RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い

目指すは砂の街

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「ま、マジで…?」



身を乗り出して発言したロードの言葉に
ウィルフィンは静かに頷いて答える。

そんな時、ロードとウィルフィンが身体を
休める川辺の洞窟の入り口に近づいて来る
一人の足音が段々近くに向かって来た。



「…やっと見つけたよ…ロード。…其れに此の状況は何だい…?」


「お、シャーレ!」



其処に訪れたのはシャーレだったが、此の
状況、勿論ウィルフィンと共にいる事に
唖然とした表情を隠せずに居た。

ウィルフィンもまたシャーレの姿を見て
光の街公使の屋敷で見覚えがあると悟る。



「…行きずりだ…」


「まあ、ちょっとな。でよ、シャーレ実は…」



ロードは合流したばかりのシャーレに
事の顛末を話して聞かせる。

すると、シャーレは驚いて声を上げる。



「…反乱軍総長と謁見…?おい、ロード。其れは大丈夫な話なのか…?」


「大丈夫だって。俺よ、三時間も気失ってたのにウィルフィンには殺されてねぇ…わざわざ招いてから殺す意味はねぇだろ?」



ロードは当たり前の様に笑顔で口にすると
ウィルフィンは呆れた様に口を開く。



「…招いてから殺す道理は無いが。…貴様は人を信用し過ぎだとも言えるな…」


「其れは激しく同意だよ…」



何故か意見が共鳴し合うウィルフィンと
シャーレの二人にロードは目一杯のハテナを
浮かべて首をきょろきょろと動かす。



「まあ、ロードが行くなら止めはしないが…先ずはポアラと合流しなくては…」


「それもそうだな。ウィルフィン、仲間と合流するから少し待ってくれよ」


「そうしてやりたいが、エルヴィスも忙しい身でな。そろそろ向かわねば謁見は敵わんのだ」



エルヴィスとの謁見の時間は限られて居り
そろそろ風の街の駅から砂の街へ蒸気機関に
乗らねば間に合わないらしい。

シャーレはロードの行きたそうに悩む表情を
見て深い溜息を吐いて話し始める。



「…行きたいんだね。わかったよ…なら蒸気機関で私達も後から向かうよ。今日の夜に砂の街の駅で落ち合おう…ポアラには私から言っておく。きっと怒られるだろうがな…」


「悪ィな…シャーレ…!」


「貴様も俺を信用し仲間を一人で行かせても良いんだな?」



ウィルフィンの言葉にシャーレは笑みを
浮かべて目を合わせながら話し始める。



「ロードは単独行動してたからシェリーの行き先を知らない…ロード一人なら君達が情報を取ろうとしても無駄だからだよ、殺す事は無くても捕らえても意味が無いという訳さ」


「…フッ…。だから安全という訳だ。成る程、理解した」



ほんの少し笑みを浮かべたウィルフィンは
ロードを連れて風の街内の駅を目指す。

シャーレは一度戻りポアラとの合流後に
砂の街で落ち合う算段となった。

ロードとウィルフィン。

シェリーを巡って刃を交えた二人が今何と
蒸気機関に揺られて砂の街を目指す。

反乱軍総長エルヴィスとの邂逅を目指し
不思議な組み合わせとなった二人は窓から
砂の街コルドデザートのセバラ砂漠を進む。
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