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第四世代

シモーヌ編 新たなシモーヌ

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こうして救助された、

<新たな秋嶋あきしまシモーヌのコピー>

ではあるものの、

「シモーヌ……? 私の名前はシモーヌっていうの……?」

ワイヤーで降下したドーベルマンMPMに救助された<新たな秋嶋シモーヌのコピー>は、シーツで体を覆いながら、問い掛けた。

やはり、ここにいるシモーヌと同じように、今の姿になったばかりで記憶が戻っていないようだ。だから俺は、

「はい。そうです。あなたの名前は<秋嶋シモーヌ>。今は記憶が混乱しているでしょうから無理に思い出そうとしなくても結構です。おそらく数日中から数ヶ月中には記憶が戻るでしょう。あなたと同じ事例はこれまでにも確認されていますので、我々にはその対処についてのノウハウがあります」

と、ドーベルマンMPMが掲げたタブレット越しに告げ、さらに、

「初めまして。シモーヌ。私もあなたと同じく<秋嶋シモーヌ>と申します。あなたにとっては<先輩>ですね。サポートはお任せください」

こちらのシモーヌが顔を見せながら告げた。が、<新たな秋嶋シモーヌのコピー>の方は今の自分の姿について、と言うか、

『自分が秋嶋シモーヌという人間である』

こと自体を理解できていないので、こちらのシモーヌの姿を見ても驚いたりはしなかった。だからこそ今のうちに存在を知らせておいた方がいいと判断したというのもある。

そこに、

「これより当機は空港に向かいます。そこからさらにコーネリアス号にてあなたを正式に保護することになります」

アリアンが、やはりドーベルマンMPMが掲げるタブレットに自身のアバターを表示させ告げた。アリアン自身は、コーネリアス号のAIがこれまで蓄積した情報とダイレクトに繋がれるので、俺がこの惑星に不時着して以降のことはすべて把握している。これまたロボットならではのものだな。正直、羨ましいよ。



とまあ、<新たな秋嶋シモーヌのコピー>についてはこれから、こちらのシモーヌが経験したことをほぼそのまま経験することになるだろうが、シモーヌとしては二度目だし、久利生くりうの例も含めれば三度目だし、ビアンカとメイガスの件を含めればそれこそ五度目だ。正直、何も心配していない。

その一方で、<新たな秋嶋シモーヌのコピー>を保護するために投入したホビットMk-Ⅱを十機失うことになった点については、今後の課題だな。岸に戻ってから擱座した五機はアリアンとドーベルマンMPMが回収したものの、河底に没した五機については事実上、放棄することになるだろう。

代わりをいくらでも製造できるホビットMk-Ⅱを回収するためにエレクシアを派遣するわけにもいかないしな。

少し切ないが、これもロボットの役目だ。

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