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025:託されたもの

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 相談を終えたらしい三人が、僕の前に立ちゼダさんが代表して話しだした。

「俺達三人は若い駆け出しの頃にラロルフさんにとても世話になった。その孫が探索者になったんだ、俺達からも何かさせて貰いたい。といっても使い古しの骨董品ばかりで、売っても買い手はつかねえような今時の狩りには使われなくなったようなもんばかりだ……だが坊主なら役に立つはずだ」

ゼダさんの話しが終わると、ドルフさんが一歩前に出て、

「まずは俺からだ、三人の中じゃおれが一番小柄だからな。坊主の体格に合いそうなのは、俺のファングボアの革製のレザージャケットとハーフパンツぐらいだ」

 そう言うとポーチから古い上下の防具を出してきた。

「レッサーボアの皮なら大量に出回っていて安くついたんだが、魔素容量不足で強化の転写魔法陣が刻印できねえらしい。俺はこれでも両手大剣の使い手で防御無視でやってたからな、強化がねえと防具の消耗が酷い事になっちまう」

 そう言って僕に黒い防具を手渡した。

 それを見計らってザザさんが交代して前にでた。「俺のは手袋と足防具だ! 柔らかくて伸縮性が高いファングウルフの革で出来ている! ある程度、装着者に合わせてサイズを絞れる。同じく強化付きだ!」

 渡されたのは、焦げたような茶色の防具だ。

 最後にゼダさんが持っていたのは、少し黒味を帯びた小型の鉄の板のようなものだった。

「最後は俺だな、この鉄板は盾だ、装着用のベルトで腕に付け裏についている取っ手部分を握る。盾の面積は狭いが受け止めるのではなく弾く使い方をする。黒魔鉄の粉末を混ぜた鉄で作られた純粋な黒魔鉄の盾の劣化品だが……粉末のお陰で強化の転写魔法陣が裏に刻印されている」

そしてゼダさんは、黒い革製のアイテムポーチを差し出してきた。

「坊主が持っているポーチはこれにしまっておけ、見る者が見ればバレる。俺が渡した奴は、普及品だから珍しいものじゃない使うならそれにしとけ。そいつでもウサギ一匹位は入るからな」

 どうやら僕のポーチは使わなくてもバレるものだったらしい。

 あまりにも沢山の物を渡されて、僕が困惑していると、ゼダさんが

「受け取れませんとか言いたげな顔をしているが、それは貸すだけだ。いずれお前が自分の力で必要な物を揃えろ。そして、壊れててもボロボロになっててもいいから俺達にお前自身の手で生きて返しに来い」

 ザザさんが「俺達がおっ死んじまう前に返しにこいや!」といえば、ドルフさんが「ザザが死んでたら、その防具、オメエが墓に埋めてやれ」とまぜっかえした。

 僕はもう余計な事は言わず、ただ黙って三人に頭を下げて感謝した。
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