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家族よ、皆よ、塩分を取れ!
しおりを挟む一体全体梅雨はどこにいきなすった。
そんな6月のある日、私は熱中症気味になって体調を崩した。
今年の暑さは異常だ。都心では既に何百人もの方が熱中症で搬送されている。
このエッセイでも何度も書いているが、こと透析患者さんは熱中症になりやすい。
尿が出ないし、塩分は控えなければならないし、水分制限があるので当然のことだ。
去年いっとくさんは運ばれて入院した。
そんな訳で今年は、出来うる限りいっとくさんの熱中症対策を行なっている。
前回書いたように、言いくるめて男性用日傘を持たせ、帽子も被らせ、熱中症予防の水を吸わせるベストを着せ、熱中症予防の冷却スプレーを噴射して送り出す。
ここで私に落ち度があった。
言うてもまだ6月だし、という気持ちがあったのだろう。
いっとくさんのことはどんどん早め早めに動いたのに、自分はいつも通り過ごしていたのだ。
結果、熱中症気味の体調不良である。
いっとくさんが先輩さんにこの話をした時、一番に指摘されたのは
「透析患者さんの食事に合わせているから、塩分が足りなくなったのでは」
である。
その通りだ。
我が家ではもうエアコンを稼働している。
水もガバガバ飲んでいた。
それでも私が熱中症気味になった理由は、まさしく塩分が足りなくなったと思われるのである。
そもそもなんで熱中症予防に塩分? 塩分って健康の敵でしょ?
そう思う方もいるかもしれない。
これを簡単に言うと、一般の人は暑くなると汗をかく。
この汗であるが、ミネラルを一緒に出すのである。
このため、熱中症予防にはミネラルを補給しなければならないのだが、水単体にはミネラルは入っていない。
どこかでミネラルを補給しないと、いわゆる「低ナトリウム血症」を起こす可能性が出てくるのだ。
我が家は基本自炊で、朝ご飯以外は同じものを食べることが多い。
すると当然だが塩分を控えている食事だ。
少なくともいっとくさんのナトリウムの数値は超えたことがない。
結果、この梅雨もなしにやってきたいきなりの猛暑で、私がダウンしたのである。
この時期ばかりは、透析病院の先生も、とても真面目に節制している患者さんに対して、少し塩分を取りましょう、と言うほどなのだ。(いっとくさんの隣で透析をしている爺様が言われていたらしい)
ううむ、本当に難しいものである。
加えて私は自律神経の影響で、熱の放出が難しい。
熱中症気味になってからは、ガンガンとポカリを飲み、アイス枕を常に使う日々である。
一般の人でも、普段は健康にとって減塩は大事だ。
だがこの暑さで減塩しすぎるのは、命取りになる。
特に減塩していても美味しく感じる食事に慣れてしまった、ご家族の皆さま。
いや、この異常な暑さは、もはや誰これ関係ない。
これを読んでいる皆さま、適度にしっかりと塩分を取ることを忘れず、本格的な夏に備えましょう!!
応援ありがとうございます!
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