かあさんのつぶやき

春秋花壇

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80 近況報告

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鈴虫がりーんりーん。

透明感のある耳に心地よい音を奏でている。

橙色の灯火がノスタルジックに初秋の公園を染めていく。


最期にこの小説を更新してから随分と時間がたった。

当然のようにかあさんは、年を取る訳だから身体的には

老いへとまっしぐらなんだけど、精神的には以前のような

重いうつ症状とか解離とかアディクションはないから安定した状態が続いていると思う。



あああ、違う。

アディクションがないなんて、おおちがまいだ。

母さんも俺も極度のニコチン依存症で煙草に使う金が二人で月に5万以上。

もう、普通に生活できない。

止めようとするんだけど、3Dに犯されてしまう。

「でも…」「だって…」「どうせ…」

何とも情けない状態。

そして、お決まりの先延ばし。


何でたばこだけが手つかずなんだろう。

「アルコール依存症者に子供を産む資格はない」

とまで産婦人科医に言わるほど、かあさんのアルコール依存症はどうしようもない状態だったのに、

今はほとんど問題がない。

女性のリハビリ施設に1年以上も俺達を預けて入寮するほど、深刻な問題だったのにね。

真剣に求めれば、禁煙できるのかな?

かあさんは、たばこを6年辞めていて、俺が不登校になった時に

再飲酒して、父が枕元に置いていたたばこに寝ぼけて手を付けて

それっきり、この問題を克服できないでいる。

妹が母さんと一緒に住んでいた時には、家の中では喫煙しなかったから

まだ一日一箱ですんでいたらしい。

彼女がお嫁に行ってから、何時の間にか家の中でも吸うようになり

現在は一日に二箱。

俺も一緒になって吸うもんだから、もう家の中は煙で茶けちゃってるぜ。

恐ろしいのは、押し入れの中にしまってある衣類まで茶色くなってしまって

(どんだけーーー)

って思っちゃう。

母さんは真剣に努力しようとして、たばこの害とか辞め方とか調べているんだけど

どうにもならないんだよな。

俺達の通っている国立の精神病院には禁煙外来もあるから、

今度受診してみようかな。

何か重症のアディクションを克服しようとするとき、

物凄い精神力というか生命力が必要だと思う。

それが、やめたいのに動けないということは足らない、又は全くない。

と、結論してもいいのかも知れないとかいって

またひのばしにする理由を捜してるんだよな。

まったく、煮ても焼いても食えないオワコンです。

もう、家の中喫煙禁止------。

まったく、チェーンスモーカーなんだから。

ぱっぱかぱっぱか、お馬さんじゃないっていうの。

公園でも散歩して来なさい。

そこで吸っておいで、ゆっくり。

そして、いえのなかはきんしーーーーーーーー。

豚箱(留置場)で選ぶタバコ

タバコの束買うて!

『下駄箱に何が入ってるかな・・・・・ ?
> げっ、タバコだっ !! 』

数週間は抜けない、タバコを吸う習慣。

すいません・・・。タバコは吸いません。
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