【第二部連載中】あなたの愛なんて信じない

 シトロフ伯爵家の次女として生まれた私は、三つ年上の姉とはとても仲が良かった。

「ごめんなさい。彼のこと、昔から好きだったの」

 大きくなったお腹を撫でながら、私の夫との子供を身ごもったと聞かされるまでは――

 魔物との戦いで負傷した夫が、お姉様と戦地を去った時、別チームの後方支援のリーダーだった私は戦地に残った。

 命懸けで戦っている間、夫は姉に誘惑され不倫していた。
 しかも子供までできていた。

「別れてほしいの」
「アイミー、聞いてくれ。俺はエイミーに嘘をつかれていたんだ。大好きな弟にも軽蔑されて、愛する妻にまで捨てられるなんて可哀想なのは俺だろう? 考え直してくれ」
「絶対に嫌よ。考え直すことなんてできるわけない。お願いです。別れてください。そして、お姉様と生まれてくる子供を大事にしてあげてよ!」
「嫌だ。俺は君を愛してるんだ! エイミーのお腹にいる子は俺の子じゃない! たとえ、俺の子であっても認めない!」

 別れを切り出した私に、夫はふざけたことを言い放った。
 
 どんなに愛していると言われても、私はあなたの愛なんて信じない。

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※第二部を開始しています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
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