アーク・キングダム~【悲報】勇者パーティから追放され、最難関ダンジョン『魔王城』で迷子になる【嘘のような話】
「前からお前が気に入らなかったんだ。剣聖にもなれないお前は勇者パーティに相応しくない。追放だ!」最難関ダンジョンと名高い魔王城で起こった、突然の追放宣言。追放を言い渡したのは、剣士であるノアが所属するパーティリーダの勇者。王国の公爵令息でレアスキルを授かった正真正銘本物の勇者は、魔王四天王の一角である巨大黒龍との遭遇で陥った窮地でノアを切り捨てた。最後に勇者を逃がすための囮になって死ねと無情の命を下す人類の希望にノアは反発するが、どうすることもできなかった。「絶対生き延びて勇者の鼻を明かしてやるッ!」それでも諦めないノアは、人生最大の窮地に死力を尽くし、何とか逃げ延びることに成功するが、待っていたのはまさかの迷子という運命。最難関ダンジョンは、同時に広大な迷宮でもあり、その脅威が容赦無くノアに襲いかかる。だが、世界で一番勇名な魔王城で迷子になった者は、何もノアだけでは無かったようで―― 「あれ、聖女様も、シスターも迷子なんですか?!」魔王城というダンジョンの中で迷子達が運命的な出会いを果たし、協力して生き抜いていくことに。だが、住み着いてみれば案外快適だった魔王城。「魔王城って、もしかして快適?」住めば都とはよく言ったもの。真の強者は力の強い者では無く、適応力の高い者なのだ。何故か迫り来るメイドな暗殺者?から逃れ、可愛らしい剣聖?を退けながらの魔王城ライフが、今、始まる―― という、嘘のような話。
第一章 赤いゼラニウム
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