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8.大学に戻って(陽 視点)
しおりを挟む今日は湊と講義が被ってるからなんだか気が進まない。
僕のこと警戒してるみたいだし…。
それに、あの後から話すこともなかったし、どうしたらいいのかわからなかった…。
教室に着くと、湊は他の人と話してた。
気まずくて湊とは離れた席で教科書をだしたり、スマホをいじったりして講義が始まるのを待っていた。
しばらくすると、僕の前で立ち止まった人がいた。
顔をあげるとそこには湊がいた。
「え…湊…なんで?」
「その…悪かったよ。今、他のやつに聞いたらお前が嘘を言ってるわけじゃないってわかったからさ。お前の名前…聞いてもいいか?」
「陽だよ。」
「陽…なあまた友達としていないか…?なんだかお前のことが気になるんだ…」
「うん。湊がいいなら一緒にいたいな」
「そっか。この隣座ってもいいか?」
「いいよ」
「荷物とってくるわ」
「うん」
講義を受けて、そのあと一緒にお昼を食べて、湊と過ごした。
「なあ俺たちってどんな話してたんだ?」
「うーん、好きな映画とか昨日あったこととか他愛のないことだよ。」
「そっか。また同じことの繰り返しになっちゃうかもしれないけど色々話さないか?」
「ふふっ、いいよ。湊ってやっぱり優しいね」
「そうか?俺、口悪いしそんなこと言われたことないんだけど」
「湊は優しいよ。現にこうやって僕に話しかけてくれたじゃん。」
「それは俺がしたいと思ってるからだよ」
「それでも僕は嬉しいからいいの!」
「あ、それと俺、前のスマホ壊れたから陽の連絡先教えてくれ」
「壊れてたんだ。いいよ。僕いっぱい連絡しちゃったから」
「そうだったんだ。気づかなくてごめんな」
「ううん。大したことじゃないから気にしなくていいよ」
それから色んな話をして、わかれた。
湊といるのはやっぱり居心地がいいな…
でもどうしても…僕のことを忘れたって事実が辛い…
それに…口調も前とは全然違ってるし、僕の前では本心を出せなかったのかな…
気をつかわせてしまっていたのかな…
僕は色々と考え事をしていてなかなか寝つけなかった。
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