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冒険に行……かないので、せめて色々見てみようと思う
第271話:空でもいつもと変わりなく
しおりを挟む「おおぉぉぉ!!」
凄い!空からの風景!絶景かな、絶景かな。
ムンドが飛ぶ高度が予想よりも遥かに高かった。
風も気持ち良い程度にしか感じない。
ムンドが体の周りに何かを纏っているらしく、落ちる心配は無いそうだ。
良かった。落ちたら間違いなく死に戻る。
だからといって、ムンドの頭から尻尾までを駆け回るのはどうかと思うぞ、チビッ子組。
チビッ子……?白虎が混じってるな。
リルも小狼サイズで参加してるし、ヨミも中型犬サイズだし、シズカに合わせたのか?
テラはずっとユズコの頭の上だし、それで良いのか?お前達。
<童達は元気じゃのう>
ユキがオーベから貰ったオヤツを食べながらホホホと笑う。
優雅ではなく、どこか残念感が漂うのは、貰ったオヤツがクリーム入りのドーナツで、口の周りがクリームだらけだからかな……
「ユキ、口の周りを拭こうか」
呼ぶとテテテと寄って来たので、口の周りを拭く。
<ありがとうなのじゃ>
またオーベの横に戻って行く。
まだオヤツ貰う気満々だな。
「ヴィンも食べますか?」
レイがドーナツを差し出してくる。
「いや、別に欲しくて見ていたわけでは……」
なぜショボンとする。耳が伏せてるぞ、レイ。
「……オールドファッションがあれば」
即座に出てきた。準備していたのか?と思うほどの速さで。
まぁ、良いか。いただきます。
<森の中に着地な!>
今度は宣言してから間をおいて、ゆっくりと降下して行く。
学習したようだ。
しかしこの馬鹿デカいムンドが着地できるような場所がそう都合良く……あったな。
森の中にポッカリと。
あれ?でもさすがにちょっと無理が無いか?
<主、背中に乗るが良い>
ガルムに声を掛けられると、レイにヒョイっと乗せられた。
<おぬしはどうする?>
「大丈夫だ。自力で降りる」
レイがムンドからヒラリと飛び降りる。
えぇぇえ!?10メートルはあるぞ!!
次々に皆飛び降りて行く。
ヨミもシズカもユキも躊躇なく飛び降りた。
ユズコも白虎のまま、ピョンと軽く飛ぶ。
テラは、まぁ、元々飛べるしな。
リルは小狼姿のままで飛び降りた。
オーベは、魔法を使ったのかゆっくりと下降して行く。
<主、行くぞ>
ガルムが最後に飛び降りた。
地上から、上空にいるムンドを見上げる。
見ている間にムンドは段々と小さくなっていき、最後はポトリと落ちてきた。
地上に着いた頃には、何と15センチになっていた。
ここまで小さくならなくても良い気がするのだが。
足元に寄って来たムンドを拾い上げた。
「お疲れ様、ありがとうな」
<良いってことよ!>
慣れてきたからか、口調が益々アレになってないか?ムンドさんや。
まぁ、もう良いか。
左の袖へといそいそと入って行くムンド。
それを眺めるオーベ。
多分、ピリリはサイズ変更出来るのかな?とか考えているのだろう。
さてと。
本気でスライムを探そう。
もしくは、スライムを食べつくしてしまう新種か?
それか……スライムを捕まえている誰か。
従魔達が何も言わないあたり、魔物が原因では無い気がする。
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