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大神くん編
エピローグ
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「ああ、凄く、幸せだ」
「ふあぁっ……私も、ああっ……幸せ……」
とろけるような顔をして見つめ合い、ゆっくりと腰を打ち付けあっていたその時、思い出したくない記憶が一気に蘇った。
「ま、待って……あぅっ……違うの、ああっ……大神くんっ……あんっ、いやぁっ……」
混乱する私はお構いなしに、大神くんが腰の動きを早めた。
「ひょっとして、江崎さんも、思い出した?」
「あっ、んんっ……やっ……もって、何っ……ああんっ……」
奥に打ち付けるような激しい動きに何も考えられなくなるけど、聞き捨てならないことを言われた気がする。
「はぁっ……あの時の江崎さんを思い出すと、止まらなくなるんだよね……」
中で果てたはずの大神くんの物が、また大きくなった。
「あー、つけ直すからちょっと待ってて」
「待って、江崎さんもって何?いつから?どこまで?」
「メイド服着てもらった時あったでしょ。膝に乗せてキスした時に全部」
私はハッとした。それまでは初めて同士と言うことで、どこかぎこちなかったのに、あの時を境に大神くんが覚醒したのだ。
思えば、あれ以来時折見せるようになった意地悪な笑顔は魔王に似ている。
「全部って……」
「中庭で見とれてくれたんだよね」
私の身体をクルリと回し後ろから抱きつくと、大神くんが耳元で囁いた。本当に全部だった。
「ごめん。今日は帰してあげられないかも」
私が恥ずかしさに身体を縮こませていると、大神くんはとんでもないことを言い、再び私の中に入ってきた。
私と大神くんが付き合うようになったのは、大学生になってからだった。
私は恋心に蓋をしたままだったし、大神くんはまずは仲良くなってから告白しようと思って、仲良くなれずにいたらしい。
同じクラスの時もほとんど話さなかったんだから、クラスも別れて受験もあったら仲良くなりようがない。
宇佐美くんとは同じクラスで受験先も同じと言うことで、話すことも多かった。
少し背の伸びた宇佐美くんは少しカッコよくなっていたけど「大学生になって江崎に彼氏が出来なかったら俺とやろう」を口癖のように言う宇佐美くんを好きになることはなかった。
ちなみに大神くんは宇佐美くんに「大学生になったし江崎にも彼氏がいないし、ちょっとやってくるわ」と言われてようやく告白に踏み切ったそうだ。
実に大神くんらしい。
「だからっ、ああんっ……待って……んんっ、あっ……宇佐美くんはっ……ううっ……思い出してっ……はぁっ、ないよねっ……」
後ろから突かれながら、何とかそれだけ言うと、大神くんは強めに乳首をつねってきた。
「今は、他の男の名前は聞きたくない……」
「やあっ……んんんっ……」
大神くんとはまあこう言う仲なので、百歩譲って諦めるとしても、宇佐美くんにだけは思い出して欲しくない。思い出されたら死活問題だ。
「宇佐美なら、思い出したら……くっ、言うと思う」
それだけ言うと、大神くんはぐりっと強く腰を打ち付け、耳に齧り付くようにして囁いた。
「江崎さんが、思い出してくれて良かった……もう、我慢しなくてすむ……」
「あうぅっ……が、我慢って?」
「徐々に、色々していこうと思ってたんだけど……あの記憶が、戻ったなら、もう大丈夫だよね……」
今日は色々、いっぱいしようと言われ、私は意識が遠のいた。
覚醒したと思った大神くんは、まだ覚醒していなかったらしい。
「だから消去してって言ったのにー!」
私の叫びは誰にも届くことなく消えていった。
「ふあぁっ……私も、ああっ……幸せ……」
とろけるような顔をして見つめ合い、ゆっくりと腰を打ち付けあっていたその時、思い出したくない記憶が一気に蘇った。
「ま、待って……あぅっ……違うの、ああっ……大神くんっ……あんっ、いやぁっ……」
混乱する私はお構いなしに、大神くんが腰の動きを早めた。
「ひょっとして、江崎さんも、思い出した?」
「あっ、んんっ……やっ……もって、何っ……ああんっ……」
奥に打ち付けるような激しい動きに何も考えられなくなるけど、聞き捨てならないことを言われた気がする。
「はぁっ……あの時の江崎さんを思い出すと、止まらなくなるんだよね……」
中で果てたはずの大神くんの物が、また大きくなった。
「あー、つけ直すからちょっと待ってて」
「待って、江崎さんもって何?いつから?どこまで?」
「メイド服着てもらった時あったでしょ。膝に乗せてキスした時に全部」
私はハッとした。それまでは初めて同士と言うことで、どこかぎこちなかったのに、あの時を境に大神くんが覚醒したのだ。
思えば、あれ以来時折見せるようになった意地悪な笑顔は魔王に似ている。
「全部って……」
「中庭で見とれてくれたんだよね」
私の身体をクルリと回し後ろから抱きつくと、大神くんが耳元で囁いた。本当に全部だった。
「ごめん。今日は帰してあげられないかも」
私が恥ずかしさに身体を縮こませていると、大神くんはとんでもないことを言い、再び私の中に入ってきた。
私と大神くんが付き合うようになったのは、大学生になってからだった。
私は恋心に蓋をしたままだったし、大神くんはまずは仲良くなってから告白しようと思って、仲良くなれずにいたらしい。
同じクラスの時もほとんど話さなかったんだから、クラスも別れて受験もあったら仲良くなりようがない。
宇佐美くんとは同じクラスで受験先も同じと言うことで、話すことも多かった。
少し背の伸びた宇佐美くんは少しカッコよくなっていたけど「大学生になって江崎に彼氏が出来なかったら俺とやろう」を口癖のように言う宇佐美くんを好きになることはなかった。
ちなみに大神くんは宇佐美くんに「大学生になったし江崎にも彼氏がいないし、ちょっとやってくるわ」と言われてようやく告白に踏み切ったそうだ。
実に大神くんらしい。
「だからっ、ああんっ……待って……んんっ、あっ……宇佐美くんはっ……ううっ……思い出してっ……はぁっ、ないよねっ……」
後ろから突かれながら、何とかそれだけ言うと、大神くんは強めに乳首をつねってきた。
「今は、他の男の名前は聞きたくない……」
「やあっ……んんんっ……」
大神くんとはまあこう言う仲なので、百歩譲って諦めるとしても、宇佐美くんにだけは思い出して欲しくない。思い出されたら死活問題だ。
「宇佐美なら、思い出したら……くっ、言うと思う」
それだけ言うと、大神くんはぐりっと強く腰を打ち付け、耳に齧り付くようにして囁いた。
「江崎さんが、思い出してくれて良かった……もう、我慢しなくてすむ……」
「あうぅっ……が、我慢って?」
「徐々に、色々していこうと思ってたんだけど……あの記憶が、戻ったなら、もう大丈夫だよね……」
今日は色々、いっぱいしようと言われ、私は意識が遠のいた。
覚醒したと思った大神くんは、まだ覚醒していなかったらしい。
「だから消去してって言ったのにー!」
私の叫びは誰にも届くことなく消えていった。
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