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十三話
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「やーだ♡」
と、ルーナは満面の笑みを浮かべてシセルの告白をぶった斬る。
「え……?」
完全に予想外の返答であった為……脳の処理が追い付かずに放心してしまったシセル。そんな彼の様子を見て、ルーナは満足そうにクスクスと笑っていた。
「ふふっ……シセル。そんなヒドい顔して、どうしたの~?」
「え、いや……どうしたの……って、ルーナこそ……俺の事が、その……好きなんじゃないのか!?」
「ん~? 勿論好きだよ~!」
「な、なら、どうして……?」
ルーナは少し考える素振りを見せた後、ニヤニヤとしながらそんな事を言い始める。
「だってぇ……シセルのソレって、私の事が好きなんじゃなくて……責任取りたいから付き合いたいって事だよね♪」
瞬間、シセルの脳に衝撃が……というかもはや電撃が走った。
「……ぁ」
「勝手に責任取って、勝手に罪滅ぼしをしたいってコトだもんね~♪」
「……ぁぁッ!」
「だから『恋人になってくれ』って……ぜ~んぶ自分の事しか考えてないただの自己中人間だよね~!」
「……ぁぁあ"ッ!」
ルーナの言葉は全て図星だった為、その全てがシセルの心に……魂に刺さり、大ダメージを与えられてしまう。
「私はそれを認めない。責任を取るからなんて理由で、シセルが私に告白するのを……認めない」
──それを受け入れる私を認めない。
と、何かを決意したかのような表情のまま、そう静かに零すルーナ。
「ッがぁ! 最後の方は良く聞こえなかったが、なるほど……俺がルーナに向けてしまった言葉は……こんなにも心が痛くなるモノだったのか。ぐふっ……」
「でも……」
「ぅあー……?」
もはや人の言葉を話せそうにないシセルを無視して、ルーナは話を続ける。
「私もそうだったから……おあいこ、だね?」
先程のニヤニヤとした表情は無くなり、少し申し訳なさそうにシセルへと顔を向けるルーナ。
「自分が好きになったからって、無理やりそれを押し付けようとしちゃった……だからさ、シセルはまだ私と恋人にならなくてもイイよ?」
「……」
徐々に思考が戻って来たシセルは、ただのバカのような逝ってしまっていた顔面を元に戻し、真剣に話を聞くことに専念する。
「シセルが私の事を好きになってくれるように頑張るから! 『俺と会わずに』なんて突き放すんじゃなくて……」
「……っ!」
ここまで……まるで冷静かのように振舞っていたのが嘘のように声を震わせて。溜まる涙を零さないようにと目を見開いて。
「私の事も『友達』として、一緒に居て貰えませ……んか?」
綺麗な顔をくしゃくしゃにしながら、シセルへ向けてそう懇願するルーナ。幾ら母親の英才教育を受けたからと言っても、ただの一人の少女である。その姿を見て、シセルは自身の発言を深く後悔した。
(何故……俺は、何故もっと考えなかったんだッ! 何故もっとルーナの事を思いやれなかった! 所詮子供だから大して考えてないだろうなどと人を見下していたんだッ! ……どうやったら俺は、今のルーナを元気付けてやれる?)
──どうやったら友達と仲直りする事ができるッ!
脳をフル回転させて、頭を抱えたまま俯くシセル。
──果たしてこのまま『そうだね、一緒に居よう』などと言えば良いのだろうか。相手が求めている言葉を、その通りに言うだけで?
「ごめんルーナ」
──自分せいで泣いているこの少女に対して、一体何様のつもりでそのような言葉を吐けるのかッ!
と、自身の心と思考が纏まったシセルは……ルーナの両肩を勢い良く掴んで、近くにある木製のベンチへと無理矢理座らせる。
「……ッ」
断られたと思ったのか……ルーナの目から、堪えていた涙が零れ落ちる。
「俺は今すぐ責任を取りたいとか、今すぐ罪滅ぼしをしたいって思ってる自己中人間で……人としてオワってるっていうのは事実だ……でも」
「……?」
どうやらただ断られた訳ではないと分かったのか、まだ耐える事ができている感情の決壊を……必死に抑えて耳を傾けるルーナ。
「俺は今すぐ友達と……俺の、初めての友達と仲直りがしたいッ! なぁルーナ、これからも友達として……俺と一緒に居てくれないか?」
──シセル・ユーナスとしてではなく、その中身……岸山鳴海である自分自身がッ! という意味を込めて手を差し出すシセルの事を……潤んだままの瞳で見つめるルーナ。溢れだしそうな気持ちを抑えるように……唇を震わせたまま何も喋る事が出来ない様子だ。
「──ぅん」
そう答えた後、先程まで抑えていた感情とは別のモノによって……涙を零れさせながらも自身の気持ちを伝える為、シセルの身体を力強く抱き締める。
「……ぐおぉ……強ォ! ……ルー、ナ! 俺、達は……グハッ! ……これからも、友達だ……ぞッ! ……またメキメキ言っとるメキメキ言っとる!」
……シセルとルーナの関係が始まったそれを再び行う事で、互いを再確認し……より強固な絆を育む二人。
「う"ん"っ! 私とシセルは……これからもずっと……ずぅっっと友達!」
(大分念押しするな……え、そんなにずっと友達のままなん? 違うよね? 俺が本当にルーナの事を好きになれた時は付k)
「約束だからッ!」
「あぁ、約束だッ!」
あまりにも『ずっと』という部分を強調するルーナに不安感を覚え、そのような事を考え始めるシセルだが……そんな思考を中断させる程の勢いで叩きつけられた言葉に、脊髄反射で肯定の意志を見せる。
──そうして泣きながら抱き合う二人を横で見ていたレア……そして、その更に遠くから映像記録媒体を用いて全てを聞いていた人間二人は、涙を流しながら『良がっだ良がっだ』と言葉を繰り返すのだった。
と、ルーナは満面の笑みを浮かべてシセルの告白をぶった斬る。
「え……?」
完全に予想外の返答であった為……脳の処理が追い付かずに放心してしまったシセル。そんな彼の様子を見て、ルーナは満足そうにクスクスと笑っていた。
「ふふっ……シセル。そんなヒドい顔して、どうしたの~?」
「え、いや……どうしたの……って、ルーナこそ……俺の事が、その……好きなんじゃないのか!?」
「ん~? 勿論好きだよ~!」
「な、なら、どうして……?」
ルーナは少し考える素振りを見せた後、ニヤニヤとしながらそんな事を言い始める。
「だってぇ……シセルのソレって、私の事が好きなんじゃなくて……責任取りたいから付き合いたいって事だよね♪」
瞬間、シセルの脳に衝撃が……というかもはや電撃が走った。
「……ぁ」
「勝手に責任取って、勝手に罪滅ぼしをしたいってコトだもんね~♪」
「……ぁぁッ!」
「だから『恋人になってくれ』って……ぜ~んぶ自分の事しか考えてないただの自己中人間だよね~!」
「……ぁぁあ"ッ!」
ルーナの言葉は全て図星だった為、その全てがシセルの心に……魂に刺さり、大ダメージを与えられてしまう。
「私はそれを認めない。責任を取るからなんて理由で、シセルが私に告白するのを……認めない」
──それを受け入れる私を認めない。
と、何かを決意したかのような表情のまま、そう静かに零すルーナ。
「ッがぁ! 最後の方は良く聞こえなかったが、なるほど……俺がルーナに向けてしまった言葉は……こんなにも心が痛くなるモノだったのか。ぐふっ……」
「でも……」
「ぅあー……?」
もはや人の言葉を話せそうにないシセルを無視して、ルーナは話を続ける。
「私もそうだったから……おあいこ、だね?」
先程のニヤニヤとした表情は無くなり、少し申し訳なさそうにシセルへと顔を向けるルーナ。
「自分が好きになったからって、無理やりそれを押し付けようとしちゃった……だからさ、シセルはまだ私と恋人にならなくてもイイよ?」
「……」
徐々に思考が戻って来たシセルは、ただのバカのような逝ってしまっていた顔面を元に戻し、真剣に話を聞くことに専念する。
「シセルが私の事を好きになってくれるように頑張るから! 『俺と会わずに』なんて突き放すんじゃなくて……」
「……っ!」
ここまで……まるで冷静かのように振舞っていたのが嘘のように声を震わせて。溜まる涙を零さないようにと目を見開いて。
「私の事も『友達』として、一緒に居て貰えませ……んか?」
綺麗な顔をくしゃくしゃにしながら、シセルへ向けてそう懇願するルーナ。幾ら母親の英才教育を受けたからと言っても、ただの一人の少女である。その姿を見て、シセルは自身の発言を深く後悔した。
(何故……俺は、何故もっと考えなかったんだッ! 何故もっとルーナの事を思いやれなかった! 所詮子供だから大して考えてないだろうなどと人を見下していたんだッ! ……どうやったら俺は、今のルーナを元気付けてやれる?)
──どうやったら友達と仲直りする事ができるッ!
脳をフル回転させて、頭を抱えたまま俯くシセル。
──果たしてこのまま『そうだね、一緒に居よう』などと言えば良いのだろうか。相手が求めている言葉を、その通りに言うだけで?
「ごめんルーナ」
──自分せいで泣いているこの少女に対して、一体何様のつもりでそのような言葉を吐けるのかッ!
と、自身の心と思考が纏まったシセルは……ルーナの両肩を勢い良く掴んで、近くにある木製のベンチへと無理矢理座らせる。
「……ッ」
断られたと思ったのか……ルーナの目から、堪えていた涙が零れ落ちる。
「俺は今すぐ責任を取りたいとか、今すぐ罪滅ぼしをしたいって思ってる自己中人間で……人としてオワってるっていうのは事実だ……でも」
「……?」
どうやらただ断られた訳ではないと分かったのか、まだ耐える事ができている感情の決壊を……必死に抑えて耳を傾けるルーナ。
「俺は今すぐ友達と……俺の、初めての友達と仲直りがしたいッ! なぁルーナ、これからも友達として……俺と一緒に居てくれないか?」
──シセル・ユーナスとしてではなく、その中身……岸山鳴海である自分自身がッ! という意味を込めて手を差し出すシセルの事を……潤んだままの瞳で見つめるルーナ。溢れだしそうな気持ちを抑えるように……唇を震わせたまま何も喋る事が出来ない様子だ。
「──ぅん」
そう答えた後、先程まで抑えていた感情とは別のモノによって……涙を零れさせながらも自身の気持ちを伝える為、シセルの身体を力強く抱き締める。
「……ぐおぉ……強ォ! ……ルー、ナ! 俺、達は……グハッ! ……これからも、友達だ……ぞッ! ……またメキメキ言っとるメキメキ言っとる!」
……シセルとルーナの関係が始まったそれを再び行う事で、互いを再確認し……より強固な絆を育む二人。
「う"ん"っ! 私とシセルは……これからもずっと……ずぅっっと友達!」
(大分念押しするな……え、そんなにずっと友達のままなん? 違うよね? 俺が本当にルーナの事を好きになれた時は付k)
「約束だからッ!」
「あぁ、約束だッ!」
あまりにも『ずっと』という部分を強調するルーナに不安感を覚え、そのような事を考え始めるシセルだが……そんな思考を中断させる程の勢いで叩きつけられた言葉に、脊髄反射で肯定の意志を見せる。
──そうして泣きながら抱き合う二人を横で見ていたレア……そして、その更に遠くから映像記録媒体を用いて全てを聞いていた人間二人は、涙を流しながら『良がっだ良がっだ』と言葉を繰り返すのだった。
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