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DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄計画 その22
しおりを挟むついに星敵だらけの監獄に、休人が来た。
そして主張する──『生者』である俺と同じ休人である自分たちこそが、討伐報酬を得るに相応しいと!
「……まあ、そりゃそうなるよな」
そんな主張をした彼がどうなったか。
まず力持ちな星敵が彼を掴む、そしてそのまま街の外にスローイング。
もちろん抵抗はしただろうが、星敵だらけのあの中で何ができるというのか。
街では人型になるため、体の違和感に悩んでいた魔物たちも今は昔の話。
むしろ微細な能力調整を行えるようになっていて、街に敷かれた法則の穴を突くギリギリの出力で、能力を使うなんてやり方も今では流行りになっていた。
彼を救う者など居らず、そのまま街の外に放り出される。
そしてどうなったか──再び彼が、真っ新な姿で戻ったことから察してもらいたい。
「おっと、誰か探しているな……まあ、十中八九俺だろうけど」
スキルか職業能力なのか、俺の場所に探っていた彼はパッと上を向き──俺の居る場所とは違う方向へ走っていく。
「そりゃあ、いつまでも同じ場所に居るわけないだろう」
《──旦那様、ドローンが捕捉され破壊されました》
「早ッ。ここに来るだけの実力自体はあるってことなのか……さっきの殺られっぷりからすると、全然そうは思えないけど」
ここに収容されている星敵が、どいつもこいつもカンストレベルで強いからこそ、蹂躙されただけなのだろうが。
ちなみに、レベルはそれでも俺の999がトップ。
開示しない者もそれなりに居るが、それを条件に発動する能力などで確認しておいた。
さすがに同格、レベル999が居たら何か特別な殺され方をされる可能性だってある。
俺の場合は鑑定の情報拡張だったが、もしかしたら違う特典を得るかもしれない。
閑話休題
休人が何かやらかさないか、逐一ドローンでモニタリングは続けている。
俺のことを星敵たちに聞いてはいるが、好ましい反応は得られていない。
そりゃあ来て早々の宣言が、後を引き摺っているのだろう。
誰だって、お前を出し抜くぜと言った輩に協力はしないものである。
「[掲示板]が使えない以上、それは一度ここから出ないと……って、[ログアウト]したな」
いちおうでも非戦闘地帯なので、選択すればすぐに[ログアウト]の処理はされて速やかにこの場から離脱可能だ。
宿や拠点など、きちんとした環境でないと自動回復のボーナスは得られないが、それを必要としない短期間のものだからか……または、何らかの理由で身力が満タンだからか。
「アバターは回収されているから、どうにもならないよな……まっ、できることはあるから別にいいんだけど」
再び[ログイン]をするとき、基本的には[ログアウト]をした場所の座標を基にアバターは構築される……では、もしそこに何らかの細工があったら?
大抵の場合は少しだけ座標をズラして対処が行われる、大規模な変化があればその旨が[ログイン]時に表示される…………それ以上に対策ができないなら、もう諦めるのだ。
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