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第三世代

モニカとハートマン編 猛攻

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俺自身の狙いとしては、本当なら、最悪でも<サーモバリック爆弾>でケリをつけるはずだった。それを使ったことによる大きな被害も、そこで決着がついてくれてればまだ気持ちの落としどころがあっただろう。

しかし、残念ながら、その狙いは果たされなかった。

それでも久利生くりうは、さらに次の準備をしていた。突破されることも、当然のように想定していた。

久利生くりうにとってはそれこそ普通のことだったんだろう。軍人である以上、するべき想定なわけで。

だからただ淡々と、次の段階へと進む。淡々と作戦をこなす。その中で、ハートマンだけが猛然と攻撃を繰り出しているようにも見える。

もっともそれも結局、俺がそう解釈しているだけにすぎないだろうが。

とは言え、ハートマンの攻撃が非常に苛烈なものであることは間違いない。

ビアンカらの攻撃そのものも、ハートマンによるそれを中心に組み立てているようにも見える。

ごお! と唸りを上げながら、ハートマンの腕や脚が牙斬がざんを襲う。痛みを感じないロボットは、右腕を失っていても動きは衰えない。そのためのロボットであり、それ自体が武器になる二本の頑強な腕と、四本の脚だ。さらには、そのまま叩き付けるような攻撃には使えないが、精密作業用の副椀も持ち、拳銃や自動小銃程度ならそちらでも使える。戦闘力そのものは、決して大きく衰えてはいない。

そんなハートマンに苛立ったのか、

「ガアッ!!」

牙斬がざんが牙を剥き、飛び掛かる。

だが、それこそが狙いだった。ハートマンのすぐ目の前で、

バンッッ!!

激しい爆音と共に、牙斬がざんに向けて、地面が爆発した。久利生くりうが準備していた<備え>の一つだ。

コーネリアス号に残されていた武装の一つ、<クレイモア地雷>だった。中に詰められたクソ重い金属球数百個をC-10爆薬によってばらまくという<指向性地雷>の一種で、実戦ではロボット兵に対する牽制に使われることが多いらしい。

かつてはこれの原型になったものが対人地雷として重宝されたそうだが、今でも人間相手なら十分以上の殺傷力を持つらしいが、さすがに戦闘用ロボット相手だと目くらまし程度の役にしかたたないそうではある。

しかし、相手が生物なら。

サーモバリック爆弾に比べれば、もちろん、広範囲を焼き尽くすような威力はない。ないものの、ごく限られた範囲であれば、生物相手であれば、その殺傷力は極めて高い。

「やったか!?」

俺は思わず声を上げたが、久利生くりうはまったく油断しなかった。そしてその通り、煙の中から、牙斬がざんが飛び出す。そして、グレイを飛び越えて、その場を走り去っていったのだった。

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