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最終章「プロポーズは指輪と共に!」

1 帰ってきてから

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皆様、お久しぶりです。
今回は最終章。どどんっと一挙にお届けしてまいります。

それでは本編をお楽しみください('ω')ノ

*******************



 ――――婚約破棄から数ヶ月。
 誘拐事件があったり、帝都に一度戻ったり、聖人アシュカが別邸に遊び来て、間違いで誘拐犯にされ神聖国に行ったりと。

「いや、マジで忙しかったな。俺」

 俺は思い出しながら一人呟く。
 しかし、今は何の予定もしがらみもない。庭園の芝生に寝っ転がって、フリータイムを満喫中だ。
 だが神聖国から帰国して一週間。こっちはすっかり秋になっていた。おかげで天気はいいが、ほんの少しだけ肌寒い。

 ……もう秋か~、早いもんだなぁ。でも秋と言えば、食べ物の秋! そして読書の秋!! 来月はローズ先生の新刊の発売日だし。楽しみだな~!

 俺はウキウキする。しかし来月はレノの誕生日もある、というか二週間後だ。

 ……レノには組紐をあげるって決めてるけど、他に何かあげた方がいいかなぁ。

 俺は秋の空を見ながらぼんやりと考える。
 そうすればレノに言われたことを思い出した。

『ロマンチックでスウィートな告白、楽しみにしてますね?』

 ……うーむ、レノに告白をプレゼント? いや、なんか恥ずかしいな。でも告白するって言ったしなぁ。やっぱ、ここは夜景をバックにディナーを楽しんだ後、告白? うーん、ちょっと年齢高めかなぁ。じゃあ年相応、青春っぽく誰もいない放課後の教室で? いやいや、学園は卒業したし。……じゃあじゃあ遊園地の観覧車の上で? 遊園地、この世界にないけど。

 俺は告白のシチュエーションを考えるが、どれもピンっと来ない。

 ……そもそもロマンチックでスウィートな告白ってナニッ!?

 かれこれ、年齢=恋人いない歴である。つまり、告白をされた事もなければ告白をしたこともないのが俺だ。

「ぐぅ~、どうしたらいいんだぁ!」
「どうしました、キトリー様」

 頭を悩ませていると後ろからレノに声をかけられて俺は驚き「ひょ!」と声を上げる。

「レノ、急に声をかけるなよ!」

 俺が振り返って言えば、レノは不思議そうな顔を見せた。

「何か悩んでいたようなので」
「そーいう時はそっとしときなさい」

 俺が答えれば「そうですか?」と呟きつつ、俺が座っている隣に立つ。

 ……ナニカヨウデスカネ?

「あの、レノきゅん?」
「なんですか?」

 ……いや、それはこっちの台詞なんですけど。そっとしとけって、今言いましたよね??

「レノ、何か用なの?」
「いえ?」
「じゃあ、なんでここにいるの」

 俺が尋ねればレノはニッコリと笑った。

「いつになったらロマンチックでスウィートな告白をしてくださるのかな? と思いまして」

 レノに言われて俺は思わず赤面し、目をそぞろかせる。

「そ、それはぁ~」
「今更ナシは駄目ですよ?」
「うっ、わ、わかってるよ!」

 俺は答えつつ、ちらりとレノを見る。でもレノが立っているから、座っている俺の目線はちょうどレノの下半身へ、そしてそこにはレノのアナコンダ君が潜んでいる訳で。

 ……いや、やっぱり告白は早まったか!?

「坊ちゃん、どこを見てるんですか?」

 腰を曲げて屈んだレノは俺の耳元に囁いた。

「ひゃ! い、いや!? どこも見てないけど!」

 俺が答えるとレノはまた腰を真っ直ぐと伸ばし「そうですか?」と答える。

「それにしても。一体どんな告白をしてくださるのか、とても楽しみです」

 レノは有無を言わせぬニッコリ顔で言い、俺に拒否権を与えてはくれなかった。

「う、うぐっ……が、ガンバリマス」
「はい、待っていますね?」

 レノの答えに俺は顔をヒクッと引きつらせる。しかしそこへ……。

「おや、坊ちゃん。ここにいましたか、探しましたぞ」

 現れたのは、素敵な老紳士でスーパーミラクル執事のお爺だった。

「お爺。探したって、俺に何か用だった?」

 俺は答えながらすくっと立った。きっと俺に何か用だろうから。

「ほっほっ、実は村からザックがノエルと来たのですが、一緒にコリン達もついてきましてな。坊ちゃんにお会いしたいそうです」
「コリン達が!」

 ……そういやザックには帰って早々会ってたけど、コリン達には神聖国に行った後、会ってなかったからなぁ。しかしまあ、帰ってきてザックにノエルが女の子だって聞かされた日には驚いたもんだ。そりゃ、女の子みたいに可愛いわけだよ。女の子だったんだもん。

 俺は帰ってきた翌日、ザック達と会った事を思い出しながら心の中で呟いた。




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何気なく一話を見たら、脱字というか一文抜けてました(汗)
修正しております(2022/12/4付)
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