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STORY3
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「詩歌ちゃん?」
「え!? あ、すみません……ボーッとしてしまって」
「どうしたの? 何かあった?」
「いえ、本当に何でもないんです。すみません」
「そお? ならいいけど。勤務始まったらそんな風に上の空じゃ駄目だよ? 危険だからね」
「は、はい! 分かってます」
郁斗に指摘されると、思う事はあるもののそれを聞く事など出来ず、作り笑顔を浮かべた詩歌は何でも無いと答えた。
彼女のその言葉を信じた郁斗は勤務中にこういう事が無いようにと念を押すと、再び太陽と何やら打ち合わせを行っていた。
そして、開店時間が近付くにつれて他のキャストたちも出勤してきた事で、太陽から詩歌の紹介が行われたものの、皆興味が無いのか、それとも郁斗の“知り合いの子”だからなのか各々の反応はあまり良いものでは無く、その事で自分は他のキャストたちからあまり歓迎されていない事を詩歌は肌でひしひしと感じとっていた。
開店してすぐ、続々と常連客たちが店にやって来てキャストたちは自身の客の待つ席へ着いていく。そんな中、太陽は詩歌をどの席に着かせようか悩んでいると、人気No.3の希咲がボーイに詩歌をヘルプに欲しいと頼んで来た。
「それじゃあ詩歌ちゃん、今から君は『白雪』。くれぐれも、お客様に失礼のないようにね」
「は、はい、頑張ります」
太陽に念を押された詩歌は、ボーイと共に希咲の待つ席へと向かう。
それと入れ違いに仕事の電話で外に出ていた郁斗が店内に戻って来る。
「太陽、詩歌はどうした?」
「あ、希咲が詩歌ちゃんをヘルプに付かせて欲しいと言ってきたので今さっき行きました」
「そうか、希咲か。希咲の客は?」
「副島様とそのお連れ様は新規の方ですね」
「副島? ああ、副島重機の社長か?」
「いえ、今日は息子の方ですね」
「息子か。新規ってのはどんな奴だ?」
「まあ、見た感じ副島様同様三十代前半くらいで、目付きが悪く無愛想な感じですが、まあ今のところ問題ないかと」
「……そうか。まあいい、暫く様子見だ」
「はい」
その頃、希咲の居る席へ案内された詩歌は、緊張で心臓がバクバクと音を立てているのを感じながらも、何とか笑顔を浮かべ、
「初めまして、白雪と申します。よろしくお願いします」
姿勢を正し丁寧に頭を下げた詩歌の立ち振る舞いに、副島たちは勿論、周りの客たちの視線は彼女へ釘付けになる。
しかし、それと同時に他のキャストたちの反応はあまり良くは無く、彼女に指名を取られないよう、詩歌から目を逸らせる事に必死になっていた。
そんな状況を面白がっていたのは他でもない希咲で、彼女は周りのキャストたちが詩歌に恨みがましい視線を向ける中、一人だけ口角を上げて不敵な笑みを浮かべていた。
「え!? あ、すみません……ボーッとしてしまって」
「どうしたの? 何かあった?」
「いえ、本当に何でもないんです。すみません」
「そお? ならいいけど。勤務始まったらそんな風に上の空じゃ駄目だよ? 危険だからね」
「は、はい! 分かってます」
郁斗に指摘されると、思う事はあるもののそれを聞く事など出来ず、作り笑顔を浮かべた詩歌は何でも無いと答えた。
彼女のその言葉を信じた郁斗は勤務中にこういう事が無いようにと念を押すと、再び太陽と何やら打ち合わせを行っていた。
そして、開店時間が近付くにつれて他のキャストたちも出勤してきた事で、太陽から詩歌の紹介が行われたものの、皆興味が無いのか、それとも郁斗の“知り合いの子”だからなのか各々の反応はあまり良いものでは無く、その事で自分は他のキャストたちからあまり歓迎されていない事を詩歌は肌でひしひしと感じとっていた。
開店してすぐ、続々と常連客たちが店にやって来てキャストたちは自身の客の待つ席へ着いていく。そんな中、太陽は詩歌をどの席に着かせようか悩んでいると、人気No.3の希咲がボーイに詩歌をヘルプに欲しいと頼んで来た。
「それじゃあ詩歌ちゃん、今から君は『白雪』。くれぐれも、お客様に失礼のないようにね」
「は、はい、頑張ります」
太陽に念を押された詩歌は、ボーイと共に希咲の待つ席へと向かう。
それと入れ違いに仕事の電話で外に出ていた郁斗が店内に戻って来る。
「太陽、詩歌はどうした?」
「あ、希咲が詩歌ちゃんをヘルプに付かせて欲しいと言ってきたので今さっき行きました」
「そうか、希咲か。希咲の客は?」
「副島様とそのお連れ様は新規の方ですね」
「副島? ああ、副島重機の社長か?」
「いえ、今日は息子の方ですね」
「息子か。新規ってのはどんな奴だ?」
「まあ、見た感じ副島様同様三十代前半くらいで、目付きが悪く無愛想な感じですが、まあ今のところ問題ないかと」
「……そうか。まあいい、暫く様子見だ」
「はい」
その頃、希咲の居る席へ案内された詩歌は、緊張で心臓がバクバクと音を立てているのを感じながらも、何とか笑顔を浮かべ、
「初めまして、白雪と申します。よろしくお願いします」
姿勢を正し丁寧に頭を下げた詩歌の立ち振る舞いに、副島たちは勿論、周りの客たちの視線は彼女へ釘付けになる。
しかし、それと同時に他のキャストたちの反応はあまり良くは無く、彼女に指名を取られないよう、詩歌から目を逸らせる事に必死になっていた。
そんな状況を面白がっていたのは他でもない希咲で、彼女は周りのキャストたちが詩歌に恨みがましい視線を向ける中、一人だけ口角を上げて不敵な笑みを浮かべていた。
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