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080:孤児達の戦い2
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降り立ったダンジョン一層の風景に、皆やはり口々に驚きの声をあげている。
まだ何日も経っていないが、皆の反応は僕にとって既に懐かしい物になっていた。
(僕も随分ダンジョンに馴れたな)
僕にとってここは既に生活の場となっていた。
「さっ! 行きましょう。最初の目標は、あの遠くに見える木よ」相変わらず気合いの入ったサラが先頭を歩き、僕がいつも目印にしている木に向かって歩き出した。
「は~い」いつの間にか現れたフィーネが、サラの頭の上で気の抜けた返事を返している。
キャロとシルフィーは楽しそうに話してるのに比べ、他の三人も色々話しているようだが緊張の色が見える。
最初のダンジョンの感動から醒め、現実に戻って、これからの初めての狩りに緊張し始めたのだろう。
三人には言ってないが、一層のレッサーラビットと下級精霊のシルフィーが戦闘になれば、短時間で戦いは終るのではないかと思っている。
実際のところ、シルフィーやフィーネの戦っている所を、見た訳ではないが初戦のディーネの【スプラッシュアロー】の威力を下回る事は無いだろうという判断だった。
(皆には悪いけど、楽しみだな)
そんな事を考えながら皆の後ろを付いていく僕だった。
◻ ◼ ◻
木の側に到着した僕達は、狩りの準備と確認を始めた。ルナがポーチから盾を取り出した。
木材の板を組み合わせて作った盾は大型で、ルナが両手で持ち手を持って動かすのが精々で、取り回しなど考慮されていない。
僕が頑丈さ優先で作って貰った結果だ。木材に鉄の板を打ち付け、更にレッサーボアの皮を内張りしている。強度的にはウサギの攻撃に十分耐えれると思われた。
三人は各々、盾を持ちキャロを三方向から囲むように準備した。前面をティム、左右をそれぞれ、ルナとリーゼが担当する。
敵の動きにあわせて盾を動かすのではなく、固定する形になる。盾というより、壁と言ったほうが適切かもしれない。
「準備はいいかしら!」シルフィーが三人に確認すると「はい! 大丈夫いけます!」ティムのしっかりした返事が返ってきた。
「大丈夫、任せて!」活発そうなリーゼの声と「はい、お願いします!」普段は大人しいが、いざという時は意外と行動力のあるルナも良い返事だ。
シルフィーから魔力の流れが四人に向かって伸びた。恐らく風の防御魔法【ウィンドウォール】だど思われる。魔力の気流のような物が周囲にたちこめているのが見える。
「初めの一撃は手加減するから、ウサギの攻撃を受けて貰うわね!」これは打ち合わせで、皆で決めた事だ。
四人とも戦闘経験もなければ、訓練をした事もない純粋な素人なのだ、敢えて危険を犯す必要も無いと思ったのだが、「やれるという自信を付けたいんです」
ティムの真剣な表情に、他の二人も頷いて同意したので、実施する事にしたのだ。
ダンジョンでやっていくんだから、甘い事ばかり言ってられないのも事実だった。
シルフィーが近くにいる段階でレッサーラビットは既に警戒状態だった。
(やはり、シルフィーはレッサーラビットからすれば脅威の存在なんだな)
僕とサラは不慮の事態を考え、直ぐに割って入れるよう待機している。
「行くわよ!」シルフィーは、そう言うと【風刃】を放ったのだった。
まだ何日も経っていないが、皆の反応は僕にとって既に懐かしい物になっていた。
(僕も随分ダンジョンに馴れたな)
僕にとってここは既に生活の場となっていた。
「さっ! 行きましょう。最初の目標は、あの遠くに見える木よ」相変わらず気合いの入ったサラが先頭を歩き、僕がいつも目印にしている木に向かって歩き出した。
「は~い」いつの間にか現れたフィーネが、サラの頭の上で気の抜けた返事を返している。
キャロとシルフィーは楽しそうに話してるのに比べ、他の三人も色々話しているようだが緊張の色が見える。
最初のダンジョンの感動から醒め、現実に戻って、これからの初めての狩りに緊張し始めたのだろう。
三人には言ってないが、一層のレッサーラビットと下級精霊のシルフィーが戦闘になれば、短時間で戦いは終るのではないかと思っている。
実際のところ、シルフィーやフィーネの戦っている所を、見た訳ではないが初戦のディーネの【スプラッシュアロー】の威力を下回る事は無いだろうという判断だった。
(皆には悪いけど、楽しみだな)
そんな事を考えながら皆の後ろを付いていく僕だった。
◻ ◼ ◻
木の側に到着した僕達は、狩りの準備と確認を始めた。ルナがポーチから盾を取り出した。
木材の板を組み合わせて作った盾は大型で、ルナが両手で持ち手を持って動かすのが精々で、取り回しなど考慮されていない。
僕が頑丈さ優先で作って貰った結果だ。木材に鉄の板を打ち付け、更にレッサーボアの皮を内張りしている。強度的にはウサギの攻撃に十分耐えれると思われた。
三人は各々、盾を持ちキャロを三方向から囲むように準備した。前面をティム、左右をそれぞれ、ルナとリーゼが担当する。
敵の動きにあわせて盾を動かすのではなく、固定する形になる。盾というより、壁と言ったほうが適切かもしれない。
「準備はいいかしら!」シルフィーが三人に確認すると「はい! 大丈夫いけます!」ティムのしっかりした返事が返ってきた。
「大丈夫、任せて!」活発そうなリーゼの声と「はい、お願いします!」普段は大人しいが、いざという時は意外と行動力のあるルナも良い返事だ。
シルフィーから魔力の流れが四人に向かって伸びた。恐らく風の防御魔法【ウィンドウォール】だど思われる。魔力の気流のような物が周囲にたちこめているのが見える。
「初めの一撃は手加減するから、ウサギの攻撃を受けて貰うわね!」これは打ち合わせで、皆で決めた事だ。
四人とも戦闘経験もなければ、訓練をした事もない純粋な素人なのだ、敢えて危険を犯す必要も無いと思ったのだが、「やれるという自信を付けたいんです」
ティムの真剣な表情に、他の二人も頷いて同意したので、実施する事にしたのだ。
ダンジョンでやっていくんだから、甘い事ばかり言ってられないのも事実だった。
シルフィーが近くにいる段階でレッサーラビットは既に警戒状態だった。
(やはり、シルフィーはレッサーラビットからすれば脅威の存在なんだな)
僕とサラは不慮の事態を考え、直ぐに割って入れるよう待機している。
「行くわよ!」シルフィーは、そう言うと【風刃】を放ったのだった。
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