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第四世代

光編 子育ての第一関門

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ミルクについては、取り敢えず母乳が十分に出ていることもあって、今の時点では事足りている。しかもここまでは、ひかりもビアンカもあかりも、それこそ飲み切れないほど母乳が出ていて、搾乳し冷凍し、コーネリアス号に送り届けて成分のみを抽出し粉ミルク化、もし足りなくなった時なんかに備えて保存している。

とは言え、実はコーネリアス号に備えられていた粉ミルクもまだ残ってるんだけどな。現在の地球人社会での長期保存技術であれば、二千数百年が経っていても問題なく使える状態だった。一応、<品質保証期間>は五十年とされてるそうではあるものの、それはあくまで、

『パッケージだけでそれだけの期間、品質を維持できる』

という意味であって、その上でさらに静的保存庫で良好な保存状態を保つことができれば、事実上、品質は劣化しないというのが地球人社会の一般的な技術だ。

今の朋群ほうむではさすがにそこまでのことは無理だとしても、コーネリアス号の保存庫を使えばかなりの長期保存も可能ではある。

だからその辺りの心配は要らない。最悪、今まさに絶賛母乳が出まくり中のあかりに貰えば済むしな。

が、今はシモーヌもたっぷり母乳が出てるから問題ない。

なので<ミルクやり>については出番もないしで、オムツ替えとお風呂と夜泣きの対応が俺の主な役目だ。

おっぱいは大体二時間ごとくらい。とは言うものの、オムツを替えたり寝かしつけたりをしていればあっという間に一時間くらいは経ってしまうので、実質、一時間くらいしか休めない。まあ、<子育ての第一関門>と言ったところか。

母親は、出産の際のダメージに加えホルモンバランスが大きく変化した状態でこれに曝されるから、極度の睡眠不足と疲労から精神をやられる例が多いそうだ。

これが野生の動物の場合、母親が寝てても赤ん坊が勝手に乳を飲んでくれたりするから、

『野生の動物だってやってることだ!』

と口にする連中の言い分はこの時点で破綻している。人間(地球人)の赤ん坊は自力で母親の胸にしがみついて乳を貪るということがまずできないわけで。

しかも野生の動物の場合、元々、長時間ぐっすりと眠るという習性がほとんどない。そんなことをしてたら、

『寝ている間に天敵に食われていた』

なんてことにもなりかねないからな。対して人間(地球人)は、ある程度以上のまとまった時間、深い睡眠をとるという生態になってしまっているがゆえに、

『一時間程度の睡眠を何度にも分けて寝る』

というのは無理があるんだ。

つまり、野生の動物の育児を人間に当てはめるのはとんだお門違いなんだよ。

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