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第四世代

閑話休題 ルコアの日常 その3

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なお、ルコアが、<腹部を覆う肌着>を常に着けているのは、まさしく、

『体が透明だから』

である。なにしろその所為で、<胃や腸の内容物>が見えてしまうのだ。これはさすがに、慣れていても見ていて気分のいいものではないし、他の誰かに見られるというのも耐え難かった。だから、透明な体を持つ者達のために<腹部を覆う専用の肌着>が開発され、それが使われているということだ。

『腰から下がヘビのようになっている』

ルコアの場合は特に、彼女専用の筒状の肌着が用意されている。これは、寝る時にも邪魔にならないように肌触りを良くし圧迫感を与えない形で高い伸縮性が確保されたものだった。

地球人社会で広く普及していた肌着を作るノウハウを基にした上で、彼女のための工夫が試行錯誤され、今の形となっている。

色は基本的に、オリジナルのルコア・ドルセントの肌の色に近いベージュ。体にフィットしているので、遠目にはそれこそ普通に肌のようにも見えるだろう。

そして、顔を洗い歯を磨き、顔や首や腕にファンデーションを塗ったルコアは、<下着>を身に着け始めた。<トップ>についてはもちろん彼女にジャストフィットするように作られた<地球人用のそれ>と変わらない形状のものであるが、<足>を持たない彼女は、

『<アンダー>を穿く』

ということができない。なので、

<肌に貼り付けるタイプの下着>

を用いるしかなかった。それを、腹部を覆う肌着の下に装着する。腹部を覆う肌着自体が腰の辺りまでカバーしてくれているものの、それだけだと心許ないので下着も用いるわけだ。

いくら自身の体を受け入れていても、<羞恥心>というものも当然あるがゆえに。

こうして下着を身に着けると、次は<服>だ。

彼女の服はどうしても<ワンピース状のもの>に限定されてしまうものの、これについてはルコア自身も割り切っているのでさほど不満もなかった。最初の頃に作られたものは動いているうちにずり上がってしまったりしてその度に自分で整えなければいけなかったりしたにせよ、改良が進んだ今ではよほど激しく動いたりでもしない限りはそれもほとんどなくなった。激しく動けば服が乱れることがあるのは、普通の地球人用のものでもそうなので、そこまで気にする必要もないだろう。

こうして衣服を身に着けるともう、

『体が透明である』

ことはほとんど分からなくなる。

ただ、地球人の体における<足>にあたる部位から下は、かつてはファンデーションを塗っていたりもしたのだが、動けば地面などに擦れてすぐに剥げてしまうので、今では透明なままにしていたのだった。

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