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3.半裸・ノーブラ会議
羽理セレクト
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さぁ、風呂から上がろうと扉を開けたら何故か目の前に裸の羽理がいて、何が何だか分からなくて戸惑ったのだと言う。
「っていうか普通それ、一番に聞くことだよな? 荒木、お前ホント変わってるわぁ」
なんて、しみじみ言われたのを無視して、羽理は思わず問いかけていた。
「あのっ。部長ってもしかしてまだ童貞さんで……なおかつ魔法が使えちゃったりなんか……」
「しねぇわ! それに……童貞でもねぇ!」
三〇歳まで童貞だと魔法が使えるようになると言うボーイズラブものの漫画を読んだことがあるけれど、どうやら部長様はそうではないらしい。
(女性経験もあるみたいだし!)
自分から言わせたも同然なのに、眼前の美丈夫が誰かとエッチなことをしたことがあるんだと思ったら、何となくムカッとしてしまった羽理だ。
(私はまだなのに!)
理不尽なことを思ってプンスカしている羽理をよそに、屋久蓑大葉は頭を悩ませている様子で。
「なぁ、荒木。一つ相談なんだが……」
ややして、羽理は屋久蓑からコンビニで手に入るだけの身に付けられそうなものを買って来て欲しいとお願いされた。
***
脱衣所で一旦外へ着ていけそうな服に着替えた羽理が、近所のコンビニ『セレストア』で買ってきてくれたモノは以下の通り。
・クルーソックス
・Tシャツ
・トランクス
・黒いつっかけサンダル
・レインポンチョ
全て大葉のリクエスト通り男物のLLサイズだったのだけれど。
「ズボンはなかったのか」
「残念ながら」
仕方なく、Tシャツとトランクスを身に着けてみたものの……。
「これに靴下履いたら死ぬほどアンバランスだろ」
想像しただけで余りのシュールさに自分でも笑えてしまう。
まぁサンダルは外を歩くのに必要だとして、ソックスとレインポンチョは何のために買ってきた!?と思ってしまった大葉だ。
「レインポンチョ羽織ったら色々誤魔化せませんかね!?」
ポンチョを片手に眉根を寄せる大葉へ、羽理がワクワクした様子で大葉の手元を指さしてくる。
「いや、雨も降ってねぇのにこんなん着てたら怪しさに拍車を掛けるだけだろ」
警察から職務質問なんて受けようものなら、ポンチョの下はズボンなしのトランクス。
変質者認定されてお縄になること請け合いではないか。
本来ならば適当な衣服に身を包んで、とりあえずタクシーで自宅まで帰ろうと思っていた大葉だけれど。
さすがにこれは、と思って……。
「なぁ、荒木。迷惑ついでにもう一つ聞いてみるんだが……お前車とか」
「持ってますよぅ? イエローがまぶしいビタミンカラーのダイハチュのコッペンちゃんです」
それはツーシートのオープンカータイプの軽自動車の名だ。
「もちろんルーフは閉まるよな?」
「閉まりますけど今の時期はフルオープンも気持ちいいです!」
一応スポーツカーと言う部類の車なので、街中を颯爽と走るならば確かにルーフなしも気持ちいいだろう。
だが――。
「ちゃんと礼はするから、しっかりルーフを閉ざした状態でうちまで乗せて帰ってもらえないだろうか」
この姿で外へ出るとなると、なるべくなら密閉空間にしてもらえた方が有難いと思ってしまった大葉だ。
「えっ。いいですけど……高くつきますよぅ!?」
今買ってきてもらったモノたちも、裸一貫でワープしてきた(?)大葉のために、羽理が立て替えて買ってきてくれたものばかり。
ニヤリと笑って大葉を見詰めてくる羽理に、元より大葉はケチるつもりなんてない。
「まぁそれは任せておけ。フルコースのディナーでも何でも食わせてやろうじゃないか」
「本当ですかっ!?」
「ああ。だが、原因が不明な限り、お前がうちに飛ばされてくることもあるかも知れんと思って動けよ?」
ククッと笑った大葉に、羽理がサァーッと青褪めて。
ササッと隣室へ走り去ってしまう。
「お、おい、荒木っ!?」
何事だろうかと思っていたら、羽理がアパレルブランドの袋に何やら詰め込んで戻ってきた。
「これっ。部長の家に置かせて下さい! ――あ、でも……勝手に中見たらしばき倒しますよ⁉︎」
「はぁっ!?」
いきなり一体何だ、と思った大葉に、「し、下着とか着替えとか一式入ってます。もしものとき、屋久蓑部長みたいにぶっちゃいくな格好になるのは嫌ですから!」とか。
「いや、待て! これ、全部お前チョイスだからな!?」
思わず大葉がそう言ったら、「ポンチョと靴下を身に着けてくれてないから、私チョイスではありません!」と即答されて。
「いやっ。逆にそれ、全部身に付けたらもっとおかしなことになってるからな!?」
そう返しながらも、大葉は自宅へ無事辿り着けたら、自分も同じように羽理へ着替えを一式預けておこうと心に誓った。
「っていうか普通それ、一番に聞くことだよな? 荒木、お前ホント変わってるわぁ」
なんて、しみじみ言われたのを無視して、羽理は思わず問いかけていた。
「あのっ。部長ってもしかしてまだ童貞さんで……なおかつ魔法が使えちゃったりなんか……」
「しねぇわ! それに……童貞でもねぇ!」
三〇歳まで童貞だと魔法が使えるようになると言うボーイズラブものの漫画を読んだことがあるけれど、どうやら部長様はそうではないらしい。
(女性経験もあるみたいだし!)
自分から言わせたも同然なのに、眼前の美丈夫が誰かとエッチなことをしたことがあるんだと思ったら、何となくムカッとしてしまった羽理だ。
(私はまだなのに!)
理不尽なことを思ってプンスカしている羽理をよそに、屋久蓑大葉は頭を悩ませている様子で。
「なぁ、荒木。一つ相談なんだが……」
ややして、羽理は屋久蓑からコンビニで手に入るだけの身に付けられそうなものを買って来て欲しいとお願いされた。
***
脱衣所で一旦外へ着ていけそうな服に着替えた羽理が、近所のコンビニ『セレストア』で買ってきてくれたモノは以下の通り。
・クルーソックス
・Tシャツ
・トランクス
・黒いつっかけサンダル
・レインポンチョ
全て大葉のリクエスト通り男物のLLサイズだったのだけれど。
「ズボンはなかったのか」
「残念ながら」
仕方なく、Tシャツとトランクスを身に着けてみたものの……。
「これに靴下履いたら死ぬほどアンバランスだろ」
想像しただけで余りのシュールさに自分でも笑えてしまう。
まぁサンダルは外を歩くのに必要だとして、ソックスとレインポンチョは何のために買ってきた!?と思ってしまった大葉だ。
「レインポンチョ羽織ったら色々誤魔化せませんかね!?」
ポンチョを片手に眉根を寄せる大葉へ、羽理がワクワクした様子で大葉の手元を指さしてくる。
「いや、雨も降ってねぇのにこんなん着てたら怪しさに拍車を掛けるだけだろ」
警察から職務質問なんて受けようものなら、ポンチョの下はズボンなしのトランクス。
変質者認定されてお縄になること請け合いではないか。
本来ならば適当な衣服に身を包んで、とりあえずタクシーで自宅まで帰ろうと思っていた大葉だけれど。
さすがにこれは、と思って……。
「なぁ、荒木。迷惑ついでにもう一つ聞いてみるんだが……お前車とか」
「持ってますよぅ? イエローがまぶしいビタミンカラーのダイハチュのコッペンちゃんです」
それはツーシートのオープンカータイプの軽自動車の名だ。
「もちろんルーフは閉まるよな?」
「閉まりますけど今の時期はフルオープンも気持ちいいです!」
一応スポーツカーと言う部類の車なので、街中を颯爽と走るならば確かにルーフなしも気持ちいいだろう。
だが――。
「ちゃんと礼はするから、しっかりルーフを閉ざした状態でうちまで乗せて帰ってもらえないだろうか」
この姿で外へ出るとなると、なるべくなら密閉空間にしてもらえた方が有難いと思ってしまった大葉だ。
「えっ。いいですけど……高くつきますよぅ!?」
今買ってきてもらったモノたちも、裸一貫でワープしてきた(?)大葉のために、羽理が立て替えて買ってきてくれたものばかり。
ニヤリと笑って大葉を見詰めてくる羽理に、元より大葉はケチるつもりなんてない。
「まぁそれは任せておけ。フルコースのディナーでも何でも食わせてやろうじゃないか」
「本当ですかっ!?」
「ああ。だが、原因が不明な限り、お前がうちに飛ばされてくることもあるかも知れんと思って動けよ?」
ククッと笑った大葉に、羽理がサァーッと青褪めて。
ササッと隣室へ走り去ってしまう。
「お、おい、荒木っ!?」
何事だろうかと思っていたら、羽理がアパレルブランドの袋に何やら詰め込んで戻ってきた。
「これっ。部長の家に置かせて下さい! ――あ、でも……勝手に中見たらしばき倒しますよ⁉︎」
「はぁっ!?」
いきなり一体何だ、と思った大葉に、「し、下着とか着替えとか一式入ってます。もしものとき、屋久蓑部長みたいにぶっちゃいくな格好になるのは嫌ですから!」とか。
「いや、待て! これ、全部お前チョイスだからな!?」
思わず大葉がそう言ったら、「ポンチョと靴下を身に着けてくれてないから、私チョイスではありません!」と即答されて。
「いやっ。逆にそれ、全部身に付けたらもっとおかしなことになってるからな!?」
そう返しながらも、大葉は自宅へ無事辿り着けたら、自分も同じように羽理へ着替えを一式預けておこうと心に誓った。
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