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最終章 ~彼らの終着点~

第六百八話 謎は追求しても謎

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「だからシルフィは心配なんだな?」

「はい、もし…万が一…万が一ですよ?カイトが実はまだ生きていて、クルージー家に帰って来ていたら…そう思うと頭が痛くて」

その言葉にミュウは「ぞっ」とする、カイトの彼女達が来た時もそうだが、ミュウは幼い頃から…いやReset前…それよりもずっと前の日本にいた頃からカイトはミュウをずっとストーキングしていた

だからこそシルフィが「もしもの可能性」を話したとしても「それが本当だったら」と考えてしまうのだ

「大丈夫だよ、カイトは俺とミュウで殺したんだ、そうだろ?」

「…うん、この手で…確実に仕留めた筈よ」

筈、と言ってしまうのはどんなにやってもカイトは生きていて、毎度毎度嫌な時に現れてくるからだ

「それはミュウ姉様達から聞きました、本当はあたし達が殺したかったんですが…」

「まぁ1番の因縁の相手は主様とミュウじゃからな、ワシらの出る番ではなかったのじゃよ」

アリア達はカイトと対峙せずに先に進んでいた、そして確実にこの手で倒したのだ、例外はない

「そして俺達はちゃんとアイツの死を確認してから行ったんだ、ミュウやシルフィがそこまで考える様な事じゃないよ」

「まぁカイトの件はそうですが…ですがでは何故能力が残っているんですか?」

何回でも言うがカイトは死んだ、なのに残党達みたいに彼女達が現れて面倒な事に少しなった

シルフィはそのせいで「もしかしたら」とずっと考えてしまうのだ

「洗脳とは違うからじゃないか?」

「洗脳とですか?」

「ああ、洗脳は自ら手を加えて操るけど、好感度は吊り橋効果みたいな感じで相手が自主的に上げるから効果が残るんじゃないか?」

エイトはとある仮説を立てたそれは「吊り橋効果」の要領なのではないか?と言う仮説だ

吊り橋効果と言うのは

不安や緊張から引き起こされたドキドキする感覚を「あなたが好きだからドキドキしている」と錯覚する心理現象から生まれる効果のことで

カイトはそれを無条件で放ち、それによって彼女達が自分の意思で上げているのではないか?と言うものだ

「これだったらミュウ達の好感度が上がらなかった理由になるだろ?」

「確かにね、でもReset前の洗脳の時も私達は効かなかったから、それが答えだとは限らないわね」

そう、ミュウ達はReset前にもカイトの洗脳能力を喰らったことがあったが、全く効かなかったのだ

「まぁエイトさんも"仮説"ですからね」

「そもそも女神アダマスが適当に作ったせいで性能がおかしくなったんじゃないんですか?」

「効果や性能、その効力の調整をやらなかったせいかもなのじゃ」

シルフィの言う通りこれは「仮説」だアリアやエルの様に「女神アダマス」が原因の可能性も十分あるが、その女神も2人とも死んだ為、問いただす事はもう出来ない

「まぁ、俺達がいくら仮説を立てて謎を解き明かそうとしても、それを使った人間カイトがいなかったり、それを渡たす為にいたクソ女神アダマスがいなかったりして、もう解きようがないけどな?」

「…それも、そうね…うん、考えても仕方ないよね!」

エイトの言葉にミュウは「みゅ」と言って頷く本当にその通りだ、カイトの事を考えても意味はないし、能力についても、もう彼女達が現れる事はないのだ

「シルフィも もしもの可能性ばっかり考えてないで俺達の事を信じてくれよ」

「…そうですね、エイトさんが私達を騙す様な事はしませんもんね」

シルフィもまだ「もやもや」があると思うが、これ以上考えて意味がないので、「こう言うもんだと」納得する

「アリアとエルもそれでいい?」

「あたしは元々大丈夫ですよ、来たとしても殺せばいいので」

「ワシも同意じゃ、あんなカスにワシらが負ける訳ないのじゃ」

アリアとエルもエイトの言葉に納得して、改めてミュウの実家に赴く為に帰路に着いた

——————————————————————
Qシルフィは何故不安がった?

Aカイトのストーキング力がヤバかったのでまだいるのではないか?と不安だった

また、能力の効果が残っている為、生きているのでは?とも考えていた

Q結局カイトの能力は?

Aエイト達は知りませんが、Reset後の世界の能力は「Reset前の世界で洗脳した女性達の好感度をMAXにさせる能力」であり

効果が残っているのはエイトの言う通り「洗脳」ではなくてあくまでも「自分の意思」の為、効果が残っていた

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