はもう少し夢とかあったろ?」

何も落ち込むことはないと思うのだが、初夜に夢があるタイプだったのだろうか?欲望が制御できなかったと項垂れる陛下の姿はやけに愛らしい。かつて、父からの貰ったお土産の髪留めを、あたかも自分からのような顔で母に贈り物として渡したことが発覚して、こっぴどく叱られた時の私のような悄気っぷりだ。決まりの悪さと申し訳なさ、そんな感じ。

「いえ、あの、お気になさらず」
「だが……」
「もともと婚姻に現実味もなく,特に理想もなかったので。それに、あの、……わ、私こそ、うまくできず」
「いや!」

口籠もりながら謝罪を返したら、陛下から被せるようにして即座に否定された。

「よかった、すごくよかった。不慣れで初心な感じが最高だった。非常に萌えたし燃えた」
「そ、そうですか?それなら……よかったです」

力強く言って頂けたので、慰めではないらしい。よかった。ここで気分を損ねられて首が落とされる心配もなくなった。
そんな、ある意味失礼なことを考えていた私は、ニヤつきながら近づいてきていた陛下に気が付かなかった。

「というわけで、お返しだ。ほら」
「へ?あっ、えぇっ!?」

トン、と肩を押されてその場に押し倒される。困惑している間に、陛下は私の両太腿をガッツリ待ち、股間に顔を寄せていた。

「な、何をなさるので、……んひゃあっ!?」
「はははっ、妙な鳴き声の子犬だなぁ?」
「あ、あっ、お、おやめくださいっ、そんな場所……っ」

私の股間に、というか私の縮こまっている陰茎に躊躇うことなく唇を寄せていく陛下に、私は目を白黒させて焦った。

「へ、へいか、そんなこと!?」
「お互い様だろ?お返しだって」
「うっ、んんんっ、あっ、にゃ!」

制止も間に合わず、私のモノはあっさり、パクリと口に咥えられた。え、先ほどの行為は私がするだけでなく、同じことを私もされるのか!?なんで!?これは精液を出すための行為だったのでは!?私には不要なのでは!?

「次回のための、勉強だと思え」
「んっ、そ、んなぁ!?」
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