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色々な覚悟

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私達はランバード伯爵邸を後にした。

2人で馬車に乗り、これからの事を話す。

「もうこの時間であればお兄様もそろそろ帰ってくると思います。
私が王都に来てから5日になりますが、私が居るときは出来るだけ早く帰宅してくれるので。」

「そういえば、あんまり王都には来ないと言っていたが、今回は?」

「昨日、お兄様も言ってましたが、アレックスお兄様がいない今こそ、自由が欲しくて。
のんびりした領地も私は大好きですが、やっぱり王都で流行っている物はなかなか入ってきませんもの。
可愛いお店もおしゃれなカフェも、たまには楽しみたいですわ。
なので、今回はサミュエルお兄様にお願いして、王都に呼んでいただきましたの。」


「そういえば、デビュタントは?」


「一応、デビュタントには参加しました。アレックスお兄様のエスコートでしたけど、王族の皆様へご挨拶をした後、本来なら王族の方とその後踊るんですよね?でも…お兄様からの許可が出ず、何故か体調が悪くなった事にされた私はそのまま退出しましたの。
ダンスをしたかったと泣く私と、アレックスお兄様は伯爵家の庭園で月明かりの下、一緒に踊ってくれました。
それでも私は不満でしたけどね。」
私は、クスッと笑った。


「昨日のサミュエル殿も、その、かなりレベッカを溺愛しているようにみえたのだが…」

「ええ。確かに、サミュエルお兄様も私を甘やかしてくださってます。大切にしてもらっていると感じます。でも、アレックスお兄様に比べれば、まだ可愛い方ですわ。」


「あれで…。今回の結婚の件。アレックス殿が帰国する前に成立したとして、それがわかった時に、俺、殺されたりしないかな?」
と真面目な顔でレオナルド様が呟いております。
それは、私も懸念しております…とは口が避けても言えませんでした。

コッカス伯爵家のタウンハウスに到着すると、アンナとウィルが出迎えてくれた。

「お嬢様お帰りなさいませ。」

「ただいま帰りました。こちらが…」と私が紹介しようとすると

「レオナルド・ランバードです。はじめまして。」
とレオナルド様が挨拶してくれました。

「お嬢様よりお聞きしております。サミュエル様は先程お帰りになっております。
夕食まで少し時間がございますが、いかがなさいますか?」

「そうね。サロンにお茶を用意してくれる。夕食までそこで少し休むわ」

「かしこまりました。」

アンナにお茶の準備をお願いして、私はレオナルド様と2人でサロンに行く。

「サミュエル殿に挨拶しなくて良かったかな?」

「多分、お兄様は夕食まで湯浴みをされたりしてごゆっくりなさってるはずだから、夕食の時で大丈夫だと思いますよ。」
と私が言うと。


「とりあえず、殴られる覚悟はしておくよ。」
とレオナルド様が決意を告げました。
レオナルド様の方が体格もよろしいし、頭脳派のお兄様にやられるとは思いませんが、それぐらいの覚悟があった方が良いかもしれませんね。

私達は夕食までの間、ゆっくりとお茶を楽しんだ。
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