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大神くん編

エロゲーにもエンディングはある

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「はぅっ……あっ、んっ……ああっ……」
 大神くんにベビードールとブラジャーを脱がされ、私は執拗に胸を責められていた。
 両手で胸を揉みしだかれ、時折乳首を吸われたり摘まれたり、やられたい放題だ。
「あうぅっ……大神、くん……」
 私は足をモジモジ擦り合わせながら、切なく大神くんの名を呼ぶ。
 大神くんは太ももを撫でながら、深い口づけをしてくるけど、一番触って欲しい所には触れてくれない。
「ふっ……んんっ……んんっ、んっ……やぁっ、お願い、もう……」
 大神くんがキスを辞めて私を見下ろしている。どこか意地悪く、薄く笑う大神くんと魔王が重なる。

「うん、何?」
 さわさわと足の付け根の際どい所を撫でながら、大神くんが訊ねてくる。
「あの、触って?」
 太ももを触る手を求めるように、いやらしく腰がくねってしまう。
「ここ?」
「ひぁっ……ち、違う……あんっ……」
 乳首を摘まれ身体が跳ねるけど、触って欲しいのはそこではない。
「そう?気持ち良さそうだよ」
 鬼だ。鬼がいる。しかし、魔王で鍛えられた私だって負けていない。

「大神くん……」
 私は大神くんの手を取り、ぐしょぐしょに濡れているそこまで誘導する。
「ああんっ……んっ……ああっ、気持ちいいっ……ここっ、はぁっ……触って……」
 自分でこすり付けるように腰をくねらせていると、息を呑んだ大神くんがずぶりと指を入れてきた。
「魔王、やり過ぎ……江崎さん、僕負けないから」
 激しく指を抜き差しする大神くんの瞳は怪しく輝いていたけど、待ち望んだ快感に身体を震わせている私は気づくことができなかった。
 
「んんっ、んっ……ふぅっ……んっ、んんっ」
 指二本を複雑に抜き差ししながら、空いた手はやわやわと胸を揉み、時折乳首を弾く。
 私の口は大神くんにピッタリと塞がれ、溢れる嬌声は舌の動きと共に飲み込まれていく。
「はぁっ、もっと気持ちよくしてあげたいけど、もう限界……」
 ごめんといいながら、大神くんはガチガチに硬くなった物を私に擦り付けてきた。
「うぅっ、私もっ……んんっ、大神くんが……ああん、欲しい……」 
 私がギュウっと大神くんに抱きつくと、大神くんはゆっくりと私の中に入ってきて、耳元で囁いた。
「ああ、凄く、幸せだ」
「ふあぁっ……私も、ああっ……幸せ……」
 私達はとろけるような顔をして見つめ合い、ゆっくりと腰を打ち付けあった。
「やっぱり、大神くんじゃなきゃ、んんっ……やだ、ああっ……」
 私が言い終える前に、大神くんが激しく腰を振ってきた。
「そんなこと、言われたら……くっ、我慢できない」
 一層激しくなる動きにまた意識が飛びそうになる。

「江崎さんっ……江崎さんっ」
「ああっ、んっ……やあっ、んんっ……大神、くんっ……す、きっ」
「くっ……」
 ビクビクと身体を震わせながら、大神くんが熱いものを注ぎ込んできた。
「僕も、好きだ」
 素直に言葉を受け入れて、幸せに頬を緩ませていると、大神くんがとんでもないことを言ってきた。
「ごめん。やっぱあんまりもたなかった。でもまだいっぱい出来るから、いっぱいしよう」
 
 その後向かい合わせに座って一回、後ろから一回、何も考えられなくなるまで揺らされ続け、私は真っ白に燃え尽きた。
 そう、こんな風に真っ白に。
 
 
「いやあ、ご協力どうもどうも」
 どこまでも白い、何もない世界に声だけが響いている。
「くそっ、またヤリ損ねた!俺も媚薬プレイしたかったのに」
「まだ途中だったのに」
(た、助かった……)
 宇佐美くんには魔王になった記憶はないらしい。
 そして大神くんは、まだやるつもりだったのか。
 
「もういい、江崎ここでいいからさっさとヤるぞ」
「宇佐美はダメだ」
「大神、お前はいいよな。毎回毎回気持ち良さそうに腰振りやがって。なんだ、あの獣みたいなセックス。羨ましすぎだろ」
「江崎さんとは、両思いになったから」
「おい、いつの間に……いや、精神世界ならセーフだ」
 私に掴みかかろうとする宇佐美くんを、大神くんが羽交い締めにした。
「俺がどれだけ協力してやったか忘れたのか。ちょっとぐらいいいだろ」
「それは感謝してるけど、ダメに決まってるだろ」

「お取り込みの所悪いんだけどさー。話聞いてくんない?」
 声だけ響かせ、軽いノリで割り込んできたこの人は誰だ?
「あれ?分かんない?皆のアイドル、惑星探査機インターフェイスHL-800だよ☆」
「随分話し方が違うと思うんですが」
「君たちがリペア中のデータを解析して、より理解を深めたのさ。人間万事塞翁が馬、みたいな?って私人間じゃなかった。テヘッ☆」
 退化してる様に見えるのは気のせいだろうか。
「なんか君たち、エッロい事しかしてなかったけど、無事直ったから。もう戻れるよー」
「俺はしてない。今からやるからもうちょい待ってろ」
 宇佐美くんの目は血走っている。
「早く、早く戻して下さい」
 捕まえている大神くんも必死だ。
「どっちだよ。まあいいや、では戻す前に説明事項をお伝えしまーす。やるならお早目にー」
「やる!やる!」
「早く!早く!」
「二人ともちゃんと聞こうよ」
 説明はちゃんと聞いておいた方がいい。
 
 
「ひとーつ。接続中のデータは正規データではないため、接続解除後速やかに削除されます。私の記憶には残るけど、外部出力不可だから安心して。そこら辺は、君たちの記憶と同じと思ってもらっていいから」
 アレやコレを色んな宇宙人に研究データとして使われる危険があったのか。危なかった。
 
「ふたーつ。次は君たちの記憶の取扱いなんだけど、ここでの記憶は残すことも出来るし、消すことも出来まーす。この星の民主主義に敬意を払い、多数決で決めたいと思いまーす。では、協議どうぞー」
「削除でお願いします」
「そんなの残すに決まってるだろ」
 即答した私と宇佐美くんは意見が分かれたので、決定は大神くんに委ねられた。
「ええー、大神くん。そこは迷わず削除しようよ」
「触手プレイなんて現実では拝めないんだぞ。迷うな、心に正直になれ」
「そうじゃなくて、せっかく江崎さんと両思いになれたからちょっと、もったいなくて」
「大神くん。もし記憶が残ったら、私は家に引きこもって二人を呪いながら一生を終えるよ」
「削除してください」
 青ざめた大神くんが即答すると、白かった世界が端の方から光を失っていった。

「みーっつ。記憶を消すと言ったけど、正確には記憶のロックしか出来ないんだよねー。技術的には出来るけど、法律的に出来ないみたいな?だから、思い出しちゃったらゴメン☆」
「え、ちょっと、それは困るんだけど」
「よし、意地でも思い出してやるからな」
「……」 
「大神くんもなんでちょっと嬉しそうにしてるの?わー、待って、ちゃんと消して、ねえってば」
「じゃあねー、バイバーイ」
「いーやーだー」
 
 こうして、私達の冒険は終わった。
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