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第五章 波乱巻き起こるムスタン王国
第十六話 作業厨、王都の状態を知る
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「お願いします。レイン殿」
「ああ。長距離転移」
ラダトニカで夕食を買い終えたトールと共に、俺はディーノス大森林にある家の中に転移した。
そこにはエルメスとアレンがいて、2人共椅子に座っている。2人共、心なしかさっきよりも活力があるように見える。
「しっかり休んだみたいだな」
「ああ、レイン殿。お陰で疲れが取れたよ」
「はい。ベッドでしっかり休みました」
2人は口を揃えてそう言う。
早めに部屋に案内したのは正解だったようだ。
「それは良かったな。ああ、2人には言い忘れえていたが、俺は王都にいる仲間と夕食を食べる約束をしてるんだ。他にも色々あるし……多分明日の朝まで帰ってこない」
「そうか。出来ればここにいて欲しいのだが……約束があるのなら仕方ない。また明日会おう」
「そうだな。また明日会おう」
俺はそう言うと、長距離転移を使い、王都にあるニナとリックの家の前に転移した。そして、家のドアを開けて中に入る。
「ただいま~……お、シュガー、ソルト」
家の中に入ると、早速シュガーとソルトが出迎えてくれた。
2頭は俺の気配を確実に察知できるので、転移した瞬間には既に俺が帰ってきたと分かっていたのだろう。
「ご主人様! おかえり!」
「おかえりなさい。マスター」
「ああ、ただいま。ここ数日一緒にいれなくてすまんな」
その場でしゃがみ、2頭の頭を優しく撫でながら、俺はそう言う。
「大丈夫。この王都ってところは楽しい。いっぱい冒険出来た!」
「ええ。ニナが沢山食べ物を買ってくれました。どれも美味しかったです」
シュガーとソルトは嬉しそうにそう言う。
どうやらシュガーとソルトは俺がいない間に王都を満喫していたみたいだ。
いいな~俺ものんびり王都を満喫したい。
国王殺しの件が片付いたら、暫くはのんびりしてみよっと。
そんなことを思っていると、リビングからニナが出て来た。
「あ、良かった。帰ってこれたのね」
ニアはほっと息を吐くと、そう言いった。
「帰ってこれた……?」
ニナが言うことの意味が分からず、俺は思わずそう口にする。
「あれ? レイン知らないの? 実は今、王城で起きた凶悪事件の犯人が逃げ出したとかで、王都の出入りに使われる門が全て封鎖されているの。それで、王城内にも内通者がいたとか何とかで、王城にいる人はみんな取り調べを受けている~って言うのを耳に挟んだんだけど」
「あ~……そういうことね」
なるほど。牢屋から逃げ出したトールとエルメスがまだ王都内にいると踏んで、王都の出入りを完全に封鎖したのか。
確かに、この広い王都から脱出するのに、普通ならそこそこ時間がかかるため、その判断は正しい。ただ、生憎俺は普通じゃない。だって、転移1回でここから脱出出来てしまうのだから。
「俺は大丈夫だった。ちょっと聞かれたぐらいで、直ぐに解放されたよ」
王城の書庫に籠っていたということになっているので、俺はそう言って上手いことごまかす。
流石にここで、「脱走手伝ったの俺です」なんて言える訳がない。
「そう。それなら良かった。あ、ご飯はついさっきできたところよ。早速食べましょ」
「ああ。そうだな」
俺は頷くと、よっこらせと立ち上がった。そして、シュガーとソルトと共にリビングへと向かう。
リビングでは既に食事の用意が整っており、リックは椅子に座っていた。
リックは俺の方を見ると、口を開いた。
「良かったな。帰ってこれて。ああいうのって運が悪いと何日も待たされるからな」
「ああ。良かったよ」
そう言うと、俺は椅子に座る。そしえ、箸を手にする。
「それじゃあ、食べましょう」
こうして、俺たちは夕食を食べ始めた。
俺は早速箸で肉をつまむと、口に入れる。
「もぐもぐ……ああ、明日はちょっと忙しいんだよね。王族関連で」
一先ず、俺は明日も共に行動できないことを言う。
「そう……王族関連って何かあったの? あ、もしかしてさっきの件でまた呼ばれるの?」
「いや、違う。ちょっと助けるだけだ。俺の武力が必要となるからな」
やや曖昧な感じで俺は説明をする。
「そうなのね。まあ、言い方的に、私たちにはあまり言っちゃいけないことみたいだから、これ以上は聞かないわ」
俺の言い方で何か察してくれたのか、ニナはそう言ってくれた。
「ああ。ありがとう」
俺は礼を言うと、再び肉を頬張った。
◇ ◇ ◇
「は~食った。食った」
夕食を食べ終えた俺は満足げな顔で部屋に入ると、ベッドに跳び込んだ。そこに、シュガーとソルトも入り込んでくる。
あ~もふもふ最高だわ。どろどろとした国の争いにどっぷり入り込んだ後だと余計に癒される。
「あ~……もう眠いしこのまま寝よう。無限収納、浄化」
俺は靴と外套をそのまま無限収納に入れると、浄化で体をきれいにする。もちろん、シュガーとソルトもだ。
「わふ~気持ちいい」
「気持ちいです……マスター」
シュガーとソルトは気持ちよさそうにそう言う。あちこち動き回ったから、多少なりとも汚れているだろうからね。
「ん……おやすみ」
「おやす……み……」
「おやすみなさい。マスター」
「ああ。長距離転移」
ラダトニカで夕食を買い終えたトールと共に、俺はディーノス大森林にある家の中に転移した。
そこにはエルメスとアレンがいて、2人共椅子に座っている。2人共、心なしかさっきよりも活力があるように見える。
「しっかり休んだみたいだな」
「ああ、レイン殿。お陰で疲れが取れたよ」
「はい。ベッドでしっかり休みました」
2人は口を揃えてそう言う。
早めに部屋に案内したのは正解だったようだ。
「それは良かったな。ああ、2人には言い忘れえていたが、俺は王都にいる仲間と夕食を食べる約束をしてるんだ。他にも色々あるし……多分明日の朝まで帰ってこない」
「そうか。出来ればここにいて欲しいのだが……約束があるのなら仕方ない。また明日会おう」
「そうだな。また明日会おう」
俺はそう言うと、長距離転移を使い、王都にあるニナとリックの家の前に転移した。そして、家のドアを開けて中に入る。
「ただいま~……お、シュガー、ソルト」
家の中に入ると、早速シュガーとソルトが出迎えてくれた。
2頭は俺の気配を確実に察知できるので、転移した瞬間には既に俺が帰ってきたと分かっていたのだろう。
「ご主人様! おかえり!」
「おかえりなさい。マスター」
「ああ、ただいま。ここ数日一緒にいれなくてすまんな」
その場でしゃがみ、2頭の頭を優しく撫でながら、俺はそう言う。
「大丈夫。この王都ってところは楽しい。いっぱい冒険出来た!」
「ええ。ニナが沢山食べ物を買ってくれました。どれも美味しかったです」
シュガーとソルトは嬉しそうにそう言う。
どうやらシュガーとソルトは俺がいない間に王都を満喫していたみたいだ。
いいな~俺ものんびり王都を満喫したい。
国王殺しの件が片付いたら、暫くはのんびりしてみよっと。
そんなことを思っていると、リビングからニナが出て来た。
「あ、良かった。帰ってこれたのね」
ニアはほっと息を吐くと、そう言いった。
「帰ってこれた……?」
ニナが言うことの意味が分からず、俺は思わずそう口にする。
「あれ? レイン知らないの? 実は今、王城で起きた凶悪事件の犯人が逃げ出したとかで、王都の出入りに使われる門が全て封鎖されているの。それで、王城内にも内通者がいたとか何とかで、王城にいる人はみんな取り調べを受けている~って言うのを耳に挟んだんだけど」
「あ~……そういうことね」
なるほど。牢屋から逃げ出したトールとエルメスがまだ王都内にいると踏んで、王都の出入りを完全に封鎖したのか。
確かに、この広い王都から脱出するのに、普通ならそこそこ時間がかかるため、その判断は正しい。ただ、生憎俺は普通じゃない。だって、転移1回でここから脱出出来てしまうのだから。
「俺は大丈夫だった。ちょっと聞かれたぐらいで、直ぐに解放されたよ」
王城の書庫に籠っていたということになっているので、俺はそう言って上手いことごまかす。
流石にここで、「脱走手伝ったの俺です」なんて言える訳がない。
「そう。それなら良かった。あ、ご飯はついさっきできたところよ。早速食べましょ」
「ああ。そうだな」
俺は頷くと、よっこらせと立ち上がった。そして、シュガーとソルトと共にリビングへと向かう。
リビングでは既に食事の用意が整っており、リックは椅子に座っていた。
リックは俺の方を見ると、口を開いた。
「良かったな。帰ってこれて。ああいうのって運が悪いと何日も待たされるからな」
「ああ。良かったよ」
そう言うと、俺は椅子に座る。そしえ、箸を手にする。
「それじゃあ、食べましょう」
こうして、俺たちは夕食を食べ始めた。
俺は早速箸で肉をつまむと、口に入れる。
「もぐもぐ……ああ、明日はちょっと忙しいんだよね。王族関連で」
一先ず、俺は明日も共に行動できないことを言う。
「そう……王族関連って何かあったの? あ、もしかしてさっきの件でまた呼ばれるの?」
「いや、違う。ちょっと助けるだけだ。俺の武力が必要となるからな」
やや曖昧な感じで俺は説明をする。
「そうなのね。まあ、言い方的に、私たちにはあまり言っちゃいけないことみたいだから、これ以上は聞かないわ」
俺の言い方で何か察してくれたのか、ニナはそう言ってくれた。
「ああ。ありがとう」
俺は礼を言うと、再び肉を頬張った。
◇ ◇ ◇
「は~食った。食った」
夕食を食べ終えた俺は満足げな顔で部屋に入ると、ベッドに跳び込んだ。そこに、シュガーとソルトも入り込んでくる。
あ~もふもふ最高だわ。どろどろとした国の争いにどっぷり入り込んだ後だと余計に癒される。
「あ~……もう眠いしこのまま寝よう。無限収納、浄化」
俺は靴と外套をそのまま無限収納に入れると、浄化で体をきれいにする。もちろん、シュガーとソルトもだ。
「わふ~気持ちいい」
「気持ちいです……マスター」
シュガーとソルトは気持ちよさそうにそう言う。あちこち動き回ったから、多少なりとも汚れているだろうからね。
「ん……おやすみ」
「おやす……み……」
「おやすみなさい。マスター」
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