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青葉香る
入寮の日2
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家を出て約3時間。
僕たち双子は今、全寮制男子校の谷屋学園の校門の前に立って呆然としていた。
この学園は、全国的にも有名だと聞いたことがある。入学する生徒の大半が、裕福な家庭の子や世間でもそれなりの知名度がある企業の子が通っているらしい。
かくいう僕たち藤縞家も、父さんが金融業界で成功したタイプの裕福な家庭の部類だ。
家だってそれなりに広いし庭だってある。
そんな中で育った僕でも、谷屋学園の豪華さには目を丸くした。
まるで外観がヨーロッパだ。おそらく西洋建築様式ってやつで、学園名とは不釣り合いな印象を受けた。
呆気に取られていた蘭のテンションが徐々に上がってきたようで、僕の背中を叩いてきた。
「大きいねぇ!これ、部屋も絶対豪華だよ!ルームメイト制度とか運任せな部分あるしどうだろうって思ってたけど、これだけ良いところで住めるならチャラだね。」
「まあ確かにここの学費すごく高いけどさ…。それにしてもじゃない?外観、力入れすぎじゃない?」
「そんなものでしょ。高所得者たちがせっかくお金落としてるんだから、これくらい綺麗じゃないと。」
なるほど…。それは一理ある。
そんな事より早く中に入ろうと言われ、僕も同意する。
いい加減この重いボストンバッグから解放されたかった。
二人並んで門をくぐると、すでに敷地内には新入生らしき人達があちこちに居た。
その人集りに流されるがままに歩いていけば、『入寮手続きはこちら』と書かれた看板を見つけた。
それに従って建物の中に入ると、中はだだっ広い広間になっていて、たくさんの人で溢れかえっている。
アーチ形の高い吹き抜け天井に装飾された壁。若干薄暗い感じが益々日本離れしている。
それにしても、なんだか人まで煌びやかだ。
みんな小奇麗で、髪も毛先までツヤツヤで、背筋が伸びていて。
こんなキラキラの人達と上手にやっていけるのだろうか…。
僕とは正反対にテンションが上がりまくりの蘭に手を引かれ、早速僕らも手続きの長い列に並んだ。
僕たち双子は今、全寮制男子校の谷屋学園の校門の前に立って呆然としていた。
この学園は、全国的にも有名だと聞いたことがある。入学する生徒の大半が、裕福な家庭の子や世間でもそれなりの知名度がある企業の子が通っているらしい。
かくいう僕たち藤縞家も、父さんが金融業界で成功したタイプの裕福な家庭の部類だ。
家だってそれなりに広いし庭だってある。
そんな中で育った僕でも、谷屋学園の豪華さには目を丸くした。
まるで外観がヨーロッパだ。おそらく西洋建築様式ってやつで、学園名とは不釣り合いな印象を受けた。
呆気に取られていた蘭のテンションが徐々に上がってきたようで、僕の背中を叩いてきた。
「大きいねぇ!これ、部屋も絶対豪華だよ!ルームメイト制度とか運任せな部分あるしどうだろうって思ってたけど、これだけ良いところで住めるならチャラだね。」
「まあ確かにここの学費すごく高いけどさ…。それにしてもじゃない?外観、力入れすぎじゃない?」
「そんなものでしょ。高所得者たちがせっかくお金落としてるんだから、これくらい綺麗じゃないと。」
なるほど…。それは一理ある。
そんな事より早く中に入ろうと言われ、僕も同意する。
いい加減この重いボストンバッグから解放されたかった。
二人並んで門をくぐると、すでに敷地内には新入生らしき人達があちこちに居た。
その人集りに流されるがままに歩いていけば、『入寮手続きはこちら』と書かれた看板を見つけた。
それに従って建物の中に入ると、中はだだっ広い広間になっていて、たくさんの人で溢れかえっている。
アーチ形の高い吹き抜け天井に装飾された壁。若干薄暗い感じが益々日本離れしている。
それにしても、なんだか人まで煌びやかだ。
みんな小奇麗で、髪も毛先までツヤツヤで、背筋が伸びていて。
こんなキラキラの人達と上手にやっていけるのだろうか…。
僕とは正反対にテンションが上がりまくりの蘭に手を引かれ、早速僕らも手続きの長い列に並んだ。
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