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勇者探索任務~サイテハの洞窟

LV58 休憩所跡地

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「うーーん、暗い。もう夜?」
寝言を言うフミヤ。

ゲフ・・・。

メロはフミヤを吐き出した。
ドーテッツウルフとの闘いから
数時間が経っていた。
メロは先の戦いでレベルアップし、新たに覚えたスキル
『お口で回復』を使い、フミヤを口の中で回復させていたのだ。

「あー、体が楽になったよ。ありがとうメロ。
おまえが治してくれたんだな・・・。」
割りと早くに状況を理解する事ができたフミヤ。
「フミヤさん、よかったです。」
「死んだのかと思ったっスよー。」
「モキュモキュ。」
「なんとか、倒せてよかった・・・。
ただ、なんか体がべとべとするんけど。」

仲間モンスター達は 倒れてからメロの体の中で
ずっと静かに眠っていたフミヤの身を案じていた。

ようやく休憩所跡地に入ったフミヤ達はさっそく
辺りを物色する。
「テントが3つと みんなで食事に使うテーブルとイスが5つ。」
結構こじんまりとした休憩所跡地であったが、捜索は楽そうである。

すぐさまヤマダは一つのテントの中から服を見つけたようだ。
「フミヤさん、服ありましたよ!しかも3着も・・・。」
*ヤマダは民族衣装を手に入れた。

「なんかダサいな・・・。」
「僕も着なくて大丈夫です。」

「えー。結構いいと思いますけどねー。」
フミヤとサイトウは一風変わった服を断固拒否したが、
ヤマダは気に入っているみたいだった。

「他のテントも探すか・・・。」
フミヤは2つ目のテントを探す。
「うーん、何もないですね。」
「そうだな・・・。」
フミヤとサイトウはテント内を探すも
寝床と羽織るための薄手の長い布くらいしかなかった。

「フミヤさーん、こっちっス。」
「モキュー。」
3つ目のテントを入ったヤマダとメロが、
何やらフミヤを呼んでいる。

「どうした?」
「見てください、フミヤさん。」
ヤマダは一枚のメモを駆け付けたフミヤに渡した。

ーーーーーーー冒険者へ

この先、二つ右へ曲がった通路のすぐ脇に
岩陰に隠れ、わかりにくい細い通路があります。
下層部へ続く道です。
その通路を抜けた先には下層部入り口のボス級モンスターが
いましたが、私達が討伐したので今は安全です。

ただ、下層部のモンスターは強力なモンスターが多いので
実力者以外は引き返す事をお勧めします。

ーーーーーーーーーー

「これ以上は危険みたいですね。一旦、入り口に戻ります?」
サイトウはフミヤに入口への帰還を促すが、
フミヤは黙ったまま メモを見つめていた。

「フミヤさん、一旦戻りましょうよ。」
臆病なヤマダもサイトウと一緒に帰還を請う。

「・・・。」

「これは ヴィオラの字だ!ここから奥へ向かったんだ。」
フミヤは  ようやくヴィオラの痕跡こんせきを発見したのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お口で回復LV1 メロの新スキル。
口に入っている時間が多いほど回復するが、動けなくなるため
暇である。あと 口から出た後、少しべとべとする。
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