未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

子供達

天敵だらけ（考えてみればそうだ）

新暦〇〇一八年五月二十日。



ただ、群れには加わったものの、同時に、今一度言うが、順じゅんにとっては驚きの連続というのも事実だろうとは思う。

その一つが、ボノボ人間パパニアンにとっては最大の天敵であるカマキリ人間マンティアンがいたことだろう。だから、普段は気配を消してその存在を悟らせなかった刃じんの姿を初めて見た時にはあまりに距離が近かったことで固まってしまい、その場でおしっこさえ漏らしてしまったくらいである。

「ありゃ～？　順じゅん、おしっこ漏らしちゃった」

一緒にいた灯あかりが思わずそう声を上げた。

本来なら遠くにちらっと姿が見えただけで全力で逃げなきゃいけないような相手だ。それが僅か数メートルの距離に突然現れたことでパニックになってしまったんだろうな。それどころか死を覚悟したかもしれない。

灯あかりもそれは察したみたいで、

「大丈夫だよ。刃じんは私達の家族だから襲って食べたりしないよ」

と、刃じんの体に抱きついてみせたりもした。

「……」

すると刃じんも、そんな灯あかりの頭をくしゃくしゃと撫でてくれた。

他のカマキリ人間マンティアンには見られない行動だが、俺が光ひかりや灯あかりだけじゃなく、明めいや丈じょうに対してもそうしていたから、真似するようになってくれたのかもしれない。とにかく、まったく危険そうには見えなかったと思われる。

とは言え、さすがにすぐには順じゅんも納得できなかったらしく、その後もしばらく怯えていた。

それでも、灯あかりも光ひかりもまるで恐れていないのを見て、しかも刃じんの方も順じゅんに対して特に意識を向けることもなかったことで、数日も経てば『この群れにいるこいつは危険じゃない』とは理解できたようだ。

ただし、決して近付こうとはしなかったが。まあ、そのくらいは仕方ない。

だが、この＜群れ＞にいるボノボ人間パパニアンの天敵はカマキリ人間マンティアンだけじゃない。

そもそも灯あかり自身が本来はタカ人間アクシーズの血を引いてる訳で、その母親である鷹ようが俺のローバーの屋根に巣を作ってそこで寝泊まりしてるのである。

そのことに気付いた時にも当然、順じゅんは怯えた。だがそれも、早々に危険がないことを察することはできたらしい。

ただし、近付こうとしないのは同じか。

さらには、ヒョウ人間パルディアによく似たライオン人間レオンである、伏ふく、深しん、彩さい、凛りんもいる。

こちらはまああくまで『似ている』というだけでヒョウ人間パルディアそのものじゃないからかいきなりパニックになったりはしなかったが、明らかに緊張はしていたようだ。

しかも家の周りにも得体のしれない＜怪物（＝ドーベルマンDK-a）＞がうろついていたり、ボクサー竜ボクサーの群れがすぐ近くにいたりと、お化け屋敷も目じゃない（まあ、お化け屋敷には基本的に大きな危険はないからな）恐怖の場所だっただろう。

なので最初は、光莉ひかり号に匿ってやっていたのだった。