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第六章。修羅場の行く末。5
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「……うん」
未来が見えない社長との不倫より私の気持ちに近い、稲葉先輩なら幸せにしてくれるかもしれない。なのに……まだ心が揺らいでいた。
「まだ迷っているの?」
ハッキリしない私。社長と稲葉先輩の間で揺らいでいた。揺らぐ必要もないのに。
「なら、お試しで付き合ってみたら? 稲葉先輩と」
香奈子がサラリと凄い事を言ってくる。はぁっ? お試し……稲葉先輩と⁉
彼女の言葉に驚いてしまった。
「試しに付き合ってみて、それでもダメならやめればいいじゃない? もしかしたら気持ちがハッキリするかも知れないし」
「確かに……それも一理あるわね。違う男性に目を向けて見るのも大切なことよね。男性は社長さんだけではないのだし。もしかしたら何か見えるかも知れないわよ?」
恵美も香奈子の意見に賛成する。違う男性にか……。
確かにそうかも知れない。社長に関わってばかり居るから惑わされるだけで、たまには違う視点から見るのも大切なのかもしれない。私は改めて気づかされた。
それから二日後。そのことを考えながら会社に出勤すると社長が、すぐさま悪かったと謝ってくれた。この前のことで社長とは顔を合わせにくいが、仕事なので嫌でも顔を合わせないとならない。それが余計に胸がズキッと痛んだ。
「いえ、お気遣いなく。仕方がありませんし。それより、どうでしたか? 具合の方は?」
「あぁ、やっぱりインフルだった。ただ熱が高いせいもあって、様子を見ていないと
いけないし熱を下がれば、ご機嫌ななめでな。ずっと抱っこをさせられて肩が凝った」
社長は、疲れた表情で肩をぐるぐると回していた。どうやらいい父親をやってきたようだ。切ないけど、これで良かったんだと思う。
ワガママなんて言えないし、仕方がないことだ。やはり香奈子と恵美の言う通り私は違う男性にも目を向けた方がいいのかもしれない。
辛い恋愛を乗り越えるためにも……。
その夜に、私は稲葉先輩に電話した。まずは、お試しで付き合うならいいと。もちろん彼は喜んでくれた。多分、このまま付き合うことになるだろう。
これでいい……新しい恋をすれば中途半端な関係も断ち切れる。今度デートも約束
未来が見えない社長との不倫より私の気持ちに近い、稲葉先輩なら幸せにしてくれるかもしれない。なのに……まだ心が揺らいでいた。
「まだ迷っているの?」
ハッキリしない私。社長と稲葉先輩の間で揺らいでいた。揺らぐ必要もないのに。
「なら、お試しで付き合ってみたら? 稲葉先輩と」
香奈子がサラリと凄い事を言ってくる。はぁっ? お試し……稲葉先輩と⁉
彼女の言葉に驚いてしまった。
「試しに付き合ってみて、それでもダメならやめればいいじゃない? もしかしたら気持ちがハッキリするかも知れないし」
「確かに……それも一理あるわね。違う男性に目を向けて見るのも大切なことよね。男性は社長さんだけではないのだし。もしかしたら何か見えるかも知れないわよ?」
恵美も香奈子の意見に賛成する。違う男性にか……。
確かにそうかも知れない。社長に関わってばかり居るから惑わされるだけで、たまには違う視点から見るのも大切なのかもしれない。私は改めて気づかされた。
それから二日後。そのことを考えながら会社に出勤すると社長が、すぐさま悪かったと謝ってくれた。この前のことで社長とは顔を合わせにくいが、仕事なので嫌でも顔を合わせないとならない。それが余計に胸がズキッと痛んだ。
「いえ、お気遣いなく。仕方がありませんし。それより、どうでしたか? 具合の方は?」
「あぁ、やっぱりインフルだった。ただ熱が高いせいもあって、様子を見ていないと
いけないし熱を下がれば、ご機嫌ななめでな。ずっと抱っこをさせられて肩が凝った」
社長は、疲れた表情で肩をぐるぐると回していた。どうやらいい父親をやってきたようだ。切ないけど、これで良かったんだと思う。
ワガママなんて言えないし、仕方がないことだ。やはり香奈子と恵美の言う通り私は違う男性にも目を向けた方がいいのかもしれない。
辛い恋愛を乗り越えるためにも……。
その夜に、私は稲葉先輩に電話した。まずは、お試しで付き合うならいいと。もちろん彼は喜んでくれた。多分、このまま付き合うことになるだろう。
これでいい……新しい恋をすれば中途半端な関係も断ち切れる。今度デートも約束
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