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第四章「ディープな関係!?」

最終話 ハァーーーッ?!

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 ――アシュカが去って数時間後の昼頃、ザックが食材の配達にやって来た。

「そうですか。アシュカ様は帰ってしまわれたんですか」
「ああ、だからケルビン達にもそう伝えておいてくれ。まあ、あいつのことだから、また来そうな気がするがな」

 残念そうに呟くザックに俺が告げると、その横でヒューゴがニマニマした顔で茶々を入れた。

「今度は気を付けないとですね、坊ちゃん」
「ヒューゴ、ちょっと黙ってて」
「何かあったんですか?」
「それがさー、坊ちゃんってば」
「なんでもないデス!!」

 俺がジロッと睨んで言うとヒューゴはさらにニマニマした顔で俺を見てきた。

 ……ぐぅぅ、おのれ~っ! 楽し気な顔をしおってー!

 そう思いながらも頬が熱くなってくる、レノにキスされた事を思い出して。

「あららー、ほっぺが赤いですよ? 坊ちゃん、フフフッ」

 ヒューゴは俺の頬をツンツンし、からかう。なので俺は仕返しとばかりに反撃することにした。

「ヒューゴ、俺にそんな態度でいいのかな? あの秘密、フェルナンドに教えちゃうぞ?(去年、帝都でバカ高いお酒をこっそり買ってた事、言うぞ?)」
「な、何の事ですかね?」
「おや、覚えてないとは言わせないぞ?」

 俺はじっとヒューゴを見つめる。しかしその時、裏口の戸が開けられた。

「秘密って、なんですか?」

 水分補給しに来たフェルナンドが笑顔で尋ねた。まさかのタイミングである。

「ふぇ、フェル!」
「ヒュー、秘密って何? 何を隠してるんだ?」
「い、いやー、俺は何も~」
「へぇ? 俺には話せないってことか。フーン?」
「ふぇ、フェル~!」

 明らかに不機嫌なフェルナンドにヒューゴはさっきとは打って変わって困り顔を見せた。ふん、いい気味だぜ~。
 だが話の流れについていけないザックは困惑顔で俺を見る。

「キトリー様、一体……」
「コホン、いや、なんでもないんだ。それより今日もノエルはお休みか? 大丈夫か、本当に」

 姿が見えないノエルに俺は心配になる。これまではずーっと一緒にザックと配達に来てくれたのに、ここ一週間以上見ていない。

「ご心配なく。次からは一緒に来ますよ」
「あ、そうか?」

 ザックはハッキリと言い、俺はホッとする。けれど、そんな時だった。
 珍しくお爺が慌てて食堂へと入ってきた。

「お爺? どったの?」

 俺が尋ねればお爺は眉を下げて告げた。

「坊ちゃん、少々困ったことになりました」
「へ?」

 そうして俺は訳の分からないままお爺に連れられて、玄関ロビーにやって来た。けれど、そこにはデンゼルさんと同じ神官服を着た神聖国の遣いの人達がいて。

 ……もしかしてアシュカを迎えに来たのかな? 入れ違いになったとか?

「あのー、アシュカ様はもうお帰りになりましたけど?」

 そう教えるが、神官は思いもよらぬことを俺に告げた。

「キトリー・ベル・ポブラット殿! 貴殿を聖人アシュカ様の誘拐犯として神聖国まで連行します!」

 ……ゆうかいはん、てんしんはん、もうこはん。……誘拐犯ッ!?

「ハァァァァァァァーーーーーーッ!?」








 ――どうやら俺ののんびり転生ライフはまだまだ先のようである。







 ◇◇◇◇



 ――その頃、神聖国の神殿の奥では。

「ランネット様。そろそろ祈祷のお時間です」

 神官の一人が告げれば、窓辺に佇んでいた一人の女性は振り返った。

「あら、もうそんな時間? わかったわ。準備してから行くわね」

 彼女が言えば、神官は頷いてその場を立ち去った。それを見送り、彼女は再び空を眺めて小さく呟いた。

「一波乱、起こりそうね」














おわり


次回、第五章「告白は二人っきりで!」



************

今回もキトリーとレノはわちゃわちゃしていた感じですが、どうだったでしょうか?
ちょっとはいちゃっとし始めましたが、相変わらずえちえち度は低めという……(笑)

そしていつの間にか総話数100話を超えました。
こんな長いお話に付き合っていただき、感謝です。そして今後ともよろしくお願いします<(_ _)>ペコリ


では第五章「告白は二人っきりで!」もどうぞお楽しみに!
今月中には投稿開始するよ~!!
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感想 10

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