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2章
31話
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レックス殿下とアスファの決闘は、レックス殿下が常に有利だった。
それでもアスファは諦めていない様子で、レックス殿下は全力の攻撃を対処する気でいる。
――完全な勝利で、私の婚約者に相応しいと認めさせる。
レックス殿下の想いを私が感じ取ることができていると、深呼吸をしたアスファの全身が白く光り出す。
今までは攻撃を防ぐのに必死だったから、集中できなくて使えなかったのでしょう。
アスファは魔力を剣に籠めて、私は驚くしかない。
魔力を使って扱う魔法と、体力を使って扱う剣技を組み合わせる。
剣技でも高等技術で――相当の達人でなければ扱えないと、本には書かれていた。
アスファは十代で扱えるのは異常の技、魔法剣技を繰り出すつもりのようだ。
息を呑むレックス殿下に対して、アスファが真剣な表情で宣言する。
「――参ります」
「ああ。全力でこい」
どうやらアスファは、レックス殿下の意図を察している様子だ。
返答を聞いたと同時に――アスファが力強く前へ踏み込み、距離のあるレックス殿下に向けて、魔力を籠めた剣を振り下ろす。
アスファは刃から膨大な魔力を衝撃波にして飛ばしたけど――この剣技は、どこかで見たことがある。
私は思い出そうとした時、レックス殿下の叫び声が聞こえた。
「――ぐっっ!?」
アスファの攻撃を剣で受け止めることができるも、レックス殿下は離れて観覧していた人達の方まで、地面を抉りながら後退していく。
とてつもない威力に膝をつきながら、レックス殿下が呆然としているアスファを見上げる。
「この決闘に場外はない……耐えきったぞ」
そう宣言しながらレックス殿下が起き上がろうとした瞬間――アスファは剣を鞘に戻していた。
その後、アスファはレックス殿下の元に向かい、起き上がるよう手を差し伸べる。
「私の魔法剣技を受け止めるとは……レックス様、今まで申し訳ありませんでした」
「……それは俺がリリアンの婚約者に相応しいと、認めると考えていいのか?」
レックス殿下は最初から考えが変わらず、アスファが驚いた表情を浮かながら返答する。
「はい。レックス様は、リリアン様の婚約者に相応しいお方です」
この決闘は二人が途中で中断したことにより、引き分けとなっている。
最初はレックス殿下が優勢で、倒すつもりで動いていたら勝利していたのは間違いない。
レックス殿下は決闘に勝つのが目的ではなく、アスファに強さを認めさせるのが目的だ。
その結果――アスファの剣技を受け止めきれず膝をついたけど、アスファはレックス殿下を認めていた。
レックス殿下にとっては満足いく結果だけど……どうやら周囲の反応は、アスファが勝利したことになっている様子だ。
もし手ではなく剣の刃を向けていたら、アスファが勝っていたと噂になっている。
アスファが剣で斬りかかろうとしていたら、レックス殿下は即座に反応して――勝利していたと、私は信じていた。
「レックス君は、リリアンさんの傍にいるためだけに強くなっている」
「えっ?」
隣で急にロイが呟いて、私が困惑する。
その反応を見て、ロイは目の前の光景に驚きながらも話す。
「強い意志があるから、聖堂の騎士よりも強くなれたんだろうね」
「そうかもしれませんね」
話していると……アスファが起き上がったレックス殿下と対面して、深く頭を下げながら謝罪する。
「私は、同年代で敵はいないと思い上がっていたようです。今までの態度、誠に申し訳ありませんでした」
「気にするな。似たような時期が昔の俺にもあった。自分と同等かそれ以上の同年代の者を見ない限り、自分の弱さは理解できないものだ」
「なるほど……よくわかりました」
レックス殿下が微笑んで、アスファは憧れの眼差しを向けている。
それにしても、レックス殿下が言った同年代の者って誰だろう?
そう考えてすぐ――転生した頃の私だと、察することができていた。
それでもアスファは諦めていない様子で、レックス殿下は全力の攻撃を対処する気でいる。
――完全な勝利で、私の婚約者に相応しいと認めさせる。
レックス殿下の想いを私が感じ取ることができていると、深呼吸をしたアスファの全身が白く光り出す。
今までは攻撃を防ぐのに必死だったから、集中できなくて使えなかったのでしょう。
アスファは魔力を剣に籠めて、私は驚くしかない。
魔力を使って扱う魔法と、体力を使って扱う剣技を組み合わせる。
剣技でも高等技術で――相当の達人でなければ扱えないと、本には書かれていた。
アスファは十代で扱えるのは異常の技、魔法剣技を繰り出すつもりのようだ。
息を呑むレックス殿下に対して、アスファが真剣な表情で宣言する。
「――参ります」
「ああ。全力でこい」
どうやらアスファは、レックス殿下の意図を察している様子だ。
返答を聞いたと同時に――アスファが力強く前へ踏み込み、距離のあるレックス殿下に向けて、魔力を籠めた剣を振り下ろす。
アスファは刃から膨大な魔力を衝撃波にして飛ばしたけど――この剣技は、どこかで見たことがある。
私は思い出そうとした時、レックス殿下の叫び声が聞こえた。
「――ぐっっ!?」
アスファの攻撃を剣で受け止めることができるも、レックス殿下は離れて観覧していた人達の方まで、地面を抉りながら後退していく。
とてつもない威力に膝をつきながら、レックス殿下が呆然としているアスファを見上げる。
「この決闘に場外はない……耐えきったぞ」
そう宣言しながらレックス殿下が起き上がろうとした瞬間――アスファは剣を鞘に戻していた。
その後、アスファはレックス殿下の元に向かい、起き上がるよう手を差し伸べる。
「私の魔法剣技を受け止めるとは……レックス様、今まで申し訳ありませんでした」
「……それは俺がリリアンの婚約者に相応しいと、認めると考えていいのか?」
レックス殿下は最初から考えが変わらず、アスファが驚いた表情を浮かながら返答する。
「はい。レックス様は、リリアン様の婚約者に相応しいお方です」
この決闘は二人が途中で中断したことにより、引き分けとなっている。
最初はレックス殿下が優勢で、倒すつもりで動いていたら勝利していたのは間違いない。
レックス殿下は決闘に勝つのが目的ではなく、アスファに強さを認めさせるのが目的だ。
その結果――アスファの剣技を受け止めきれず膝をついたけど、アスファはレックス殿下を認めていた。
レックス殿下にとっては満足いく結果だけど……どうやら周囲の反応は、アスファが勝利したことになっている様子だ。
もし手ではなく剣の刃を向けていたら、アスファが勝っていたと噂になっている。
アスファが剣で斬りかかろうとしていたら、レックス殿下は即座に反応して――勝利していたと、私は信じていた。
「レックス君は、リリアンさんの傍にいるためだけに強くなっている」
「えっ?」
隣で急にロイが呟いて、私が困惑する。
その反応を見て、ロイは目の前の光景に驚きながらも話す。
「強い意志があるから、聖堂の騎士よりも強くなれたんだろうね」
「そうかもしれませんね」
話していると……アスファが起き上がったレックス殿下と対面して、深く頭を下げながら謝罪する。
「私は、同年代で敵はいないと思い上がっていたようです。今までの態度、誠に申し訳ありませんでした」
「気にするな。似たような時期が昔の俺にもあった。自分と同等かそれ以上の同年代の者を見ない限り、自分の弱さは理解できないものだ」
「なるほど……よくわかりました」
レックス殿下が微笑んで、アスファは憧れの眼差しを向けている。
それにしても、レックス殿下が言った同年代の者って誰だろう?
そう考えてすぐ――転生した頃の私だと、察することができていた。
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