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約束
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夕食の時間になり、メイドが呼びに来た為、2人で食堂へ向かう。
レオナルド様の顔色が若干青いが仕方ない。
食堂へ入るとサミュエルお兄様がすでに待っていた。
「お待たせして申し訳ありません。」
「この度は夕食のご招待ありがとうございます。昨日はきちんとした挨拶も出来ず、申し訳ありませんでした。
改めて結婚の挨拶を…」
とレオナルド様が直角に腰を折り曲げたところで、
「私は招待した覚えはないんだがな。まぁいい、座ってくれ。」
と最後まで言葉を聞かず、お兄様がレオナルド様に声をかけた。失礼じゃない?お兄様!
私達はとりあえず椅子に座り、食事を始める。
無言…とにかく無言だ。わずかな食器の音と、給仕の靴音しか聞こえない。
重苦しい時が過ぎる。
沈黙に耐えられなくなった私が声をかける。
「レオナルド様、お口に合いまして?」
「あ、ああもちろん、凄く美味しいよ。」
そしてまた無言。これじゃあダメだ。
夕食も、メインが終わり、デザートの時間になる。
レオナルド様は意を決してお兄様に声をかける。
「サミュエル殿、昨日は申し訳ありませんでした。レベッカより聞いているとは思いますが…」
「レベッカ?」
おっと、すんごい低い声ですね。お兄様。
「…レベッカ嬢より聞いているかとは思いますが、私達2人の結婚を認めていただきたい。出会って間もないと思われるかもしれませんが、私にはもうレベッカ嬢しか考えられないのです。ご存知の通り、私は今まで女性とのお付き合いもなく、近衛騎士として仕事に邁進してきました。
そんな中、出逢ったのがレベッカ嬢 なのです。
お互いがお互いを必要としています。今まで、サミュエル殿がレベッカ嬢に沢山の愛情と幸せを与えてきた事は、知っています。
これからはその役目を私に譲っていただけませんか?
私の人生をかけてレベッカ嬢を幸せにすると約束します。」
予想もしない熱烈な告白。
私には言ってもらった事はありませんけどね。
例えサミュエルお兄様に向けての言葉だったとしても、なんだか胸がドキドキして顔が赤くなってしまいます。
…が勘違いしてはいけませんね。気を引き締めて、このミッションを成功に導かなければ。
レオナルド様には役者になる才能がおありなのでは?そう私が思っていると
「許可をするのは、最終的には私ではない。父上だ。
私としてはレベッカの幸せが1番大事だ。今は2人とも恋の熱に浮かされているのだろうから、幸せなのは当たり前だ。
幸せとは継続させる事が大事なのだ。レベッカの顔が悲しみで曇るような事があったら私は君を許さないよ。
それは約束してくれ。」
「もちろんです。レベッカを泣かせるような事はいたしません。」
「当然だ。レベッカは私の大切な妹だ。レベッカにはいつも笑顔でいてもらわなくては困る。
ちなみに、レベッカへ愛情と幸せを与える役目を君に譲るつもりもない。
私は私でレベッカを愛し、幸せにするから、そのつもりで。話は以上だ。
デザートを楽しんでくれ」
「ありがとうございます。改めてレベッカを幸せにすると誓います!」
「レベッカ?」
「…レベッカ嬢…」
「ふん。まぁ、いいだろう。」
「お兄様、ありがとうございます。幸せになります!」
私は笑顔でそう言った。
「レベッカ、いつでもこの男が嫌になったらお兄様の所へ帰ってくるんだよ。
我慢する必要などないからね。」
レオナルド様に向ける顔とは180°違う笑顔でお兄様はそう言った。
でも、目がマジ。笑ってない。
なんとかお兄様から許可を得て、レオナルド様は帰っていった。
私は明日の朝、領地に向かう。
レオナルド様は単騎で向かう為、1日でコッカス領に着くという事で、明後日の早朝に王都を出発し領地に入り次第合流する予定となった。
無事、説得が成功しますように。私は祈りながら眠りについた。
レオナルド様の顔色が若干青いが仕方ない。
食堂へ入るとサミュエルお兄様がすでに待っていた。
「お待たせして申し訳ありません。」
「この度は夕食のご招待ありがとうございます。昨日はきちんとした挨拶も出来ず、申し訳ありませんでした。
改めて結婚の挨拶を…」
とレオナルド様が直角に腰を折り曲げたところで、
「私は招待した覚えはないんだがな。まぁいい、座ってくれ。」
と最後まで言葉を聞かず、お兄様がレオナルド様に声をかけた。失礼じゃない?お兄様!
私達はとりあえず椅子に座り、食事を始める。
無言…とにかく無言だ。わずかな食器の音と、給仕の靴音しか聞こえない。
重苦しい時が過ぎる。
沈黙に耐えられなくなった私が声をかける。
「レオナルド様、お口に合いまして?」
「あ、ああもちろん、凄く美味しいよ。」
そしてまた無言。これじゃあダメだ。
夕食も、メインが終わり、デザートの時間になる。
レオナルド様は意を決してお兄様に声をかける。
「サミュエル殿、昨日は申し訳ありませんでした。レベッカより聞いているとは思いますが…」
「レベッカ?」
おっと、すんごい低い声ですね。お兄様。
「…レベッカ嬢より聞いているかとは思いますが、私達2人の結婚を認めていただきたい。出会って間もないと思われるかもしれませんが、私にはもうレベッカ嬢しか考えられないのです。ご存知の通り、私は今まで女性とのお付き合いもなく、近衛騎士として仕事に邁進してきました。
そんな中、出逢ったのがレベッカ嬢 なのです。
お互いがお互いを必要としています。今まで、サミュエル殿がレベッカ嬢に沢山の愛情と幸せを与えてきた事は、知っています。
これからはその役目を私に譲っていただけませんか?
私の人生をかけてレベッカ嬢を幸せにすると約束します。」
予想もしない熱烈な告白。
私には言ってもらった事はありませんけどね。
例えサミュエルお兄様に向けての言葉だったとしても、なんだか胸がドキドキして顔が赤くなってしまいます。
…が勘違いしてはいけませんね。気を引き締めて、このミッションを成功に導かなければ。
レオナルド様には役者になる才能がおありなのでは?そう私が思っていると
「許可をするのは、最終的には私ではない。父上だ。
私としてはレベッカの幸せが1番大事だ。今は2人とも恋の熱に浮かされているのだろうから、幸せなのは当たり前だ。
幸せとは継続させる事が大事なのだ。レベッカの顔が悲しみで曇るような事があったら私は君を許さないよ。
それは約束してくれ。」
「もちろんです。レベッカを泣かせるような事はいたしません。」
「当然だ。レベッカは私の大切な妹だ。レベッカにはいつも笑顔でいてもらわなくては困る。
ちなみに、レベッカへ愛情と幸せを与える役目を君に譲るつもりもない。
私は私でレベッカを愛し、幸せにするから、そのつもりで。話は以上だ。
デザートを楽しんでくれ」
「ありがとうございます。改めてレベッカを幸せにすると誓います!」
「レベッカ?」
「…レベッカ嬢…」
「ふん。まぁ、いいだろう。」
「お兄様、ありがとうございます。幸せになります!」
私は笑顔でそう言った。
「レベッカ、いつでもこの男が嫌になったらお兄様の所へ帰ってくるんだよ。
我慢する必要などないからね。」
レオナルド様に向ける顔とは180°違う笑顔でお兄様はそう言った。
でも、目がマジ。笑ってない。
なんとかお兄様から許可を得て、レオナルド様は帰っていった。
私は明日の朝、領地に向かう。
レオナルド様は単騎で向かう為、1日でコッカス領に着くという事で、明後日の早朝に王都を出発し領地に入り次第合流する予定となった。
無事、説得が成功しますように。私は祈りながら眠りについた。
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