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第五章「告白は二人っきりで!」
エピローグ
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――――キトリーがレノとわちゃわちゃしながら馬車で帰っている間。
見送りを終えたランネットは自室の部屋に戻っていた。
「はぁ、あっさり帰っちゃって寂しいわねぇ……。でもりっちゃんとレノ君がカップルなんて、これは早くバルト帝国へ行けるようにして二人の行く末を見ないとだわっ!!」
最初は殊勝に呟いていたランネットだが、次第に目をキラキラさせて意気込んだ。
さすがキトリーという前世の弟を持つ、姉である。
しかしそこへ誰かが部屋をノックし、ランネットはすぐに「どうぞ」と声をかけた。
するとノアが「ランネット様、失礼します」と部屋に入ってくる。
「あ、ノア! どこに行っていたの? キトリー様達はもう帰ってしまって、二人とも貴方に挨拶したがっていたのよ」
ランネットは現れたノアにそう告げた。しかしノアは不思議そうな顔をして首を傾げる。
「キトリー様、ですか?」
まるで誰だろう? という表情で言うノアにランネットも首を傾げる。
「キトリー様よ。どうしたの?」
「いえ、どなたかわからないのですけど、私がいない間に来客があったのですか?」
「え、来客って? キトリー様よ?」
「はぁ、申し訳ないのですが、一体誰ですか? それになんだか大神殿の内の雰囲気も変わってますし。何かあったんですか?」
「何かあったって……」
話がかみ合わないノアにランネットはただただ困惑した。
……一体、どうしたのかしら。まるで何も見てないって顔だわ。どうして。
そう思えばノアは思わぬ言葉をランネットに告げた。
「私が実家に帰っている間に何かあったんですか? ランネット様」
「え? 実家に帰っている間?」
「ええ。一カ月前に私、姉が出産するから実家に帰りますって言ったじゃないですか。たった今戻ってきたところなんですよ?」
ノアは何気なく答えた。だがランネットは当然驚く。
「たった今!? だってあなた、やっぱり行くのを止めたって言ってここにいたじゃない!?」
「え? 何を言ってるんです? 私は一カ月前に実家に戻りましたよ? ほら、お土産も」
ノアはランネットに地元で織られている伝統の織物を差し出した。
それは確かに神聖国では手に入れられない物で。だからこそ、ランネットは混乱した。
……じゃあ一体、昨日まで私の傍にいたノアは誰だって言うの!?
ランネットはゾッとしたが、夢に現れたクト神に言われたことを思い出した。
『今回は不思議な事が起こってもそれは別の神の仕業だから、あんまり気にしないでね』
……もしかして、この事を言っていたのかしら? でも、どうしてノアに?? それに別の神様ってことはリャーナ様かバレンシア様って事よね。お二人のどちらかが、もしかしてノアに化けてたってこと?
ランネットは考えるが答えは出ない。
ただ一つわかるのは、キトリー達が去ったと同時にその姿を消した事。
「……もしかしてりっちゃんに?」
ランネットは呟き、窓の外を見つめた。
そしてこれからキトリーに起こることをまだ誰も知らなかった――――。
……次回、最終章にて!!!
************
あとがき
第四章に続いて第五章を投稿していきましたが、今回のお話はいかがでしたか?
今回もあんまりちょっとBLっぽくなかったような……(汗)
でもちょっとずつ進展しているキトリーとレノ。
そして本編最後にも書きましたが、ついに次の章は最終章を迎えます。
次のお話は、この第五章や他の章に残した伏線を回収していく予定です。
あと、キトリーとレノの二人が遂に……!?(/ω\)
ぜひ、次回をお楽しみに!
見送りを終えたランネットは自室の部屋に戻っていた。
「はぁ、あっさり帰っちゃって寂しいわねぇ……。でもりっちゃんとレノ君がカップルなんて、これは早くバルト帝国へ行けるようにして二人の行く末を見ないとだわっ!!」
最初は殊勝に呟いていたランネットだが、次第に目をキラキラさせて意気込んだ。
さすがキトリーという前世の弟を持つ、姉である。
しかしそこへ誰かが部屋をノックし、ランネットはすぐに「どうぞ」と声をかけた。
するとノアが「ランネット様、失礼します」と部屋に入ってくる。
「あ、ノア! どこに行っていたの? キトリー様達はもう帰ってしまって、二人とも貴方に挨拶したがっていたのよ」
ランネットは現れたノアにそう告げた。しかしノアは不思議そうな顔をして首を傾げる。
「キトリー様、ですか?」
まるで誰だろう? という表情で言うノアにランネットも首を傾げる。
「キトリー様よ。どうしたの?」
「いえ、どなたかわからないのですけど、私がいない間に来客があったのですか?」
「え、来客って? キトリー様よ?」
「はぁ、申し訳ないのですが、一体誰ですか? それになんだか大神殿の内の雰囲気も変わってますし。何かあったんですか?」
「何かあったって……」
話がかみ合わないノアにランネットはただただ困惑した。
……一体、どうしたのかしら。まるで何も見てないって顔だわ。どうして。
そう思えばノアは思わぬ言葉をランネットに告げた。
「私が実家に帰っている間に何かあったんですか? ランネット様」
「え? 実家に帰っている間?」
「ええ。一カ月前に私、姉が出産するから実家に帰りますって言ったじゃないですか。たった今戻ってきたところなんですよ?」
ノアは何気なく答えた。だがランネットは当然驚く。
「たった今!? だってあなた、やっぱり行くのを止めたって言ってここにいたじゃない!?」
「え? 何を言ってるんです? 私は一カ月前に実家に戻りましたよ? ほら、お土産も」
ノアはランネットに地元で織られている伝統の織物を差し出した。
それは確かに神聖国では手に入れられない物で。だからこそ、ランネットは混乱した。
……じゃあ一体、昨日まで私の傍にいたノアは誰だって言うの!?
ランネットはゾッとしたが、夢に現れたクト神に言われたことを思い出した。
『今回は不思議な事が起こってもそれは別の神の仕業だから、あんまり気にしないでね』
……もしかして、この事を言っていたのかしら? でも、どうしてノアに?? それに別の神様ってことはリャーナ様かバレンシア様って事よね。お二人のどちらかが、もしかしてノアに化けてたってこと?
ランネットは考えるが答えは出ない。
ただ一つわかるのは、キトリー達が去ったと同時にその姿を消した事。
「……もしかしてりっちゃんに?」
ランネットは呟き、窓の外を見つめた。
そしてこれからキトリーに起こることをまだ誰も知らなかった――――。
……次回、最終章にて!!!
************
あとがき
第四章に続いて第五章を投稿していきましたが、今回のお話はいかがでしたか?
今回もあんまりちょっとBLっぽくなかったような……(汗)
でもちょっとずつ進展しているキトリーとレノ。
そして本編最後にも書きましたが、ついに次の章は最終章を迎えます。
次のお話は、この第五章や他の章に残した伏線を回収していく予定です。
あと、キトリーとレノの二人が遂に……!?(/ω\)
ぜひ、次回をお楽しみに!
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月見酒です。
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