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第三世代

モニカとハートマン編 第一種警戒態勢

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「ビアンカ、第一種警戒態勢!」

白いルプシアンの動きを見た久利生くりうの判断は早かった。ビアンカも、すぐさま対処する。倉庫として使っている建物に入り、装備を身に付けたんだ。

僅か一分で再び現れた彼女の姿は、現時点で運用可能な武装のすべて、ボディアーマー一体型で胸の左右に設けられたホルスターに拳銃、両肩にナイフ、アラニーズとしての胴体にもコーネリアス号に装備されていた防弾防刃服をしつらえ直した物をまとってそこに自動小銃四丁とライフル二丁及び予備弾倉に加えて対人手榴弾十個を搭載、さらには、六本の足それぞれに彼女専用に仕立てられたパイルを装着した、まさに、

<全身これ殺意の塊、ワンマンアーミー、フルアームド・ビアンカⅡ>

といった風情だった。こういう時のためにあらかじめ準備していたんだ。

ビアンカも久利生くりうも、決して好戦的なタイプじゃない。でも、れっきとした職業軍人だった二人は、『危機に備える』ことを軽んじたりもしない。

ビクキアテグ村の開発の傍ら、しっかりと<防衛体制>も整えていたんだよ。白いルプシアンが確認された時点で、第二種警戒態勢に入っていたし。

久利生くりうは、ビアンカに指示すると同時に、ハートマンとグレイにも、

「全周警戒! ハートマンはポイントN0004、グレイはポイントN0006にて<D>の指揮を取れ!」

と指示を出したので、俺が、

久利生くりうの提案を承認! 指示に従え!」

と改めて<命令>を出す。すると、

「了解!」

声を揃えて応えたハートマンとグレイがすぐさま村の外へと走り出た。ちなみに久利生くりうが口にした<D>というのは、ドーベルマンMPMのことだ。それらを自らの目や耳や手足として使い、村の周囲を覆う形で警戒に当る。

だが、この時、すでに、白いルプシアンがさっきまでいた場所との間にあった<ダミー集落N006>を受け持っていたドーベルマンMPMが機能停止したとの通知が届いていた。

「速いな。真っ直ぐこちらに向かっている…!」

久利生くりうが緊張した様子で呟く。すると俺の後ろで、

「ちくしょう…! 私がいない時に……!」

悔しそうな声。

あかりだった。そうだ。あかりは、いずれこういうことになるかもしれないと思ったから、今のうちに俺達のところに顔を出しておこうと思ったんだ。

だけど俺は、思い付いていた。

あかり、むしろお手柄だと思う。これで、ミレニアムファルコン号でエレクシアを応援に派遣できるじゃないか」

「あ……!」

あかりの険しい表情が一気にほころぶ。

そうだ。白いルプシアンがたとえ龍然りゅうぜん並みの強さを持っていたとしても、エレクシアがいれば容易くちゃぶ台返しができる。

「エレクシア! 応援に向かえ!」

「承知しました」

留守をイレーネに任せ、エレクシアはすぐさま準備をしたのだった。

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