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亡者の大森林へ向かえ
LV157 再開
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ヴィオラの魔力により走る魔走車を手に入れ、快速に目的地へと進むフミヤ達はムジャールへと急ぐ。
魔走車にモグモグラ三人衆をを加えると定員オーバーとなるため仕方なくメロの口の中で休息させたまま進む。
魔走車は6人以内であれば十分なスペースがあり、マロッコと違い座席までついているためフミヤ達は快適な旅を楽しんでいた。
「このままいけば、あと一時間もあればムジャールに着くのう」
と、ラオ老が言う。
「そうね。でもムジャールからが問題ね。たぶん、他の連中は飛空艇で行ってしまった後だし、私達は何で行くべきか……だね」
イルイルは先の事を思い少し不安そうであった。
魔走車は操縦士の魔力を原動力とする。そして、原動力である魔力が全体に流れ込む仕組みとなっている魔走車の強度は、その操縦士の魔力に比例する。そのため、ヴィオラの操縦する魔走車は無双状態と化し、立ちはだかるモンスター達を知らぬ間になぎ倒していたのであった。
さらに魔走車には前後の座席に各窓がついており、景色を見ながら移動できるのだが、ヴィオラの操縦する魔装車はとにかく速い。そのため、景色といっても遠くならまだしも、近くの景色に至っては目にも止まらぬスピードで過ぎ去っていく。
その中、フミヤは通りすぎる物体に聞き覚えのある声を耳にする。
「あっ、ヴィオラ! ちょっとストップ」
フミヤはヴィオラに魔走車を停車するように呼び掛けた。
「はい」
フミヤの呼びかけに反応し、ヴィオラは魔走車を停める。フミヤは慌てて魔走車から降りると大声で「おーい」と叫んだ。
高速に移動する魔走車の窓から見えた物体は一台の馬車であった。
フミヤの叫び声に反応し、見えるか見えないかのギリギリの所で馬車は止まった。
「あの馬車がどうしたの?」
ヴィオラも魔走車を降り、フミヤに尋ねる。
「ベレッタの声がした」
「本当?」
半信半疑なヴィオラ。
他の者も何事かと魔走車から降車してきた。
「フミヤ、また勝手な事してる!」
イルイルは少々怒っている。
「フミヤーーーー!」
遠く離れた場所よりこちらへ飛んで来る少女。それは紛れもなくベレッタだった。
「ぐおおおおお!」
目にも止まらぬ速さで辿り着いたベレッタは、何故かフミヤにドロップキックをくらわす。
「なんで飛び蹴りなんだよ!」
「おお、強くなったものよぉ。前はこの程度でもピクピクしておったのに」
笑顔のベレッタに皆からも笑みがこぼれた。
「ベレッタがいるという事は、みんなあの馬車に?」
「おう、勿論じゃイルイル。みんな元気じゃ」
イルイルが見ると遠くの馬車は旋回し、こちらの方へ向かって来ようとしていた。
ここは中央大陸の西部に位置する平原。フミヤ達はベレッタ達と思わぬ再会を果たすのであった。
魔走車にモグモグラ三人衆をを加えると定員オーバーとなるため仕方なくメロの口の中で休息させたまま進む。
魔走車は6人以内であれば十分なスペースがあり、マロッコと違い座席までついているためフミヤ達は快適な旅を楽しんでいた。
「このままいけば、あと一時間もあればムジャールに着くのう」
と、ラオ老が言う。
「そうね。でもムジャールからが問題ね。たぶん、他の連中は飛空艇で行ってしまった後だし、私達は何で行くべきか……だね」
イルイルは先の事を思い少し不安そうであった。
魔走車は操縦士の魔力を原動力とする。そして、原動力である魔力が全体に流れ込む仕組みとなっている魔走車の強度は、その操縦士の魔力に比例する。そのため、ヴィオラの操縦する魔走車は無双状態と化し、立ちはだかるモンスター達を知らぬ間になぎ倒していたのであった。
さらに魔走車には前後の座席に各窓がついており、景色を見ながら移動できるのだが、ヴィオラの操縦する魔装車はとにかく速い。そのため、景色といっても遠くならまだしも、近くの景色に至っては目にも止まらぬスピードで過ぎ去っていく。
その中、フミヤは通りすぎる物体に聞き覚えのある声を耳にする。
「あっ、ヴィオラ! ちょっとストップ」
フミヤはヴィオラに魔走車を停車するように呼び掛けた。
「はい」
フミヤの呼びかけに反応し、ヴィオラは魔走車を停める。フミヤは慌てて魔走車から降りると大声で「おーい」と叫んだ。
高速に移動する魔走車の窓から見えた物体は一台の馬車であった。
フミヤの叫び声に反応し、見えるか見えないかのギリギリの所で馬車は止まった。
「あの馬車がどうしたの?」
ヴィオラも魔走車を降り、フミヤに尋ねる。
「ベレッタの声がした」
「本当?」
半信半疑なヴィオラ。
他の者も何事かと魔走車から降車してきた。
「フミヤ、また勝手な事してる!」
イルイルは少々怒っている。
「フミヤーーーー!」
遠く離れた場所よりこちらへ飛んで来る少女。それは紛れもなくベレッタだった。
「ぐおおおおお!」
目にも止まらぬ速さで辿り着いたベレッタは、何故かフミヤにドロップキックをくらわす。
「なんで飛び蹴りなんだよ!」
「おお、強くなったものよぉ。前はこの程度でもピクピクしておったのに」
笑顔のベレッタに皆からも笑みがこぼれた。
「ベレッタがいるという事は、みんなあの馬車に?」
「おう、勿論じゃイルイル。みんな元気じゃ」
イルイルが見ると遠くの馬車は旋回し、こちらの方へ向かって来ようとしていた。
ここは中央大陸の西部に位置する平原。フミヤ達はベレッタ達と思わぬ再会を果たすのであった。
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