上 下
53 / 293
勇者探索任務~サイテハの洞窟

LV52 アロマイルフィッシュ

しおりを挟む
フミヤは必死に釣り竿を引っ張る。

「ん?」



ピョン。



大物かと思いきや なんとも手の平サイズの魚・・・。

「おおおおおお!」

*フミヤは雄たけびを上げた。



フミヤは驚いた。

市場にほとんど出回る事のない 希少種の魚、

アロマイルフィッシュを釣り上げたのだ。



「それいいんですか?」

サイトウがフミヤに聞くと 

フミヤは 嬉しそうに答えた。

「いいなんてモンじゃないよ。俺も本でしか見た事ないほどの

貴重な魚なんだ。ものすごく美味しいらしいぞ。」



「本当っスか!」

美味しいと聞き、テンションが上がるヤマダ。

よし、どんどん釣ろう。

フミヤは再び、釣り糸を湖に垂らす。



「ヒャホー。また 釣れたっス!」

ヤマダは叫ぶ。

その後も驚くほど、釣れるアロマイルフィッシュに

みんなのテンションは最高潮に・・・。



18匹ほどのアロマイルフィッシュとゲロマズ魚3匹。

短時間のわりに 満足のいく釣れ具合だった。

 

「よし、半分はメロに収納してもらって

あとは食べるか?」

「わーい。」

「やったっス!」

「モキュ。」



フミヤは 火を起こすと調理を始めた。

手際よく料理をするフミヤを物珍しそうに

メロは眺めている。

「メロ、もうすぐできるからなー。」

「モキュッ。」

そういうとフミヤはカバンに入れていた

乾燥した気を薄めに切り 即席のお皿を作り

その上に料理を盛り付けていく。

「完成だ。」



アロマイルフィッシュのムニエル

アロマイルフィッシュの甘辛煮

アロマイルフィッシュの刺身

ゲロマズ魚の串焼き



「うーん、最後のは一応作ってみたけど

たぶん無理だから食べなくていいからな。」

「おいしそうですね。」

「いい香りっス。」

「モキュモキュ。」

「よーし、食べるぞ。」



仲良く魚を食べる一同は 

アロマイルフィッシュのおいしさに只々、感動するばかりだった。



「口の中で溶けてなくなった後に 広がる芳醇な香り

そしていつまでも残るうま味、最高!!」

フミヤは初めて食べる希少種の味に 笑みが止まらない。



その横でヤマダも魚料理に感動している。

「フミヤさん、これも美味いっスよ。

こんな美味い物、初めて食べました。」

「ヤマダ、それ全部食べていいぞ。」

フミヤがヤマダに言うと

「本当に?」

「ああ。」

「やったー。絶対もう上げないっスよ!。」

「ああ。」

*ヤマダは美味しそうにゲロマズ魚を食べている。



モンスターによっては あれもご馳走になったりするのか・・・。



誰もが口にするのも嫌がるほど まずいゲロマズ魚を

とても美味しそうに食べるヤマダを見て

「味覚ってそれぞれなんだな。」

と、少し勉強になったフミヤだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アロマイルフィッシュ 澄んだ水を好んで生息する魚

市場では ほぼ見る事ができない幻の高級魚。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

わたしはただの道具だったということですね。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,185pt お気に入り:4,163

異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:18,710pt お気に入り:17,901

放蕩公爵と、いたいけ令嬢

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:587

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:10,871pt お気に入り:4,158

悪女と言われ婚約破棄されたので、自由な生活を満喫します

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:695pt お気に入り:2,317

その冷たいまなざしで

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:296

処理中です...