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STORY3
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「お疲れ様です、郁斗さん」
「お疲れ」
詩歌の写真画像が送られて来てから数十分、『PURE PLACE』に辿り着いた郁斗は太陽と挨拶を交わすと、控え室の中へ入って行く。
「あ、郁斗さん!」
すると、郁斗の姿を目にした詩歌は満面の笑みを浮かべて嬉しそうに彼の元へ駆け寄った。
「あの……どうでしょうか? こういう格好は初めてなので何だか変な感じがしてしまって……」
自身の格好にあまり自信が持てない詩歌は遠慮がちに郁斗に意見を求める。
「うん、良いと思うよ。詩歌ちゃんの良さが出てる。それに、詩歌ちゃんは元が良いから心配はしてなかったけど、想像以上だよ。自信持って?」
彼女の不安な気持ちが伝わったから励まそうとしたのか、それとも本心からなのか分からないけれど、詩歌をベタ褒めする郁斗の事を珍しいものでも見るかのような視線で太陽は黙ってその場を見守っていた。
「宣伝素材は後日にしようかと思ったんですけど、芳樹さんが丁度来てくれてカメラも積んでたので、ついでに撮ってもらいました」
「そっか。まあこの分だとすぐに客も付くだろうから、早い方がいいよ」
「そうですね」
「あれ~? 郁斗さん、今日も来てる! え? 何々? 今日こそは樹奈の事指名?」
太陽と郁斗が話をしていると、入口からそんな声が聞こえてくる。
「樹奈、早いね」
「うん、今日は近くで用事あったから、そのまま来ちゃった。けどラッキーだなぁ~! 郁斗さんに会えるんだもん」
樹奈と呼ばれた女性は金髪巻き髪に胸元が大きく開いたトップスにミニスカートと膝が隠れるくらいのロングブーツを履いた比較的露出の多い派手な格好をしていて、メイクも濃くてどちらかと言うとギャルに近い感じだ。
「そうそう、紹介しておくよ。今日から働く事になった詩歌ちゃん。源氏名は『白雪』ね」
郁斗に熱烈なアピールをしているところに太陽が話し掛け、詩歌の事を紹介する。
「ふーん、新人ちゃんかぁ…………まあまあ綺麗ね。樹奈には劣るけど」
樹奈は詩歌の事を品定めするよう頭から爪先までくまなくチェックをすると、表情と言葉がイマイチ噛み合っていないものの詩歌を褒めた。
「詩歌ちゃん、こちら樹奈。この店の稼ぎ頭の一人だよ。ちなみに、樹奈はここでも樹奈って名乗ってる」
「初めまして、樹奈さん。これからよろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしく~。っていうか、もしかして郁斗さんがこの子スカウトして来たの?」
「うーん、まあ、スカウトとは少し違うかな? 俺の顔見知りの子なんだ。樹奈は面倒見が良いから、頼りにしてるよ」
「あ、そうなんだ? それなら任せて! 樹奈が詩歌ちゃんの面倒見るから! だから、今度樹奈を指名してくれる? 勿論、アフター付きで♡」
根は良い人のようで、郁斗に頼まれた樹奈は自分に任せるよに言うと、その代わりに今度自分を指名して欲しいと頼み込む。どうやら郁斗の事が好きらしい。
「はは、ちゃっかりしてるねぇ樹奈は。いいよ、今度指名するよ。アフター込みで」
「わぁーい! 嬉しい~! 楽しみにしてるね」
「うん」
郁斗からの約束を取り付けた樹奈は満足気な表情を浮かべながら手を振ると、荷物を置きにロッカー兼休憩室へと向かって行った。
その様子を黙って見つめていた詩歌の心はチクチクと針が刺さるような痛みを感じ、密かに落ち込んでいた。
「お疲れ」
詩歌の写真画像が送られて来てから数十分、『PURE PLACE』に辿り着いた郁斗は太陽と挨拶を交わすと、控え室の中へ入って行く。
「あ、郁斗さん!」
すると、郁斗の姿を目にした詩歌は満面の笑みを浮かべて嬉しそうに彼の元へ駆け寄った。
「あの……どうでしょうか? こういう格好は初めてなので何だか変な感じがしてしまって……」
自身の格好にあまり自信が持てない詩歌は遠慮がちに郁斗に意見を求める。
「うん、良いと思うよ。詩歌ちゃんの良さが出てる。それに、詩歌ちゃんは元が良いから心配はしてなかったけど、想像以上だよ。自信持って?」
彼女の不安な気持ちが伝わったから励まそうとしたのか、それとも本心からなのか分からないけれど、詩歌をベタ褒めする郁斗の事を珍しいものでも見るかのような視線で太陽は黙ってその場を見守っていた。
「宣伝素材は後日にしようかと思ったんですけど、芳樹さんが丁度来てくれてカメラも積んでたので、ついでに撮ってもらいました」
「そっか。まあこの分だとすぐに客も付くだろうから、早い方がいいよ」
「そうですね」
「あれ~? 郁斗さん、今日も来てる! え? 何々? 今日こそは樹奈の事指名?」
太陽と郁斗が話をしていると、入口からそんな声が聞こえてくる。
「樹奈、早いね」
「うん、今日は近くで用事あったから、そのまま来ちゃった。けどラッキーだなぁ~! 郁斗さんに会えるんだもん」
樹奈と呼ばれた女性は金髪巻き髪に胸元が大きく開いたトップスにミニスカートと膝が隠れるくらいのロングブーツを履いた比較的露出の多い派手な格好をしていて、メイクも濃くてどちらかと言うとギャルに近い感じだ。
「そうそう、紹介しておくよ。今日から働く事になった詩歌ちゃん。源氏名は『白雪』ね」
郁斗に熱烈なアピールをしているところに太陽が話し掛け、詩歌の事を紹介する。
「ふーん、新人ちゃんかぁ…………まあまあ綺麗ね。樹奈には劣るけど」
樹奈は詩歌の事を品定めするよう頭から爪先までくまなくチェックをすると、表情と言葉がイマイチ噛み合っていないものの詩歌を褒めた。
「詩歌ちゃん、こちら樹奈。この店の稼ぎ頭の一人だよ。ちなみに、樹奈はここでも樹奈って名乗ってる」
「初めまして、樹奈さん。これからよろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしく~。っていうか、もしかして郁斗さんがこの子スカウトして来たの?」
「うーん、まあ、スカウトとは少し違うかな? 俺の顔見知りの子なんだ。樹奈は面倒見が良いから、頼りにしてるよ」
「あ、そうなんだ? それなら任せて! 樹奈が詩歌ちゃんの面倒見るから! だから、今度樹奈を指名してくれる? 勿論、アフター付きで♡」
根は良い人のようで、郁斗に頼まれた樹奈は自分に任せるよに言うと、その代わりに今度自分を指名して欲しいと頼み込む。どうやら郁斗の事が好きらしい。
「はは、ちゃっかりしてるねぇ樹奈は。いいよ、今度指名するよ。アフター込みで」
「わぁーい! 嬉しい~! 楽しみにしてるね」
「うん」
郁斗からの約束を取り付けた樹奈は満足気な表情を浮かべながら手を振ると、荷物を置きにロッカー兼休憩室へと向かって行った。
その様子を黙って見つめていた詩歌の心はチクチクと針が刺さるような痛みを感じ、密かに落ち込んでいた。
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しおりを挟んでくださっている皆様へ。
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