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第一章
帰り道、どうやら私はドジっ子らしいです。
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刻印の儀を終えて、講堂で待っているミラさんの元へ走っていく。
「ミラさん!刻印いただけましあぁ!?」
ミラさんの少し手前でつまづいて転びそうになるが、ミラさんが私を受け止める。
「ふふふ、スノウ。嬉しいのはわかるけど、ゆっくりでかまわないよ」
「は、はい…」
そう言われて少しはしゃいでいた自分が恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
「それで、どんな刻印になったんだい?」
「あ、えっと…」
「おっと…あとでかまわないよ」
私が服のボタンに手をかけたところで、ミラさんはそっと私の手を押さえた。
そして耳打ちをする。
「ここでは教祖殿がいるからね…さすがに殿方がいる中で肌をさらすのはいけないよ」
そう言われて更に顔が熱くなった。
「それでは教祖殿。世話になった」
「いえいえ、他ならぬミラルド姫様の頼みとあらばいくらでも」
「ありがとう。では失礼する」
「ありがとうございました」
「お二人に、女神様の御加護があらんことを」
私達はあいさつをして、教会を後にした。
「そう言えば、スノウはなんて異能を頂いたんだい?」
「えっと…『形のあるおまじない』っていう異能をいただきました。なんでも触れたことのあるものならなんでも出せて、作ったものに特殊な力を込められるとか」
「ほう…それはもしかしたら、スノウの刻印は特色かもしれないね」
「特色?」
「私が前に話した赤、青、緑、黄、茶の5色以外の色は特殊な異能を持ってる者が多くて、『特色』と呼んでるんだ。私の黒色みたいにね」
へぇ…じゃあ私のは特色に入るのか…。
「特色ってどのくらいの人がいるんですか?」
「そうだな…1000人に1人出るか出ないかという話を聞いたことはあるね」
「えっ!?」
1/1000!?それってめちゃくちゃレアなんじゃ…。
「だからスノウ。あとで刻印の色を確認するけど、あまり人に見せちゃいけないよ?昨日の連中のように人を売り飛ばしたりする心無い者もいるからね。スノウは可愛いし、性格もいいから、すぐに捕まってしまうよ」
そう言ってミラさんは私の頭を撫でる。
これはもしかして、ミラさんは相当な心配性ではないだろうか。
「スノウ、そろそろお腹は空かないかい?」
そう言われれば、確かにお腹が空いてきたかも…。
空腹感が急に大きくなってきたので、お腹がならないようにぐぐぐとお腹をへこませる。
学校のテストの時もよく使っていた手だ。
しかし、私の努力もむなしく、お腹の虫が元気よく泣いてしまった。
さっきから恥ずかしいとこばかり見られる…。
そんな私を見てくすくすとミラさんが笑った。
「今度からお腹の空き具合はスノウのお腹に聞かないとね」
「も、もう!ミラさん!」
「ふふふ、おこっている顔もかわいいよ」
私が軽くミラさんのお腹を叩いていると、揺れて歩きにくかったのか、ノイシュにぶるるると鳴いて怒られるのだった。
「ミラさん!刻印いただけましあぁ!?」
ミラさんの少し手前でつまづいて転びそうになるが、ミラさんが私を受け止める。
「ふふふ、スノウ。嬉しいのはわかるけど、ゆっくりでかまわないよ」
「は、はい…」
そう言われて少しはしゃいでいた自分が恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
「それで、どんな刻印になったんだい?」
「あ、えっと…」
「おっと…あとでかまわないよ」
私が服のボタンに手をかけたところで、ミラさんはそっと私の手を押さえた。
そして耳打ちをする。
「ここでは教祖殿がいるからね…さすがに殿方がいる中で肌をさらすのはいけないよ」
そう言われて更に顔が熱くなった。
「それでは教祖殿。世話になった」
「いえいえ、他ならぬミラルド姫様の頼みとあらばいくらでも」
「ありがとう。では失礼する」
「ありがとうございました」
「お二人に、女神様の御加護があらんことを」
私達はあいさつをして、教会を後にした。
「そう言えば、スノウはなんて異能を頂いたんだい?」
「えっと…『形のあるおまじない』っていう異能をいただきました。なんでも触れたことのあるものならなんでも出せて、作ったものに特殊な力を込められるとか」
「ほう…それはもしかしたら、スノウの刻印は特色かもしれないね」
「特色?」
「私が前に話した赤、青、緑、黄、茶の5色以外の色は特殊な異能を持ってる者が多くて、『特色』と呼んでるんだ。私の黒色みたいにね」
へぇ…じゃあ私のは特色に入るのか…。
「特色ってどのくらいの人がいるんですか?」
「そうだな…1000人に1人出るか出ないかという話を聞いたことはあるね」
「えっ!?」
1/1000!?それってめちゃくちゃレアなんじゃ…。
「だからスノウ。あとで刻印の色を確認するけど、あまり人に見せちゃいけないよ?昨日の連中のように人を売り飛ばしたりする心無い者もいるからね。スノウは可愛いし、性格もいいから、すぐに捕まってしまうよ」
そう言ってミラさんは私の頭を撫でる。
これはもしかして、ミラさんは相当な心配性ではないだろうか。
「スノウ、そろそろお腹は空かないかい?」
そう言われれば、確かにお腹が空いてきたかも…。
空腹感が急に大きくなってきたので、お腹がならないようにぐぐぐとお腹をへこませる。
学校のテストの時もよく使っていた手だ。
しかし、私の努力もむなしく、お腹の虫が元気よく泣いてしまった。
さっきから恥ずかしいとこばかり見られる…。
そんな私を見てくすくすとミラさんが笑った。
「今度からお腹の空き具合はスノウのお腹に聞かないとね」
「も、もう!ミラさん!」
「ふふふ、おこっている顔もかわいいよ」
私が軽くミラさんのお腹を叩いていると、揺れて歩きにくかったのか、ノイシュにぶるるると鳴いて怒られるのだった。
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