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6 少年漫画も、その二次創作ものも好きだけど、コレちょっと違うんだ ※微

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* 少年漫画風味(多分)です。ヒロインがBL妄想してます。本番なしです。







******


「腹減った」

 いつかの時代の少年漫画みたいな言葉が口から飛び出した。
 ここはいったいどこ?

「腹一杯に食わせてやる」

 どこから現れたのか、劇画タッチのゴリゴリのマッチョさんが私を肩に担ぎ上げた。

「わっ、待って! 誰? ナニ?」

 私は米俵じゃないよーー?
 下されたのは、薄汚れた酒場っていうか、食堂。
 荒くれ者の兄ちゃん達がいっぱいいる。

 え。怖っ。

「は、離さないでぇえ~!」

 ゴリマッチョさんの腕にしがみつき、見上げると口を大きく開けて笑った。

「仕方ねーな。ほらよっ」

 片膝に抱っこされて、食堂のおばさんに声をかけた。

「いつもの、二人分! 腹減ってるっていうから」
「麦酒もかい?」

 わたしの顔をジロジロ見ながら訊いてきた。

「飲めます、いえ、飲みます。成人してますから!」

 多分、歳より若く見られている。

「……いくつだ?」
「二十八です」

 店内がシンとした。
 え? そこまで?

「嘘だろ? 聞き間違えか……十八か?」
「いえ、二十八です」
「……成人はしてるんだな?」
「はい」

 空きっ腹に呑むつもりはないけど、呑める時に呑んでおきたい!
 だって、今の状況ありえないから!
 いっぱい呑んで、落ち着こう。







『努力、根性、友情……好きでしょ?』

 美しい女神様が言った。

 好き。
 少年漫画の昔ながらの定番。
 今時の最初から最強なのも好きだけど、胸熱展開が好きだから。

『しかも、あなた、二次創作好きでしょ? 男同士でイチャコラするの♡』

 好き。
 オリジナルのBLより、原作にない展開を妄想するのが本当に楽しい!

 次の戦いに備えての、束の間の安息。
 そこにいるのは共に死線をくぐり抜けてきた仲間。
 なんか、目覚めちゃってもおかしくないよ!
 だってもう、男が二人いたら考えるでしょ、どっちが攻めで、受けなのか。
 
『うんうん。あなた、いいわぁ♡ もう、あなた、今すぐ行こう! 幸せになるから! 周りが男だらけよ~、でもちゃあんとあなたを守る頼りになる男と一緒に冒険に出るの!』

 冒険に? 
 そんなの、わくわくすっぞ!

『うんうん、ちょっと古くていいわね♡ ぴったり♡ こっちの世界は任せてね! 一名様、ご案内~♡』

 それで、いきなり森の中にいてオロオロして、うろちょろしちゃったんだ。
 そこに現れたのが、このゴリマッチョさんだった。

「お前、なんであんなところにいたんだ?」
「……わからないよ。ゴリマッチョさん」
「……お前に名前、教えたか?」

 マジで?
 ゴリマッチョって名前なの?

 ぎろりと私を見て麦酒を流し込む。
 ごくごくと喉が大きく動いて思わず見入った。
 男っぽーーい!
 うわぁ! いい!

「……ゴルマッチョだ。正しくは」
「ゴルマッチョさん。私、セイコです」

 すごい、これ運命じゃない?

「セイコ? よろしくな、セイコ」
「はい」

 麦酒で乾杯して、私達はこれからのことを話し合った。
 知り合いもいないし、お金もない、家もない、困っていると伝えたら。

「迷子か? やっぱ子供じゃねえのか?」

 三回めの乾杯をした後、そう言われてちょっと酔った私は彼の耳元でささやいた。

「あとで。私が大人だって、証明するから。私、ゴルマッチョさん、好みのタイプなの」

 ついでに息を吹きかけて。
 
「…………」

 ゴルマッチョさんが黙るから、調子に乗って太ももをすりすりした。
 二十八だし、それなりに経験はあるんだ!
 彼氏がいた時代もある!
 昔、昔に……。

「……そろそろ、部屋で休むぞ」

 鼻息の荒いゴルマッチョさんが、私を抱えたまま立ち上がって歩き出す。

「お前、一人にしておけねーな」
「そう?」
「……ここは、八割が男の世界だ。危なすぎる」

 そう言えば女神様が男ばっかりっていってたな。
 つまり。
 男同士のアレコレを……。
 
「のぞき放題」
「何をだ? 他の男はだめだ。俺が好みなら、俺にしておけ」

 部屋に入るなり、私の唇に噛みついた。

「痛ッ!」
「お前が。目の前に俺がいるのに、よそ見するからだろう? 俺だってお前がいい。ほら、大人だって証明して見せろよ」
「ええっ⁉︎」
「ほら、言ったことには責任を持て」
「あ、そっか。そ、だね」

 酔った勢いもあって、下着姿になって彼の前に立った。

「…………」
「ゴルマッチョさん、触りたい?」

 今日はかわいい下着でよかった。
 彼の顔のまん前に胸を突き出すと、ごくりと喉が動いた。

「……ああ」
「ね? 子どもじゃないでしょ? 認めてくれたら、触っていいよ」
 
 ガン見していたゴルマッチョさんが、私の顔をじっと見た。

「認める。……どこでもいいのか?」

 どこでも?

「いいよ。ゴルマッチョさんなら。代わりに私にも、んぅーーっ!」

 触らせてって、言う前に彼が私の唇を塞いで抱きしめた。
 そのまま、ブチ、ブチッと下着を破って丸裸になる。

「ひどいっ! これしかないのに!」
「……俺が用意する」

 ゴルマッチョさんの大きな手が私の両胸を包んだ。

「柔いな」
「んっ……じゃあ、私もっ」

 ゴルマッチョさんの胸筋に触れた。
 ピクピク動くのすごい。
 ふぁ~、興奮する!

「セイコ、足りない」
「足りない?」
「もっと触れてみたい」

 触れてみたい?
 
「もしかして、女の子初めて?」
「ああ。この世界に女は少ないからな」
「じゃあ、これまでの相手は」
「…………男は食指が動かん」

 え?

「ゴルマッチョさん、童貞?」
「悪いか」

 ちょっと拗ねたように言うの可愛い。

「悪くないよ。そうだ、ゴルマッチョさんいくつなの?」
「三十だ」
「賢者ね! あ、魔法使いだっけ?」
「いや、ただの旅人だが?」
「そっか……」

 異世界でも三十過ぎた童貞が賢者とか魔法使いってならないんだ。

「正確には明日、誕生日だ」
「ゴルマッチョさん、これ以上はやめよう。明日魔法が使えるようになるかもしれない! えーと、明日の夜までお預けです!」

 ゴルマッチョさんが低く唸った。

「……やっぱり童貞とはやりたくないのか?」
「そうじゃない。ちょっと検証してみたくて。えーと、何時頃生まれたかわかる?」
「……明け方と聞いている」
「じゃあ、明日の夜?」
「わかった……でも我慢できない!」

 ベッドに倒され、ゴルマッチョさんがイチモツを取り出した。
 うわーー! すごい!

「待って!」

 私の太ももの間にイチモツを挟んで、パンパン腰を打ちつけた。

「セイコ! セイコー!」

 おぅ、これが素股ね。
 あ、なんだかちょっとこれ、まずいかも。
 体が熱い。
 
「あっ……!」
「セイコもいいのかっ!」

 忙しなく腰を振るから、ちょっとずれたら入っちゃいそう。
 
「んっ……、ゴルマッチョ、さぁんっ!」

 ソレ、欲しい。
 でもジョブチェンジするか見てみたい!

「サイコーだッ!」

 女神様。
 なんだか冒険に出るのは少し延びて、しばらく部屋に籠りそう。
 でも、彼との生活は楽しくなりそうです!









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 お読みいただきありがとうございます。
 えっと、すみません。

 
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