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親友からの援護射撃
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「ラフォン侯爵令嬢、おめでとうございます」
「レティシア様、おめでとうございます」
挨拶が済んだ私の元にやってきたのは、ベルティーユ様とロイク様、そしてクレマン様とその婚約者のアメリ―=グラニエ伯爵令嬢でした。この四人は幼馴染で、アメリ―様は私達の一学年下になります。優しい茶色の髪に薄青の瞳の持ち主で、派手な印象はありませんが主席争いに加わるほどの才女なのです。
ベルティーユ様は艶やかなオレンジ色のドレスがとてもお似合いですわね。ロイク様は薄い茶色を基調とした衣装ですが、差し色がベルティーユ様のドレスの色と同じ色でとてもお似合いな二人です。金髪と青い瞳のロイク様は、黙っていると立派な貴公子ですわね。
クレマン様はアメリ―様とお揃いの深緑を基調とした衣装ですが、深緑色はクレマン様の瞳の色です。実はクレマン様、幼い頃からアメリ―様を一途に思われているのですが、アメリ―様はあまり恋愛には興味がないらしく、いつもやきもきされているそうです。それでも今日のご様子からは、お二人の仲の良さが伺えますわ。
周りはラフォン家の政敵と言われている四人が、私と親しく話をしているのを見て驚いています。確かに父達は犬猿の仲と言われていますが、それはそれなのですよね。両親も私には好きにしなさいと言ってくれますし、どうやらベルティーユ様のお父様も私との交流を止める気はなさそうです。もっとも、ベルティーユ様の性格からして、反対されても言い負かして好きにしそうですが。カロン侯爵の娘への溺愛っぷりは、我が家に劣らず有名なのです。
「ありがとう、ベルティーユ様。これからはリシャール様もよろしくね」
「ええ、もちろんよ。ファリエール伯爵令息、先日は素敵な品をありがとう。お姉さまがとても喜んでいらっしゃったわ」
「左様でございますか。お気に召したようで大変光栄にございます」
「今度は俺達も利用させて貰おうか。な、クレマン?」
「ああ、そうだな」
「ありがとうございます。ご希望とあればいつでもお伺いいたします」
どうやらあのブローチ、第二王子妃でもあるベルティーユ様のお姉様のお眼鏡に適ったようで、私も思わずホッとしてしまいましたわ。王族の方に認められるのは簡単ではありませんが、それをクリアしてしまうなんてさすがはリシャール様です。
ベルティーユ様達との会話は、招待客の心情に大きな影響を与えるのは必須です。王家との関係が強い三人がリシャール様を認め、王子妃殿下がリシャール様の商品を気に入ったと告げたのです。これでリシャール様の立場は一気に強くなったと言えるでしょう。王家に認められるという事はそれだけの価値があるのです。
「ふふ、バルト公爵家の令息が唖然としているわよ。気を付けてね」
ベルティーユ様が耳元でこっそり囁きました。チラリと視線を向けると、公爵は顔を赤くし、令息は逆に青くしていました。残念ですが出る幕はありませんので、このまま静かにお引き取り願いたいですわね。それ以外にも私を睨みつける視線がありましたが…こちらも予想通りですわ。
「レティシア様、おめでとうございます」
挨拶が済んだ私の元にやってきたのは、ベルティーユ様とロイク様、そしてクレマン様とその婚約者のアメリ―=グラニエ伯爵令嬢でした。この四人は幼馴染で、アメリ―様は私達の一学年下になります。優しい茶色の髪に薄青の瞳の持ち主で、派手な印象はありませんが主席争いに加わるほどの才女なのです。
ベルティーユ様は艶やかなオレンジ色のドレスがとてもお似合いですわね。ロイク様は薄い茶色を基調とした衣装ですが、差し色がベルティーユ様のドレスの色と同じ色でとてもお似合いな二人です。金髪と青い瞳のロイク様は、黙っていると立派な貴公子ですわね。
クレマン様はアメリ―様とお揃いの深緑を基調とした衣装ですが、深緑色はクレマン様の瞳の色です。実はクレマン様、幼い頃からアメリ―様を一途に思われているのですが、アメリ―様はあまり恋愛には興味がないらしく、いつもやきもきされているそうです。それでも今日のご様子からは、お二人の仲の良さが伺えますわ。
周りはラフォン家の政敵と言われている四人が、私と親しく話をしているのを見て驚いています。確かに父達は犬猿の仲と言われていますが、それはそれなのですよね。両親も私には好きにしなさいと言ってくれますし、どうやらベルティーユ様のお父様も私との交流を止める気はなさそうです。もっとも、ベルティーユ様の性格からして、反対されても言い負かして好きにしそうですが。カロン侯爵の娘への溺愛っぷりは、我が家に劣らず有名なのです。
「ありがとう、ベルティーユ様。これからはリシャール様もよろしくね」
「ええ、もちろんよ。ファリエール伯爵令息、先日は素敵な品をありがとう。お姉さまがとても喜んでいらっしゃったわ」
「左様でございますか。お気に召したようで大変光栄にございます」
「今度は俺達も利用させて貰おうか。な、クレマン?」
「ああ、そうだな」
「ありがとうございます。ご希望とあればいつでもお伺いいたします」
どうやらあのブローチ、第二王子妃でもあるベルティーユ様のお姉様のお眼鏡に適ったようで、私も思わずホッとしてしまいましたわ。王族の方に認められるのは簡単ではありませんが、それをクリアしてしまうなんてさすがはリシャール様です。
ベルティーユ様達との会話は、招待客の心情に大きな影響を与えるのは必須です。王家との関係が強い三人がリシャール様を認め、王子妃殿下がリシャール様の商品を気に入ったと告げたのです。これでリシャール様の立場は一気に強くなったと言えるでしょう。王家に認められるという事はそれだけの価値があるのです。
「ふふ、バルト公爵家の令息が唖然としているわよ。気を付けてね」
ベルティーユ様が耳元でこっそり囁きました。チラリと視線を向けると、公爵は顔を赤くし、令息は逆に青くしていました。残念ですが出る幕はありませんので、このまま静かにお引き取り願いたいですわね。それ以外にも私を睨みつける視線がありましたが…こちらも予想通りですわ。
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