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第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い
終幕 ロジャーズグリフの戦い
しおりを挟む大爆発に因って起きた爆風に因って其の場
から吹き飛ばされたロードとウィルフィン。
久しぶりに全力のギフトを解放したロードは
崖に身体をぶつけながら落ちて行く中で
意識が薄れ、気を失ってしまう。
そして朝陽が登り陽が差し込んできた
川辺の洞窟の入り口で痛む身体の疼きで
目を覚ますと、目の前にウィルフィンが
ただ、ロードをじっと見ながら座っている。
「…ん?…アレからどうなったんだ…?」
ロードは視界を一定にさせながら、記憶と
辿ろうとするも攻撃を放ってからが
どうしても思い出せずに居た。
混乱を隠し切れないロードに目の前に座る
ウィルフィンが緩りと口を開いて話す。
「…アレから三時間程経った…標的だったノアとシェリーの行方は知れず。革命軍幹部達の戦線離脱も許した…帝国軍は俺達の幹部が引き付け巻いたと報告が入った…」
「そんなに気失ってたのか…とりあえず全員無事なんだな…ならいいや…」
ほんの少し笑みを浮かべたロードの言葉に
ウィルフィンはまた黙り込んで思案する。
全員無事、其の中に反乱軍が入っている様な
言葉に聞こえてならなかったからだ。
「何故、助けた?」
黙り込んで居たウィルフィンの口から小さく
疑問の言葉が溢れて出て来たが、其れは至極
真っ当で当たり前の疑念だった。
「わかんねぇよ…シェリーを狙う危ない奴等なのに…心のどっかでアンタ等が悪い人間に思えねぇんだ…だから身体が動いたんじゃねーかと思う…!」
「貴様が解らぬのなら俺に解る道理は無いが…。悪い人間では無い、貴様にとって大切な人間の命を狙う俺達をそう表現するとはな…」
理解し難い言葉を聞いてウィルフィンも
頭の中がごちゃごちゃになって行く。
「多分…アンタに言われた言葉が引っ掛かってるからだと思う…」
“知らぬからだ”
光の街にあったシェリー達の隠れ蓑である
屋敷で戦った時にウィルフィンの口から
放たれた言葉の中身をロードは探している。
「アンタ等の事を知らねぇのに悪モン扱いは出来ねぇ…。それに、お互いの事を知らずに敵対してるから戦争だの紛争だのが終わらねぇのかなって…」
「ならば、どうする?」
「アンタ等の事教えてくれねぇか?」
ロードが真っ直ぐな瞳で言い放った言葉に
ウィルフィンはほんの少し思案を巡らせる。
「知った上でどう俺が思うかを知りたいんだ…教えてくれ、ウィルフィン。アンタの事、反乱軍の事…」
「……此処から南西へ向かう先に砂の街コルドデザートに広がるセバラ砂漠がある…其の近隣の町に今、俺達のトップ反乱軍総長エルヴィスが居る…会ってみるか?」
突如としてウィルフィンから提案された
反乱軍総長エルヴィスとの謁見の話。
ロードは食いつく様に身を乗り出した。
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