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PHASE2ーひと握りの強者達ー
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しおりを挟む「それからここの公式は…って、皆さん真面目に聞いてください!!
もうすぐ受験が控えているのですよ!」
ここはとある豪邸の部屋で行われている勉強会
年明けの受験に向けて家庭教師を雇い日々勉強に精を出している、はずなのだが…
「はいはーい!先生はどこの高校を出たんですかー?彼氏はいますかー?」
「てか俺、志望校A判定出てるからこんな勉強なんかいらねえし」
「ホントホント、この時間そのものが無駄なのーー!ねえ、葵?」
「…まあまあ、そんなこと言って先生を困らせるのはやめような」
飛び交うブーイングに対して静止を計ったのはこの家に住む中学生「塩谷 葵(15)」
その同級生と共に勉強会を開いている
「うわっ!出た出た偽善者!」
「ヒュー!カッコいい!!」
茶化される中、葵は家庭教師の元へ向かい耳元で囁く
「どうせ親が勝手に雇っただけだから…先生は何もしないで、時間になったら帰ってもらっていいから」
「えっ…でもそういうわけには…」
「いいからいいから、でないと俺ら…この時間どう過ごせばいいの?」
「ですから勉強を…」
「あ、また葵が口説いてるぞ!年上好きだもんなー」
「ハァッ?何言ってんの!いつもの厄介払いに決まってるんじゃない!!
男って本当に単純なんだから…もう、茜も何か言いなよ!!」
「…ウザい」
「塩谷 茜(15)」葵とは双子の妹である
兄妹揃って容姿端麗、学力はトップを争っており両親は医者と不動産業で名を馳せているということで、学校だけではなく巷でも有名な一家だ
「そんなわけで、俺達にとっては先生は勝手にここに呼ばれた人間なので、こっちはこっちでは勝手にやりますからお気になさらず」
…
「何なのここの子供達は…!!いくら勉強ができるからってたかを括って…どうなっても知らないんだから」
結局言いくるめられて時間が終わるまで何もせずすぐに家を後にして愚痴を溢しながら帰路へ向かう
そして家庭教師が塩谷家の敷居を跨ぐことはもう二度となかった
僅か一週間しか勤めていなかったが、このような
ことは今に始まったことではない
新しい家庭教師が来たとしても同じように反論されて言いくるめられるので、結果すぐに辞めてしまう
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