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7 さるとりいぬ、えーと、十二支? 五人の夫は今日も騒がしい。その後 ※
しおりを挟む* 3話目の続きです。♡飛びますのでご注意下さい。一対一です。
******
「洞窟……」
入り口は小さく、中に入るとひんやりしている。
私が体を震わせると、鬼人さんが包み込むように抱きしめ直し、奥へと進む。
「こっちは意外と暖かいんだ」
急に視界が開けた。
これ、流行りのグランピングみたい!
この鬼人さんは、好みがうるさいのか、住環境を大事にしているのか、ベッドにもたっぷりと布がかかり、天蓋までついているし、ソファもある。
松明じゃなくて、私を抱えたままオイルランプを数カ所ともしてくれた。
「あの、ここまで来て逃げませんよ」
「……逃げるとは思っていない。ただ、俺が離したくないだけだ」
きゅうん。
周りにこんなタイプいなかったから、ちょっと心臓が苦しい。
病気じゃないよ、しいて言えば恋の病かもしれない!
好き。
何この独占欲!
ここは夢の世界じゃないよね?
「……大事にするから、ここにいる間は俺のこと以外考えるな」
まさか、こんなこと言われる日が来るなんて。
「……夢、みたい」
思わずつぶやいた私に、彼が口の端を曲げて笑う。
「夢のわけ、あるか……いや、夢をみさせてやるよ」
奇人、じゃなかった鬼人の口説き文句ってそんな感じなのかな?
結構しっかりがっつり、浮ついているんだ。
そんなことを考えていたら、ベッドにゆっくり下されて、上からのぞき込まれた。
思わずごくりと唾を飲む。
「初めてか……」
今、疑問形じゃなかった。
初めて、ではない。
初めては俺様がいただくぜってノリだったのかな。
どうしよう。
「あの、私、経験……」
「いや、いい。聞きたくない。体に聞けばわかる」
「いっ……♡あっ……♡♡」
膝裏をしっかり掴まれ、ぱちゅんぱちゅんとリズミカルに突き込まれて、私の頭の中は真っ白になっていた。
「あぁ♡も♡ダメ♡♡」
「いや、まだ始まったばかりだろう?」
彼はそれはそれは丁寧に私を抱いた。
秘所を執拗に舐め吸われ、何本の指が入ってるかもわからないくらい解された。
これ以上無理って思ったところで、ようやく正常位で合体からの側位でいちゃいちゃ。
続けて後背位で荒々しく、それから起こされて背面座位でねっとりじっくり、くるっと回転させられて正常位に戻ったところ。
へばるって。
彼はまだ一度もイってない!
一体どのくらいの時間励んでいるかも、わからない。
「仕方ないな……」
そう言ってねっとりと舌を絡める口づけと、唾液が流し込まれる。
「んむぅ、んんっ♡」
カァっと体が熱くなるの、なんで?
「鬼人の体液は体力回復効果もある」
「あぁ、なるほど……でも、お酒飲んだみたいな感じする」
口角を上げて、媚薬効果もあるんだと笑った。
「嘘でしょ⁉︎」
「さあ? 確かめてみよう」
ぐりぐりと奥に押しつけながら腰を回す。
「ん♡奥、だめっ♡そこ、やっ♡ああっっ♡」
「ほら、他の奴には届かないところをたっぷり突いてやる」
「あ♡あ♡♡♡あ♡あ♡あ♡あ♡あっっ♡♡♡」
小刻みに突かれてきゅうきゅう内壁がうごめいた。
「くっ‼︎ 俺は、早漏じゃないッ‼︎」
「あああんん♡♡♡」
フィニッシュ。
早漏ではないよ、なんでそう思った⁉︎
「もう一度、今度こそ……」
人間は多分もっと早いよ。
私は無言で彼の背中をぽんぽん叩いた。
「慰めはいらない。……それならば、回数で……」
キリッとした顔で私を見下ろした。
そこに、かすかに複数の足音が聞こえてきた。
「チッ……」
え?
私を抱き上げ、足早に洞窟の奥へと進むと温泉があって、その中に浸かった。
温かくて、心も体も癒される……。
そこで、お互いを清めていると、遠くから声が聞こえてきた。
「時間だ! 出てこい! おいっ、どこ行った⁉︎」
「迷子になるぞ。それ以上行くな」
「トウコ!」
名前を呼ばれて、獣人のみんなかなと思う。
「もう、夜だぞ! 俺たちの番だ‼︎」
え?
もう一晩、っていうか丸一日経ったの⁉︎
私が彼を見ると、肩をすくめて私を抱き上げた。
「あいつら、気が早いな。まだ、俺は足りないのだが」
岩の上に綺麗に並べられたタオルを一枚とり、私を包む。
彼は全裸のまま、さっきの部屋の方へ戻った。
「遅い! もう日は沈んだ」
寝室の隅で獣人三人が所在なげにしていたけど、私達を見るなりサル獣人が叫んだ。
「チッ」
鬼人が舌打ちして、いつの間にか私は犬獣人に抱きしめられていた。
クンクン匂い嗅がれるの、恥ずかしいんだけど?
「俺の匂いに塗り替えてやる」
「ちょっと、ずるい!」
「早くここを出よう♪」
鬼人の名残惜しそうな顔を見て、私はまたね、の意味で小さく手を振った。
鬼人が口角を上げたのが見えたけど、私はイヌ獣人にぎゅっと抱きしめられたまま洞窟を出た。
「待ち遠しかった。今夜は俺だ」
「いや、俺だよ」
「え~! 僕でしょ♪」
イヌ獣人、サル獣人、トリ獣人が順に言う。
結局誰も引かなくて、決まらないまま家に着いた。
「おかえり~! 俺最後でいーよ」
茶髪のお兄さんに声をかけられて、獣人三人がまた騒ぎ出す。
疲れてぼんやりしていたのもあるけど、私が口を挟む暇がない。寝てないし。
「いいこと思いついた! 三人で始めれば、三日一緒にいられる‼︎」
「いいね♪」
「……しかたないな」
いやいやいや。
いきなりそれはハードルが高い!
「却下で‼︎ お願いします……」
みんながシュンとしたから、やっぱり順番でお願いした。
「今日は添い寝してくれる人希望!」
みんなが譲り合って決まらなくて、見かねた茶髪のお兄さんが名乗り出て添い寝が決まった。
「疲れただろ? あいつら体力化け物だから。ゆっくり眠ろうぜ」
ぽんっと頭を撫でられた。
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なんか、うまくやっていけるかも!
それから私達は賑やかに暮らしましたとさ。
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