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第三世代

灯編 さすがは私のダンナだ

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そう言えばセシリアは、ひそかあらたを産む時に、あらたが逆子だった上に臍の緒が首に絡まってたっていうんで、それに対処するためにひそかの膣に手を突っ込んでってのをしたんだよな。

まあ、させたのは俺だが。

<出産>てのは本当にいろんなことが起こるもんだ。今回のは厳密には<出産>には当たらないんだとしても、とにかくいろいろあるってのは事実だろう。

だが、卵の摘出手術そのものは、実に呆気なく終わった。そもそも、アラニーズが卵胎生で母親の胎の中で孵ってその上である程度成長した子供を外に出すためのそれだから、単に卵を取り出すだけなら十分な大きさがあるんだそうだ。

しかも、ポータブルエコーとリンクしそれを<視覚情報>として捉えることができるメイトギアにとっては、それこそ見ながら卵を掴みだすのと同じだから、苦労する理由がそもそもない。

こうして本当に十分ほどで呆気なく<摘出手術>は終わり、三つの卵は無事、孵卵器に納められた。

もう孵化が近く、卵胎生ということもあってか卵の殻が薄く透き通っていて、中で小さなアラニーズがぐるんぐるんと体を回転させている様子がはっきりと分かる。

ただ、シルエットが明らかに、二十世紀終盤にヒットした、

<SFホラー作品のクリーチャー>

を彷彿とさせて、本音を言わせてもらえばなんだか恐ろしげでもあった。これについてはビアンカ自身が、

「なんか、怖いですね」

苦笑いを浮かべて言う。そのビアンカも、体に異常がないか問題がないか精査して、問題なしとされたことで、そのまま三十分ほど<自分の子供達>を見守っていた。

が、

「卵と中の子供についても特に異常は見られません。保育器の機能も十全に働いています。早ければ今日明日中にも孵るでしょう」

セシリアが告げたことでビアンカもホッとし、久利生くりうが、

「お疲れ様」

労ってくれてさらに安堵し、あかり達を<育児室>へと招き入れた。

「おーっ! これがビアンカの子供達かー!」

黎明れいあをビアンカに渡しつつ、あかりは孵卵器の中の卵を見るなり、感心したように声を上げる。

「なんか、不思議な感じですね」

ルコアは未来みらいを抱いたまま少し戸惑った様子だ。さらに久利生くりうも、

「確かに、なんとも言えない不思議な感覚はあるね。ビアンカの子ではあるけど、僕とは血の繋がりがないわけで」

少し苦笑いだ。でも、

「でも、<ビアンカの子>であるなら、僕は愛せるよ。ビアンカが未来みらいやルコアを愛しているようにね」

とも、きっぱりと言う。するとあかりが、

「さすがは私のダンナだ! 器が違う!!」

嬉しそうに笑顔で彼の肩をバシバシと叩いたのだった。

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