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STORY3

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「美澄、小竹、ご苦労だったな」
「いえ!  昨日は本当にすみませんでした!」
「次はこんな事のないよう、気をつけます!」
「ああ、頼んだぞ。それから郁斗」
「はい?」
「お前、女を一人、拾ってるな?」
「あー、はい、まあ……」
「それが昨日言ってた野暮用か」
「……そうです」
「それでその女は、今日から『PURE  PLACE』で働かせると?」
「流石恭輔さん、情報早いっすね」
「まあな。で、その女は何だ?  ワケありか?」

 詩歌の事を問われた郁斗は美澄や小竹をチラ見すると、恭輔は郁斗の言いたい事が分かったらしく、

「美澄、小竹、お前らはこれからこのリストに載ってる家回って集金して来い」

 二人を事務所から出す為に仕事を言いつける。

「分かりました!」
「行ってきます」

 そうとは知らず、仕事を言いつけられた二人が意気揚々と事務所を後にした。

「まあ、ひとまずそこに座って続きを話せ」
「はい」

 そして、郁斗にソファーへ座るよう促した恭輔は先程の続きを話すよう言った。


「――そうか、そういう事情がな」
「ええ。とりあえず、今のところまだ花房家に動きはないようです」
「もう相手の動向を確認してるのか?」
「関西の方に拠点を置いてる昔馴染みのダチに依頼して早速調べて貰ってます」
「流石だな。それで、これからどうするつもりなんだ?」
「そうっすねぇ、まだ決めてないですけど、暫くは彼女のやりたいようにやらせてやろうとは思ってます」
「ふむ……、まあそれは構わないが、郁斗にしてはやけに肩入れするじゃねぇか」
「別に、理由なんてないっすよ。なんつーか、行きがかり上?」
「俺には、それだけには思えねぇが、まあお前がそうだと言うならそういう事にしておくか」
「なんすか、その含みのある言い方は」
「別に、何もねぇさ。それにしても……花房……か」
「どうかしたんすか?」
「いや、花房  慎之助しんのすけ……その男、どこかで見覚えがあるんだよな」

 恭輔は先程詩歌の説明をする際に彼女の父親や婚約者の男の画像を郁斗から見せられた時、どこかで見覚えがあると思うも、なかなか思い出せずにいた。

「そうなんすか?  まあ、また新たな情報入ったら共有しますよ」
「ああ、そうしてくれ」
「それじゃあ俺はこれから『PURE  PLACE』に戻るんで」
「彼女の監視か?」
「まあ、そんなとこっすね」
「そうか。しっかり仕事して来いよ」

 こうして、恭輔との話を終えた郁斗は詩歌の待つ『PURE  PLACE』へと戻る事になって車を走らせる。

 その途中、太陽から写真画像が送られてきたので信号待ちに確認すると、

「なっ…………」

 その画像にはヘアメイクを終えてドレスアップをした詩歌の姿が映されていて、より一層綺麗になった彼女の姿に郁斗は思わず驚き言葉を失った。
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