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第四世代
シモーヌ編 新生・鈴夏
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新暦〇〇三六年七月五日
鈴夏六型亜式のメインフレームも、ボディの奥深くに頑強なケースにしまわれた状態だったことで、二千年以上の時間にも耐え、再起動を果たして見せた。そしてロボットゆえに、コーネリアス号のAIからデータを提示してもらってわずか数十秒でこれまでの経緯を察してくれた。
こういう時にはやっぱりロボットがうらやましくなるな。それに、メイフェアと同じく人間の感情の再現を試みられた機体とはいえ、メイフェアの<失敗>についてもデータにはしっかりと含まれていて、そこから学び、アリアンと同じく冷静になることができたようだ。
元々、あまり感情的な振る舞いを見せるようなキャラ付けは行われていなかったらしいし。
そうして、鈴夏のために優先的にアリス陸号機の建造を行い、同時に、鈴夏のメインフレームを搭載できるように急遽、一部設計変更を行った。
これにより、アリス伍号機である桜華までとはボディの部分のデザインが若干変わったが、まあこれも<仕様違い>程度の差異にしか感じないだろう。
で、
「アリス陸号機改め<鈴夏>だ。よろしくな」
新しいボディを得た<新生・鈴夏>として蘇った彼女をお披露目する。
「皆様、よろしくお願いいたします」
彼女は丁寧にそう頭を下げて挨拶した。
「よろしく」
「よろしくね」
レックスとシオをはじめとして、タブレットを通じて参加していた皆が鈴夏を迎え入れてくれる。
アリス陸号機の建造を急いだことでドライツェン陸号機の完成は少し遅れることになりつつも、名前は先に決まった。
<アンデルセン>
だ。と言うのも、これまた灯がコーネリアス号のアーカイブから見付けたアニメのキャラクターに鈴夏という少女がいて、その相棒がアンデルセンという傭兵だったんだ。
たまたまではあるものの、まあそういう縁があるならいいじゃないか。
いずれにせよ、取り敢えずはこれで、コーネリアス号のメイトギアとしての記憶を持つ鈴夏がシオとレックスの傍に配されることになり、当面の間は桜華と共に二人を支えてもらうものの、桜華は必要に応じてどこか別の集落に配置することもできるようになっただろう。
鈴夏も新しい体にもすぐに慣れてバリバリ働いてくれるようになり、実に頼もしい。
本来のボディに比べると性能差はひどいものではあるにせよ、ロボットは、いろんなロボットとリンクして様々な状況に対応することもよくあるから、人間のように戸惑うこともない。むしろ、
「また皆様のお役に立てて嬉しいです」
なんてことも口にするくらいだ。
鈴夏六型亜式のメインフレームも、ボディの奥深くに頑強なケースにしまわれた状態だったことで、二千年以上の時間にも耐え、再起動を果たして見せた。そしてロボットゆえに、コーネリアス号のAIからデータを提示してもらってわずか数十秒でこれまでの経緯を察してくれた。
こういう時にはやっぱりロボットがうらやましくなるな。それに、メイフェアと同じく人間の感情の再現を試みられた機体とはいえ、メイフェアの<失敗>についてもデータにはしっかりと含まれていて、そこから学び、アリアンと同じく冷静になることができたようだ。
元々、あまり感情的な振る舞いを見せるようなキャラ付けは行われていなかったらしいし。
そうして、鈴夏のために優先的にアリス陸号機の建造を行い、同時に、鈴夏のメインフレームを搭載できるように急遽、一部設計変更を行った。
これにより、アリス伍号機である桜華までとはボディの部分のデザインが若干変わったが、まあこれも<仕様違い>程度の差異にしか感じないだろう。
で、
「アリス陸号機改め<鈴夏>だ。よろしくな」
新しいボディを得た<新生・鈴夏>として蘇った彼女をお披露目する。
「皆様、よろしくお願いいたします」
彼女は丁寧にそう頭を下げて挨拶した。
「よろしく」
「よろしくね」
レックスとシオをはじめとして、タブレットを通じて参加していた皆が鈴夏を迎え入れてくれる。
アリス陸号機の建造を急いだことでドライツェン陸号機の完成は少し遅れることになりつつも、名前は先に決まった。
<アンデルセン>
だ。と言うのも、これまた灯がコーネリアス号のアーカイブから見付けたアニメのキャラクターに鈴夏という少女がいて、その相棒がアンデルセンという傭兵だったんだ。
たまたまではあるものの、まあそういう縁があるならいいじゃないか。
いずれにせよ、取り敢えずはこれで、コーネリアス号のメイトギアとしての記憶を持つ鈴夏がシオとレックスの傍に配されることになり、当面の間は桜華と共に二人を支えてもらうものの、桜華は必要に応じてどこか別の集落に配置することもできるようになっただろう。
鈴夏も新しい体にもすぐに慣れてバリバリ働いてくれるようになり、実に頼もしい。
本来のボディに比べると性能差はひどいものではあるにせよ、ロボットは、いろんなロボットとリンクして様々な状況に対応することもよくあるから、人間のように戸惑うこともない。むしろ、
「また皆様のお役に立てて嬉しいです」
なんてことも口にするくらいだ。
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