148 / 1,025
アルバラスト編
そばばばばばっ!
しおりを挟む
そばばばばばっ!「うん、やっぱり美味い。」
「あなた何で早朝から大食い大会開催してるのよ。」
「あ、朧さんお早うございます。
どうですか朧さんもこの『そば』って麺料理美味しいですよ?」
闘技場から出てきたノアは再び食品街に戻って食べ歩きを開始。
【鎧袖一贖】を発動した事で腹ペコ状態に戻った為、『焼きトリ』と『オコノミ焼き』なる食べ物を手当たり次第に食べてるといった状態であった。
尚、グリード用に『焼きトリ』200本、『オコノミ焼き』を10枚購入。
空が白み始めた時に『そば』なる麺料理があったので食べた所食べやすさと喉越しにハマり、現在18皿目。
大分空が明るくなり、街に人が出始めた頃キュルルルと可愛らしい音を鳴らせて朧が歩いて来た所でセルフ大食い大会を開催しているノアと出会った訳である。
「いや、私は【忍】故、素顔を晒す食事は避けているのでね。」
「ふーん…」そばばばばばっ!
「ええぃ!旨そうに食うな!」
「いや、音を立てて食べるのが『そば』の作法らしいですよ。」そばばーっ!
「分かったから見せ付ける様に食うな!」
ノアはわざと朧に見える様に啜る。
「朧さん本当は食べたいんじゃないですか?」
「い、いや、私は【忍】故…」
「明日我が身がどうなるか分からない冒険者稼業をやってるんです、好きに生きましょうよ。」そばーっ!
「う、うう、う…」
ちゅるるるっ…
数分後、口元を覆う布の下から箸を使って器用に『そば』を啜る朧がそこにはいた。
「ま、まぁ、あまりにも誘いを断るのは忍びないのでし、仕方無くだな…」
「朧さんって押しに弱いですよね。」そばーっ!
「は?押しに弱い…だと?」ちゅるる…
「任務の為とは言えフリルのミニスカートになっても皆から『可愛いいよ』と言われて甘んじて受け入れたり」そばっ!
「うぐっ…」
「今も2、3言われたら結局『そば』食べてますしね。」そばーっ!
「ぐぬぬ…ゆ、優柔不断な軟弱者だと言いたいのか…?」
「軟弱者とは言ってませんよ。」
「優柔不断とは思ってるんじゃないかぁっ!」
朧はテーブルにバシッと箸を叩き付けノアに詰め寄る。
「取り消せ!取り消さねば闘技場で決闘だ!」
「決闘ですか、良いですよ。
その代わりこちらが勝ったら僕からもお願い事良いですか?」
「私は男では無いが【忍】に二言は無い!
これを食い終わったら行くぞ!」
「あ、でも今は行っても無理でしょう。試合場使えませんし。」
「ん?何でそんな事知って…」
そんな事を話していると2人組が近付いてくる。
「おう、朧!お早うさん、お前が屋台にいるなんて珍しいな!」
「おお、ルディアとレオ!聞いてくれ、ノア君が私の事を優柔不断だと言うのだ!」
「うん、そうだな。」
「優柔不断と言うか押しに弱いと言うか…」
「あれー?」
「今その件で決闘申し込まれたんですよ。」
「へー、でもそれは今度だな。今試合場使えないし。」
「そう!それだ!何故そんな事ノア君が知ってるのだ?」
「さっきレオと坊主が戦って試合場半壊させちまったからな。」
「…レオと…ノア君が…?」
「ああ!」
「え?結果は…?」
「俺が【獣化】と爆裂魔法使った上で相討ち、実質俺の負けだ。」
「…ノア君今回の事は水に流し「あれ?【忍】に二言は無いのでは?」
「いやいや…パーティ最高戦力のレオと相討ちされたと言う君に敵うハズ無いだろう。」
「まぁ良いです。決闘云々は元々本気でするつもりありませんでしたから。」
「そ、そうか…ちなみになんだが、君からのお願い事って何だい?」
ノアとの決闘が無しになった事で安堵する朧が聞いてくる。
「昨日仕込み杖を提供してくれた武器屋の店主さんがいるじゃないですか。」
「ああ、猫獣人の。」
「そうです、あの方がどうやら朧さんを気に入ってるみたいで専用の防具を作りたいそうなんです。お代はタダで良いそうなんで。」
「ええ!?」
「いい話じゃないか!」
「専用防具何てなかなか作って貰えないぞ!」
『専用防具』に喜ぶ朧。
「ちなみにどんな防具かは聞いているのか?」
「あー…まぁ聞いてますよ…何種類かあるみたいなのでどれが良いですか…?」
ノアからメモを受け取った朧は内容に目を通す。
『布地の最少面積に挑め!』…朧のスタイルに合わせ、極限まで布地を減らし"ギリギリ見えない"を徹底的に追求した装束。
戦闘面でも決して"見えない"様にする為、やや布地の重量を重くしているのが欠点。
店主コメント『フリルスカートで顔真っ赤にしてるのよ?これを着たら…』
『あれ?私装束着てるよね?』…見た目は普通の忍装束、但し着用者は着ているのか一瞬心配になる程の通気性能を発揮する特殊素材で作られた装束。
夏場でも快適に過ごせる事間違い無し。冬はお察し。
店主コメント『肌の露出を嫌う彼女にうってつけ。「着てるでしょ?」って言ってガン見してやりたいわ。』
『夜襲装束(意味深)』…サキュバスパイダーの糸で作られた夜襲装束(意味深)。
これで意中の彼もイチコロ。
店主コメント『奥手の彼女にはぴったりよ。だってあの娘、同じパーティのルディアが好「わー!?わー!?」
「おい、どうした朧!?」
「少年と何やらメモを渡されて確認した時に大声出した様だが、そのメモに何書いてあったのだ?」
「み、見るな!何でも無いっ!」
朧は持っていたメモを木っ端微塵に破く。
メモの断片を見たルディアは朧に告げる。
「通気性かー…これ良いんじゃないか?
お前暑がりだし汗っかきだからか、夏場大変そうにしてるもんな。」
「え?」
「気付いてない様だが、ルディアは色々気遣って暑さ対策とか依頼先の気候に気を付けて選んでたりしてるのだぞ?」
「おい、レオそれは言わなくても良いだろ!」
その話を聞いた後、朧がノアの方に向いて告げる。
「もし、またあの店主に会ったら言っといてくれ!取り敢えず採寸は行く、とね。」
「了解しました。」
その後、朧、レオ、ルディアと別れたノアは武器屋エリアへと向かって行った。
「取り敢えず今度採寸は来るそうですよ。」
「あら~伝えてくれたのね、ありがとー。」
「そりゃ、一応依頼ですからね…でもああいう依頼は今後無しでお願いします。
何でこの街に来て初めて受ける依頼が『特殊性癖を疑われる防具の斡旋』なんだ…」
ノアは猫獣人店主が経営する武器屋のカウンターに項垂れる様に突っ伏す。
「大丈夫大丈夫、今回だけよ。」
「それより、例の反応はどうですか?」
「バッチリよ、これを見て。」
猫獣人の店主がカウンターの上にこの街を中心とした周辺地図を置く。
すると懐から砂(?)が入った小袋を取り出して地図に振り掛ける。
「"我が授けし武具の痕跡をここに示せ"」
店主が何か唱えると散らばっていた砂がある地点に集約したかと思うと、道をなぞる様に進み街の中へと続いていく。
「どうやらもうこの街に入ってきた様ね。」
「それじゃ早速捕まえに行きますか。」
「あなた何で早朝から大食い大会開催してるのよ。」
「あ、朧さんお早うございます。
どうですか朧さんもこの『そば』って麺料理美味しいですよ?」
闘技場から出てきたノアは再び食品街に戻って食べ歩きを開始。
【鎧袖一贖】を発動した事で腹ペコ状態に戻った為、『焼きトリ』と『オコノミ焼き』なる食べ物を手当たり次第に食べてるといった状態であった。
尚、グリード用に『焼きトリ』200本、『オコノミ焼き』を10枚購入。
空が白み始めた時に『そば』なる麺料理があったので食べた所食べやすさと喉越しにハマり、現在18皿目。
大分空が明るくなり、街に人が出始めた頃キュルルルと可愛らしい音を鳴らせて朧が歩いて来た所でセルフ大食い大会を開催しているノアと出会った訳である。
「いや、私は【忍】故、素顔を晒す食事は避けているのでね。」
「ふーん…」そばばばばばっ!
「ええぃ!旨そうに食うな!」
「いや、音を立てて食べるのが『そば』の作法らしいですよ。」そばばーっ!
「分かったから見せ付ける様に食うな!」
ノアはわざと朧に見える様に啜る。
「朧さん本当は食べたいんじゃないですか?」
「い、いや、私は【忍】故…」
「明日我が身がどうなるか分からない冒険者稼業をやってるんです、好きに生きましょうよ。」そばーっ!
「う、うう、う…」
ちゅるるるっ…
数分後、口元を覆う布の下から箸を使って器用に『そば』を啜る朧がそこにはいた。
「ま、まぁ、あまりにも誘いを断るのは忍びないのでし、仕方無くだな…」
「朧さんって押しに弱いですよね。」そばーっ!
「は?押しに弱い…だと?」ちゅるる…
「任務の為とは言えフリルのミニスカートになっても皆から『可愛いいよ』と言われて甘んじて受け入れたり」そばっ!
「うぐっ…」
「今も2、3言われたら結局『そば』食べてますしね。」そばーっ!
「ぐぬぬ…ゆ、優柔不断な軟弱者だと言いたいのか…?」
「軟弱者とは言ってませんよ。」
「優柔不断とは思ってるんじゃないかぁっ!」
朧はテーブルにバシッと箸を叩き付けノアに詰め寄る。
「取り消せ!取り消さねば闘技場で決闘だ!」
「決闘ですか、良いですよ。
その代わりこちらが勝ったら僕からもお願い事良いですか?」
「私は男では無いが【忍】に二言は無い!
これを食い終わったら行くぞ!」
「あ、でも今は行っても無理でしょう。試合場使えませんし。」
「ん?何でそんな事知って…」
そんな事を話していると2人組が近付いてくる。
「おう、朧!お早うさん、お前が屋台にいるなんて珍しいな!」
「おお、ルディアとレオ!聞いてくれ、ノア君が私の事を優柔不断だと言うのだ!」
「うん、そうだな。」
「優柔不断と言うか押しに弱いと言うか…」
「あれー?」
「今その件で決闘申し込まれたんですよ。」
「へー、でもそれは今度だな。今試合場使えないし。」
「そう!それだ!何故そんな事ノア君が知ってるのだ?」
「さっきレオと坊主が戦って試合場半壊させちまったからな。」
「…レオと…ノア君が…?」
「ああ!」
「え?結果は…?」
「俺が【獣化】と爆裂魔法使った上で相討ち、実質俺の負けだ。」
「…ノア君今回の事は水に流し「あれ?【忍】に二言は無いのでは?」
「いやいや…パーティ最高戦力のレオと相討ちされたと言う君に敵うハズ無いだろう。」
「まぁ良いです。決闘云々は元々本気でするつもりありませんでしたから。」
「そ、そうか…ちなみになんだが、君からのお願い事って何だい?」
ノアとの決闘が無しになった事で安堵する朧が聞いてくる。
「昨日仕込み杖を提供してくれた武器屋の店主さんがいるじゃないですか。」
「ああ、猫獣人の。」
「そうです、あの方がどうやら朧さんを気に入ってるみたいで専用の防具を作りたいそうなんです。お代はタダで良いそうなんで。」
「ええ!?」
「いい話じゃないか!」
「専用防具何てなかなか作って貰えないぞ!」
『専用防具』に喜ぶ朧。
「ちなみにどんな防具かは聞いているのか?」
「あー…まぁ聞いてますよ…何種類かあるみたいなのでどれが良いですか…?」
ノアからメモを受け取った朧は内容に目を通す。
『布地の最少面積に挑め!』…朧のスタイルに合わせ、極限まで布地を減らし"ギリギリ見えない"を徹底的に追求した装束。
戦闘面でも決して"見えない"様にする為、やや布地の重量を重くしているのが欠点。
店主コメント『フリルスカートで顔真っ赤にしてるのよ?これを着たら…』
『あれ?私装束着てるよね?』…見た目は普通の忍装束、但し着用者は着ているのか一瞬心配になる程の通気性能を発揮する特殊素材で作られた装束。
夏場でも快適に過ごせる事間違い無し。冬はお察し。
店主コメント『肌の露出を嫌う彼女にうってつけ。「着てるでしょ?」って言ってガン見してやりたいわ。』
『夜襲装束(意味深)』…サキュバスパイダーの糸で作られた夜襲装束(意味深)。
これで意中の彼もイチコロ。
店主コメント『奥手の彼女にはぴったりよ。だってあの娘、同じパーティのルディアが好「わー!?わー!?」
「おい、どうした朧!?」
「少年と何やらメモを渡されて確認した時に大声出した様だが、そのメモに何書いてあったのだ?」
「み、見るな!何でも無いっ!」
朧は持っていたメモを木っ端微塵に破く。
メモの断片を見たルディアは朧に告げる。
「通気性かー…これ良いんじゃないか?
お前暑がりだし汗っかきだからか、夏場大変そうにしてるもんな。」
「え?」
「気付いてない様だが、ルディアは色々気遣って暑さ対策とか依頼先の気候に気を付けて選んでたりしてるのだぞ?」
「おい、レオそれは言わなくても良いだろ!」
その話を聞いた後、朧がノアの方に向いて告げる。
「もし、またあの店主に会ったら言っといてくれ!取り敢えず採寸は行く、とね。」
「了解しました。」
その後、朧、レオ、ルディアと別れたノアは武器屋エリアへと向かって行った。
「取り敢えず今度採寸は来るそうですよ。」
「あら~伝えてくれたのね、ありがとー。」
「そりゃ、一応依頼ですからね…でもああいう依頼は今後無しでお願いします。
何でこの街に来て初めて受ける依頼が『特殊性癖を疑われる防具の斡旋』なんだ…」
ノアは猫獣人店主が経営する武器屋のカウンターに項垂れる様に突っ伏す。
「大丈夫大丈夫、今回だけよ。」
「それより、例の反応はどうですか?」
「バッチリよ、これを見て。」
猫獣人の店主がカウンターの上にこの街を中心とした周辺地図を置く。
すると懐から砂(?)が入った小袋を取り出して地図に振り掛ける。
「"我が授けし武具の痕跡をここに示せ"」
店主が何か唱えると散らばっていた砂がある地点に集約したかと思うと、道をなぞる様に進み街の中へと続いていく。
「どうやらもうこの街に入ってきた様ね。」
「それじゃ早速捕まえに行きますか。」
応援ありがとうございます!
26
お気に入りに追加
1,767
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる