最強勇者の夫～陰であなたを支えます。

勇者探索任務～サイテハの洞窟

LV60 しばしの休息

「あっ、イルイル！」
倒れていたのは　勇者パーティーの一人、イルイルだった。

「おい、しっかりしろ。」
フミヤが話し掛けるも返事がない、
サイトウが胸元に耳を当てると心臓の鼓動が聞こる。
「どうやら　気を失っているようですね。」

「このまま　イルイルを担いで入り口に向かうのは厳しいか・・・。」
悩むフミヤは、みんなに意見を求める。
「どうする？」

すると　メロが大きな口を開ける。
「さすがに　この状態で戻るのは厳しいっスね。」
「そうだな、メロ頼むぞ。」

メロはイルイルを飲み込んだ。
「とりあえず、休憩所跡地に戻ろう。」
フミヤ達は休憩所跡地へ引き返し、イルイルの回復を待つ事にした。

しばしの休息をとるフミヤ達。
「フミヤさん、イルイルさんって誰なんですか?」
「ああ、サイトウ達は知らないもんな、こいつは勇者バーティーの一人で
妻ヴィオラの仲間なんだ。」
「そうなんですか、それでしたら他の人達も
近くにいるかもしれませんね。」
「ああ、近くなら　すぐに救出にいけるし、
それができれば　家に帰れるしなー。」
「また怖いところに行くんっスか？」
「んーそれは　イルイルの話次第かな。
今は少しでも　体を休めておこう。」

フミヤ達は　交代で見張りをしながら　各自テントに入り、
今日はこのまま休憩所跡地で、睡眠をとった。

「うーん。」

「ううーーん。」

「頭が痛い・・・。」

ガジガジ・・・

「って、おい！」

テントで眠っていたフミヤは違和感に気付き目を覚ました。
なんと　フミヤの頭には大きなアリがかじりついている。
防御力が強いフミヤには大した攻撃ではなかったが・・・。

＊セトアントが現れた。
「何すんだ、コノヤロー。」

ドーン。

フミヤはアリを殴り飛ばし、すぐさまテントを出ると
そこには　10匹程度のセトアントの群れがいる。

「痛いっスーーー。」
お尻をかじられたヤマダが走り回っている。
「フミヤさん、襲撃です。」
すでにサイトウは　セトアントと戦っている。

・・・ヤマダ、見張りサボったな。

フミヤは剣を取り、サイトウと共にセトアントを討伐していく。
「フミヤさん、こいつなんとかしてくださいよー。」
お尻を噛まれたヤマダがフミヤに向かって走ってくる。

ゴン！
「ギャー。」

フミヤはヤマダのお尻ごと　噛り付いたアリをぶん殴ると
ヤマダはお尻を押さえて吹き飛び、悶絶した。

「うう、ひどいっス。」

・・・サボった罰だ。
＊フミヤは少しスッキリした。

一匹のセトアントが、イルイルを治療している
メロのテントに向かう。
「あっ　そっちはまずい。」

行く手を塞ぐセトアント達。
「ヤマダ、あいつ倒してこい！」

フミヤはヤマダの足を掴むと　メロのテントに向け
ヤマダを放り投げた。
「ええええええ。」

狩猟スキルMAXのフミヤの遠投は確実にセトアントを捉える。

ガンッ！！

＊フミヤの投げたヤマダはセトアントにクリティカルヒットした。
＊セトアントを倒した。

「うう・・・。」
可愛そうなヤマダ。

・・・その後、フミヤとサイトウの活躍により
無事セトアントの群れを討伐したのだった。

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セトアント　体長５０ｃｍ程の大型アリ、肉食で群れで行動する。