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ハーレム
状況説明(さすがロボット。事務的だな)
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「状況説明が必要でしょうか?」
刃を組み伏せたまま、エレクシアがそう切り出す。「頼む」と応えた俺に、彼女は淡々と語りだした。
「密が残ったのは、群れからはじき出されてしまった為だと思われます」
…なに?
「どういうことだ?」
てっきり、刃についての状況説明だと思っていた俺は、思わぬ言葉に戸惑っていた。しかし、そんな俺には構わずエレクシアは続ける。
「私は刃の先回りに成功し、先に密とその仲間と思しき群れを確認することができました。しかしその時、密は群れの仲間から明らかに迫害を受けていたのです」
「迫害だと?」
「はい。石や木の枝をぶつけられ、追い出されるところだったと推測されます」
そこまで説明された時、俺の頭をよぎるものがあった。
「もしかして、俺の匂いがついてた、とかか…?」
その問い掛けに、エレクシアが頷く。
「おそらくそうでしょう。密はかなり匂いに敏感な種のようですから、マスターに何度も触れられた密に得体の知れない匂いが付いていると、仲間達は警戒したと考えるのが妥当です」
「それは申し訳ないことをしたな…」
やはり木の陰から不安そうにこちらを窺っている密に視線を向けて俺は詫びていた。まあ、今さら詫びてもどうにもならないのは分かってるんだが、気持ち的にな。
が、密のことも気になるものの、今度は刃の方に視線を向けて俺は言った。
「もし大丈夫そうなら解放してやっていいぞ」
「承知しました」
エレクシアはそう応えて、あっさりと、しかし警戒は怠らずに刃の拘束を解いた。
飛び退いて逃げるかと思った刃だったが、俺の予測に反して関節を極められていた腕を庇うようにしながらゆっくりとその場に立ち上がって、俺達に警戒しつつもじりじりと距離を取るだけだった。
「もう完全に敵対心を向ける気はないようですね。力の差をここまで見せ付けられてしまっては当然かも知れませんが。
密の仲間を狙ったのは、刃にとっては好物とも言える都合の良い獲物だったからだと推測されます。体が大きく、刃に比べれば動きが緩慢で強力な攻撃方法も持たない。そして数が多い。群れを作り数を増やすのは、力の弱い種に多く見られる生存戦略ですから。
しかしこれで私達が密の仲間を守ると理解したとしたら、少なくとも刃が密らを狙う可能性は下がったと見ていいかもしれません。リスクの低さがメリットだったとなれば、これでリスクは非常に高くなったわけですし」
エレクシアのその推論には、俺も概ね納得したのだった。
刃を組み伏せたまま、エレクシアがそう切り出す。「頼む」と応えた俺に、彼女は淡々と語りだした。
「密が残ったのは、群れからはじき出されてしまった為だと思われます」
…なに?
「どういうことだ?」
てっきり、刃についての状況説明だと思っていた俺は、思わぬ言葉に戸惑っていた。しかし、そんな俺には構わずエレクシアは続ける。
「私は刃の先回りに成功し、先に密とその仲間と思しき群れを確認することができました。しかしその時、密は群れの仲間から明らかに迫害を受けていたのです」
「迫害だと?」
「はい。石や木の枝をぶつけられ、追い出されるところだったと推測されます」
そこまで説明された時、俺の頭をよぎるものがあった。
「もしかして、俺の匂いがついてた、とかか…?」
その問い掛けに、エレクシアが頷く。
「おそらくそうでしょう。密はかなり匂いに敏感な種のようですから、マスターに何度も触れられた密に得体の知れない匂いが付いていると、仲間達は警戒したと考えるのが妥当です」
「それは申し訳ないことをしたな…」
やはり木の陰から不安そうにこちらを窺っている密に視線を向けて俺は詫びていた。まあ、今さら詫びてもどうにもならないのは分かってるんだが、気持ち的にな。
が、密のことも気になるものの、今度は刃の方に視線を向けて俺は言った。
「もし大丈夫そうなら解放してやっていいぞ」
「承知しました」
エレクシアはそう応えて、あっさりと、しかし警戒は怠らずに刃の拘束を解いた。
飛び退いて逃げるかと思った刃だったが、俺の予測に反して関節を極められていた腕を庇うようにしながらゆっくりとその場に立ち上がって、俺達に警戒しつつもじりじりと距離を取るだけだった。
「もう完全に敵対心を向ける気はないようですね。力の差をここまで見せ付けられてしまっては当然かも知れませんが。
密の仲間を狙ったのは、刃にとっては好物とも言える都合の良い獲物だったからだと推測されます。体が大きく、刃に比べれば動きが緩慢で強力な攻撃方法も持たない。そして数が多い。群れを作り数を増やすのは、力の弱い種に多く見られる生存戦略ですから。
しかしこれで私達が密の仲間を守ると理解したとしたら、少なくとも刃が密らを狙う可能性は下がったと見ていいかもしれません。リスクの低さがメリットだったとなれば、これでリスクは非常に高くなったわけですし」
エレクシアのその推論には、俺も概ね納得したのだった。
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